儚い香気は闇に口づけて
沈黙が夜に鳴く鳥を殺した
憂いは閉じられた睫毛を伝い落ち
忘れられた殉難者達を思った
月は美しく蒼ざめて細い指で触れ
夜は黒く長い髪なびかせ
乾いた風に抱かれて華麗に踊った
横顔に降り注ぐ白い光浴びて
微かな笑みを口元に浮かべながら
歪んだ嘆きは憎悪に犯されて
渇きはその生贄を求めている
微笑は脳裏に刻まれて優しく
裂かれた六月の空を抱きしめた
失われた時が静かに息づいて目を開け
空の星達は旋律を奏でて
揺れる視界はどこか懐かしい遠くへ
連れ去られ触れない何処かへ
隠されたはずの美しいあのいくつもの夜へ