本日も西船橋スタジオ・サンにおいてザ・サンセット ラプソディーのストイックなリハーサルは行われていた。
最近は遅刻エンペラーと呼ばれていたセシル・ゴーも時間通りにスタジオに到着し、というより、ここ、二回ほどはわたくしが遅刻していたくらいなのだが、三人がきちんと集合し、厳粛な雰囲気でリハーサルを開始したのだった。
今日は三時間しかスタジオが取れなかったので、いつもの、練習と、どっちがメインなのかわからないほど長い休憩を減らすことにしてストイックな通し稽古に我々は打ち込んでいた。
ここのところ、ドラム教室での特訓と減量の成功によって、アカシア・ドラムスが目覚ましい変貌を遂げていたのであるが、その変化のうちのひとつに「動きが良くなった」という意見がベース弾きであるところのセシル・ゴー氏より挙げられていた。
その時は「へー、凄いですね。」などと、よくわかっていないくせにわかったようなフリをして、賢い人のように振舞っていたのであるが、今日の練習でその「動きが良くなった」というのを実感するシーンに出くわしたのであった。
それは通し稽古2週目か3週目のとき、演っていた曲は「ハツカネズミと星空のメロディー」であった。
ここ最近はアカシア・ドラムスの変貌とともに、バンド全体のサウンドが良くなってきており、メンバー全員がそれを実感しながら、曲のハイライトに差し掛かった時であった。
普段、スタジオの広さ、アンプの位置などによって、弦楽器の二人の立ち位置は変わって来るのであるが、今日、ちょうど自分はアカシア・カズヤと彼の演奏するドラムセットと真向から向き合う形になっていたのであり、となると想像に難くないと思うのだけれども、太鼓を叩くアカシア氏の様子が大変良く見えるわけであって、それがあきらかに以前と動きが違うのである。
力強く鳴り響くクラッシュ・シンバルと虚空を引き裂くスネア。大地を揺るがすキック・ドラム。軽やか、かつ、リズミカルに激しく躍動するアカシア氏の四肢。
それを目の当たりにし、氏の変貌を痛烈に実感したわたしを襲ったのはあまりにも強烈な爆笑の衝動であった。
何故、そこで爆笑の渦にわたしがたった一人で巻き込まれるのか理解出来る人はきっとほとんどいないだろう。
正直なところ、わたしにもよくわからないのだから。
ただ、わかっていることはその結果、わたしはギターを弾きながら歌も歌っているのだけれども、その歌声が一人で爆笑したせいで大いに乱れ、その変化に気付いた残りのメンバー二人がわたしのほうに何事かと視線を向けた先には何故か一人で笑って、歌も歌えなくなっている馬鹿。
かろうじて鳴り響くギター。
我々の演奏する曲というのは、けっこう、どれも緊張感や気迫が重要になってくるものが多いわけであって、ということは、ようするに「笑う」という感覚とは真逆にあるが故に「笑ってはいけない」という状況にあると言えるわけであり、これは、わかる人もいると思うのだけれど、笑ってはいけない状況、例えば教師などが何かにマジギレし、こめかみに青筋を浮かべながらクラスの生徒全員に凄まじい気迫と殺気で説教をたれている瞬間。
これは完全に「笑ってはいけない状況」なのであり、仮に笑ってしまったりしたら大変まずい立場に追い込まれるわけですが、何故か笑いたくなりますよね?
なりませんか?
わたしなどはそこで笑ってしまったりして、本気で教師をがっかりさせてしまう生徒だったわけですが、そんなのは関係ねぇずら。
話が多少逸れたが、その結果、わたし以外のメンバー二人もつられて、わけもわからず笑ってしまい、演奏が台無しになってしまいました。
しかし、演奏が終わっても笑いやまないわたしにメンバー二人、特に当のアカシア・カズヤ氏本人はわたしにつられて笑っていただけなのでワケがわかりません。
わたしは懸命にその理由を説明しようと一生懸命努めたのですが、実際のところ自分でもよく解らないのでした。
そこで、一旦休憩になり、また何故、躍動するアカシア氏がおかしかったのか検討してみたのですが、結局、明確なことは解らなかったのでした。
そして、休憩を短く切り上げ、気を取り直して、「セシルのアンニュイな午後」を演り、「スカーレット」に差し掛かった時に事件は起こりました。
序盤は極めてよい感じで演奏は進んでいて、わたしはまた笑ってしまわないように意図的に視線を上に向け、件の躍動するアカシア氏を見ないように努めていたのですが、視界の左下に何だか異変を感じたので、うっかりアカシア氏の方へ視線を合わせてしまいました。
すると、今回はわたしは笑っていないにも関わらず、アカシア氏が笑っているのです。
しかも躍動しながら。
これでわたしが笑わずにいられるでしょうか?
笑わないでいられるわけがありません。
そして、またもや結果的に三人が爆笑の渦に巻き込まれ、演奏は乱れ、全ては台無しになってしまいました。
次の曲は「サッド ソング」だったのですが、この曲を演奏しているときにも同じような状況に陥ったのは言うまでもありません。
きっと、スタジオの中を覗いた人は三人が、「なんて楽しそうに演奏しているんだろう!」と思ったことでしょう。
しかし、実際はふざけて全員で演奏を台無しにしていただけであって、決してそのような素敵なものではありません。
そんで、その後はどうしたって?
わたしは立ち位置を変え、アカシア氏を視界から完全に外しました。
あと、わたしは鍛えているので大丈夫なのです。どこかで聞いた台詞ですが。
でも、最後の1周の「スカーレット」のときにドラムが一部、乱れたようなので、きっとアカシア閣下は笑っていたんだと思います。
本人は絶対認めないと思いますが。
そして、練習が終わったあとに「何故、躍動するアカシア氏が可笑しいのか?」というテーマについて考えてみたのですが、「本来はそれだけ動けるはずであるのに、さんざん太っていやがって」だとか、「顔は同じなのに動きが以前と違う」など色々理由をつけてみても、いまいちしっくり来ないので、やはり、これといって明確な理由はないような気がします。
もしかしたら、本当に大切な感情というものは言葉で綴れるものでは無いのかもしれませんね。
そんな ザ・サンセット ラプソディーのライヴが2月7日に稲毛K's Dreamで開催されます。
2/7(SUN)
K's Dream presents
ザ・サンセット ラプソディー
ザ・ゴールデンズ
剛田リサイタル
るなてぃっく07
RAMBLES
(in your) LAST SUNSET
OPEN 18:00 START 18:30 | 前売¥1,500+D 当日¥1,800+D
チケット取扱/K'S DREAM TEL 043-244-8800
激しく躍動するアカシア・ドラムスを見よ!!
もし、メンバーの誰かが笑っていたら上記の理由の可能性大です。
怒らないで下さいね。
チャオ。