毎度相変わらずの話の切り出し方で非常に悪いとは思う事を先に謝っておくとしよう。
さて、唐突ではあるが私は今・・・2度目の地底へと来ていた。
理由は言うまでもない。巣穴の拡大に危機感を覚えたEDFが無茶を承知で、二度目の侵攻作戦を開始したのだ。
けれども私の勘から言えば、どーせ今回も失敗すると思っている。
なぜなら、まだ2度目の侵攻だから。そして、作戦の段階が複数に別れていないからだ。
前の世界でもそうだったが、最初と二回目の地底での作戦は途中で撤退する羽目になっている。だから、今回もそんなオチだろうという、そんな予感がしているのだ。
とは言え、相手の戦力少しでも削ぐと言う意味では、この作戦も無駄ではないのかもしれない。コチラの戦力もそごれそうだから、実際は大して意味もなさs―――
とりあえずそういったメタ発言は横に置いておくとして。無事に戻ることが一番大事なのは間違いない。
で、地底での戦闘と言うことで今回は、もはや固定装備となっているスパローショットM3と、爆発物としてグレネードランチャーUM4の二つをチョイスしてきた。
地下での炸裂系装備は強力なのだ。一歩間違えれば、自爆だけど。
そして、今回一緒にいるのが、ストーム8こと安西錬隊員である。
一説ではサイボーグ人間だとか、とんでもない力を隠し持っているとか、色々な噂があるが実際どうなのかは知らない。ただすくなくともロケットランチャー系の扱いがすごいというのは確かである。
「一つ、気がついたことがあるんだがいいか?」
巣穴の中を進みながら、おもむろに安西隊員が口を開いた。
「ん?何?」
「俺達、迷ってないか?」
「…あ、やっぱり? そんな気してたのよねぇ。レンジャチームの人達とかいないし、レーダーにも反応がないし」
「何で、のほほんとしてるんだお前ーっ!?」
まぁでもレンジャーチームの皆さんがいようといまいと、大きな違いはないのは、ここだけの話だ。
「とりあえず合流した方が良いかもなって、敵の反応だと!?」
「それじゃあさくっと―――って、この数は何…?」
不意にレーダーに敵の反応が移る。だが、同時にその数に思わず閉口した。
何か妙に多いのだ。本来出てくる予定の数(なぜお前がそれを知っている)の1.5倍くらいの数の反応が、私達を完全に包囲している。
「囲まれた?!」
「せめて通路だったら、対応も楽なのに…」
少し焦り気味の安西隊員。気持ちはわかるが、私は慌てない。毎度の事、よくあることだ。
だがそれでも、コノ状況には、さすがに舌打ちの一つもしたくなる。今いる場所は少し広い部屋みたいな場所。通路なら二方向に注意をすればいいが、ここだとそうはいかない。全方向に常に気を配らなくては行けない。
「さすがにちょっとピンチかな…?」
巨大生物にとっては壁も天井も関係ない。下手すりゃ全方向+天井まで注意しなければならない。それはそれで非常に厄介だ。
やがて、敵の集団が到達。やむなく、その場にて応戦が始まる。
だが―――ふとある事実に気がついた。
「なんか、微妙に強さが今までと違う気が…」
敵は黒蟻と蜘蛛バゥ。だがこの前戦った時と比べて、微妙に打たれ強さなどが変わっている気がするのだ。ついでに攻撃力や、飛んで来る糸の数や酸の数も多い気がする。
――何かがおかしい。主に難易度的な意味で。
状況としてはちょっと本当にヤバイかもしれない。本当に難易度がワンランク上がっている。そんな気がするのだ。これはもうHARDのつもりで来たらHARDESTになっていて、ええー!?って気分だ。
そもそも、なぜ唐突にこんなことになっているのかがわからないのだが…。私、なにか不味い事したっけ?(←しました。詳しくはMission16を参照)
ともかく敵の数は変に増えてる(当社費1.5倍)は、難易度は勝手にあがってるぽいはで、このままでは微妙にジリ貧である。
さすがに不味いかもしれない。そんな気になりかけていた頃、おもむろに安西隊員がつぶやいた。
「仕方がないな。こいつだけはやりたくなかったが…」
「え?何?どうするの?」
「奥の手を使ってやる。…覚悟しろよ…この蟲野郎っ。必殺、ゲッダン撃ち」
「!!」
さぁ、皆さんもご一緒に。 ~get down♪ (後略)
ゲッダン撃ち。それはもう凄まじいの一言に限った。
残像が見える速さで狂ったようにその場で動き回る安西隊員。動き回ると言っても、なんかその場でぐるぐる滅茶苦茶に踊り狂っているようにしか見えないのだけど。
だが、それと同時に連続で撃ち出されるロケット弾の弾幕はすごかった。
それは、まさに360度全方位攻撃。滅多やらたに全方位へとばら撒かれるその攻撃に死角という物は存在せず、見る見るうちにレーダーから巨大生物の反応が消えていく。
まさかこんな攻撃方法があったとは―――!!
衝撃だった。それはもう色々な意味で。
そして、安西隊員の必殺技「ゲッダン撃ち」が終わった頃には、その場に敵の姿はなく、静けさだけがその場にあった。
「…ふぅ…。なんとかなったぜ…」
幾らか疲れた様子で額の汗を拭う安西隊員。あれだけ過剰な動きだ。消耗する体力も大きいのだろう。
「安西隊員」
呼吸を整える安西隊員に笑顔で話しかける。
「言いたいこととやりたい事が一つずつあるのだけど、いい?」
「ん、なんだ?」
「まず一つ目。おかげで助かったわ。ありがとう」
ニッコリと笑う私。
「そして二つ目」
なおも笑顔のまま、スタスタと近づいていく。
あぁ、でもさすがに、こればかりは笑顔では無理か。でも、とりあえず正当な感情の表れだと言っておこう。
「あのね?」
「お、おう」
「こんな密閉空間で無差別全方位攻撃すんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ごふぅっ!?」
思わず本気で、右手のコークスクリューを叩き込んでしまったが気にしない。
考えてもみてほしい。
ある程度の広さはあるとはいえ、仮にも死角のない全方位攻撃だ。そして残像も移る速さで踊りまわるあの状況で、周辺の状況を把握できているはずがない。
よって、あの攻撃は強力ではあるが、敵味方識別機能はない。よほど動体視力でもよければ出来るのかもしれないけど。
「この前、開発部に頼んでアーマー強化してもらってなかったら、今回もやられてたわよっっ!!」
アーマー強化した理由は言うまでもない。自爆対策だったのだが、まさかこんな局面で役に立つとは。
備えあれば憂いなし。とは、まさにこのことだ。
でもまぁ、とりあえず危機は脱したからいいとしよう。気も済んだし。
そんなわけで、一発KOしてしまった安西隊員を引きずって、私は来た道を戻っていくのであった…。
ちなみに肝心の作戦のほうは、私の予想通り失敗に終わったのは言うまでもない。
to be countinue.....
☆えむ’sコメント☆
確認した限り、地底での大規模作戦前に、2回作戦失敗するのがEDFクオリティみたいです。
EDF2でも、3でも。まぁ、どうでもいい話ですけどね。
そしてストーム8登場。設定上、この人はとんでも設定の持ち主なのですが、敢えて全て採用してしまいました。でも喪阿さん、ごめんなさい。こんなオチでorz
だけど、彼しか無理と思ったんです。本気突っ込みくらって無事でいられるのは―――(マテ