ベルリンの壁が崩壊して4年たったある日・・

ルーマニア・ブカレストからメールが入った、

 

ルーマニアでも携帯電話市場の広がりを見越しての仕事の話しだった。

 

オリンピック金メダリスト・コマネチの出身地。  

チャウシェスク政権崩壊の瞬間がテレビで生中継されて世界中に衝撃を与えたのは6年前。

 

当時、ルーマニアは平均賃金が月100ドル前後。1年間に個人が外貨両替できる金額も決まっていた。

 

(トロリーバスと市電が走っています。)(引用元:Villamosok)

 

少し前まではホテルでクレジットカードも使えず、宿泊代を銀行で両替すると、ホテルまで銃を持った警備員がガードしてくれたとK副社長が話してくれた。

(クレジットカードが使える外国人が泊れそうなのはインターコンチネンタル一軒だけだった。)

 

首都ブカレストまでは、フランクフルトからルフトハンザの直行便が飛んでいる。

入国ビザは空港で取得できるそうだ。

 

ビザカウンターの列に並びパスポートをだすと、確認するなり突き返された。

 

“えっ、事前ビザが必用だった? 入国できないの・・” ともう一度パスポートを差し出すと

 

“だから、要らないって。”といって突き返された。

 

どうも、ビザが必用無いらしい。

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(今は新しい空港になっています。)(引用元:allumiscom)

 

後ろに並んでいる、K副社長に“ビザ要らないって”と伝えると、

並んでいた他のドイツ人と一緒にびっくりしながら“本当に?”と聞いてきた・・。 

 

ビザが必用無いと言われた外国人はどうもわたし一人のようだ。

西欧からでもビザが要るのに極東からきて本当に要らないのだろうか? 

 

入国審査で追い返されるかもしれない・・そんな不安を抱えながら入国審査に向かった。

パスポートを出すわたしに皆が注目しているのは、たぶん入国できないと思ってのことだろう。

 

バンっ! と入国スタンプが押されて何事もなく入国できた。

 

本当に要らないんだ。 

なかなかどうして、日本のパスポートって凄い。

 

入国審査まで不安でうつむき加減だったのが、心なしか胸を張っているのは気のせいかもしれない。

 

(パスポートインデックス(ランキング)で2018,2019年とも日本は単独1位で、現地空港での取得も含めてビザなしで渡航できる国は190ヵ国。)