帰りに近所のヨークマートへ行くとやる気のなさそうな、いささか化粧の濃い中年女性がサンタクロースの帽子を着用して気だるそうに業務に就いていた。
その一見楽しげな風貌と彼女の労働意欲の欠落の対比。
決して巡り合うことのない星々の抱えた諦観と絶望。
忘れ去られた衛星。
その悲哀。
それは僕の胸を凍てついた空に無機的に響いた銃声のように打って落涙を誘う。
などというのは嘘で、ふと、店内を見回すとレジスターの係の者達はみんな件の帽子を着用している。
つまり、強制的に全員がサンタクロースの帽子の着用を義務付けられておるわけだ。
わたくしは思い出した。
去年もかような光景を当店にて目の当たりにいたし、嗚呼、自分はヨークマートの従業員でなくて良かったなぁ、などと一人静かに胸を撫で下ろしていたことを。
君にはクリスマス・キャロルが聞こえるか?
チャオ。