興味深い記事を読みました。

 

とらじいが敬虔なクリスチャンかどうか疑わしい(本人は頑なにそう言ってるけれど)と考える人は結構いるようですが、彼が間違いなく盲信していて、生き方の指針にしているというのが、Norman Vincent Peale(1898年-1993年)氏の教えなのだそう。

 

ピール氏は世界中でベストセラーになったThe Power of Positive Thinkingの著者で、ニューヨークにある共同マーブル協会の牧師であり自己啓発家です。ちなみにピール氏は、とらじいが最初の奥さん(イヴァナさん)と結婚した時も祭祀を司りました。

 

他にも様々な著書があり、「人生が驚くほど逆転する思考法」「成功の秘訣」「誰の辞書にも不可能という文字はない」などなど、どれも全てどこかで聞いたことがあるようなタイトル。つまり資本主義社会における自己啓発の根本ともなる考え方を世に説いた人で、アメリカはじめ世界中に彼の著書を読み、その教えにインスパイアされている人たちがたくさんいるそうです。

 

確かにとらじい、すごいポジティブな人なんだろうなと思います。

 

リーダーとして組織をまとめつつ、倒産は6回経験。ことごとく事業に失敗しても、不死鳥のごとく這い上がり、そして遂にはアメリカの大統領にまでなってしまうという。超硬金属のような前向きさがないと、普通の人はどこかで折れてしまうはず。

 

例えコロナに感染しても、その前向きさは全く変わらず。「ほら、言わんこっちゃない」という冷ややかな視線は全く無視で、退院の際には「コロナを恐れるな」と国民に訴え、どう見ても普通に呼吸ができているようには見えないのに、健在ぶりを誇示。そしてそれを「トランプ鬼すげえ!」と盲信している支援者がたくさんいる。

 

とらじいは本気で2期目を狙っていて、そのためには絶対にコロナなんかには負けないと本気で思っていると思います。強力なステロイド薬でハイになっているのでは?という冷ややかな意見も無視。自分にとってネガティブなものはとにかくスルーで、目標に向かって積極的に動くだけ(そのおかげで側近がコロナに感染してもお構いなし)。ツイッターでも、彼を熱烈に支持するツイートを今まで以上にリツイートしまくっているようです。

 

自らのエネルギーと、それを信じてくれる人の応援を糧にしてどんどん巨大化していっているとらじい。まるで何かのグロいアニメを見ているよう。

 

「積極的な生き方思考」の柱になっている考え方に「病は気から」とか「人生に起こる全てのことは自分の責任」というのがあるけれど、それらは時に「弱者のことを(本当の意味で)大切にしない。無視する。」っていう考え方に繋がる危険性とも表裏一体な気がします。

 

"If you were sick, or poor, or simply unhappy, it was because you weren’t trying hard enough."

「病気だったり、貧しかったり、不幸だったりするのは、あなたの努力が足りないから」

 

 

入院先の病院から「今回入院したことで、コロナについて深く学ぶことができた」としみじみ(わざわざ動画で)国民に伝えたりするのも、アメリカですでに20万人以上の人が命を落としているのに!?いまごろ!?

とにかくぶっとび天然ポジティブぶりです。

 

2018年にとらじいがパリを訪問した時に、パリ郊外のアメリカ人戦没者墓地への訪問を中止した理由を、戦没者墓地が「負け犬だらけ」と彼が発言していたから、というニュースが少し前大きな話題になっていたけれども、もしかすると本当なのかも。自分が希望する軍事パレードには「腕や足を失った兵士は誰も見たくないから」という理由で負傷兵を進行に参加させないように指示したという逸話もある。もちろんこれらはフェイクニュースだととらじいは否定しているけれど。

 

 

 

とらじいは今まで、コロナに感染して症状が悪化して苦しむ、または死んでしまう、とか、次の選挙で負けてホワイトハウスを追い出される、なんていうこと本当に想像もしていなかったんじゃないかな、と思います。そういうネガティブなものはとことんブロックしていた気がする。今アメリカがどんな悲惨な状態になっているか、という現実さえも。でも、ここ数日の彼の今まで以上にぶっ飛んだ言動を見ていると、直視したくないネガティブなイメージが頭に浮かんでしまっているのではないかな…という気もするのです。必死でそれをかき消そうとしている雰囲気。

 

入院中にパレードをしたり、バタバタと退院したのも、とにかくとらじいが1分1秒でも早くホワイトハウスに戻りたかったからで、入院して初めて、家族や大切な人と会えることなく1人ぼっちで病室で死んでいったコロナ感染者の姿が現実として頭に浮かんだからじゃないかな。マスクも外して、自分がどれだけ強くて元気か、っていうのをホワイトハウスのバルコニーでアピールすることで、必死で何かを保ったんじゃないかな。

 

そうすることで今まで何度も這い上がって来たように。

 

 

としみじみ考えていたら、こんなニュースが飛び込んできた。

 

とらじいは本日退院後、初めてオーバルオフィスに戻ったそうで、ホワイトハウスのローズガーデンから5分ほどの動画を配信していました。(突っ込みどころ満載)

 

本当はコロナにかかっていなかった説とか色々憶測も飛び交っていますが、今日は動画の中で

 

「コロナに感染したことは、神のご加護だった」ときっぱり。

 

「コロナに感染したおかげで、(自分)が実験台となってコロナを治す薬を試すことができた。私が試した同じ薬を国民が使用できるように早速手配します。」ときっぱり。おおう。

 

製薬会社の利権すか!?

 

どんな出来レースすか!?

 

 

 

https://www.washingtonpost.com/outlook/2020/10/06/positive-thinking-trump-virus-fear/#comments-wrapper

 

2020-crises-confront-trump-with-an-outage-in-the-power-of-positive-thinking

 

https://www.cnn.com/2020/10/07/opinions/erratic-trump-actions-covid-medication-side-effect-dantonio/index.html