子供の描く絵が好きだ。自分の子供の絵だけでなく、どの子供の描く絵も。

 

まあ自分の子供の絵は、自分の子供ではない子供が描いた絵よりは「しみじみと」見てしまうけれど(客観性がなくなるけど)、子供が邪念を入れずに書いた絵にはどれにも何か心打たれるものがある、と思います。「子供は誰でもピカソ」っていうのもありますね。

 

ですが、今日は身近なサンプルということで自分の子供のことです。親バカも入りつつ。


 

上の子は小さなころから絵を描くのが大好きで、けっこう上手い方だった。だから周りからも「上手だね」と良く褒めてもらい、本人もそれが嬉しくて本当にいつも沢山絵を描いていました。そしてその「絵が好き」という気持ちは変わることなく、今でも隙間時間にコツコツを絵を描いており、お小遣いも画材に消える、ということも多い。

 

一方下の子は。小さいころから絵を描くことに特に興味はないようで、私は親だから彼がたまに何か描けば「すごいね!」と褒めるけれど、その絵を第三者が見て「上手だね!」と言われるような感じではなかった気がします。

 

ただ、そうやってあまり周りに期待されないということにも利点があり、彼が描く絵は本当にダイナミックで面白い。余計なことを考えずにそのまま、ただ感覚で描いている雰囲気。描いてもあまり「これ見て」という感じでもない。

 

例えばこれは彼が最近学校で書いた絵。スペースシャトル(下には脱出ポッド付き。ち〇こじゃないよ。)と宇宙。




良く見ると、惑星なんかも書かれていて「これは?」と聞くと、なんと太陽系だった。すごいな。

 

8歳ぐらいになると、もう少し形式的な絵にもなってくると思うけれど、彼の絵はまだまだ自由だ。すごくいいなと思う。

 


娘の話に戻ります。

 

絵をもう少し本格的にやりたいという本人の希望により、彼女は今ダウンタウンにあるアートクラスに半年ほど通っています。そこでは娘がずっとやりたかったキャンバス画もガンガン描かせてくれるので、本人すごく満足している様子。

 

ただ、ここのところ先生が

 

「もう少し形をよく見て書いてごらん」と言うらしく、あまり正確なデッサンなどは得意ではない娘は少しモヤモヤ。

 

最近環境ポスターを作成するためにハチを描くことになった娘。

 

自分のイメージでいつものようにハチを書いていたら、先生から「待った」がかかったらしく、

 

「本物のハチを良く見て描いてみてごらん」

 

とアイパッドでハチの写真を見せてきそう。

 

それを見てじっくり描かなきゃいけなかったそうで、その時のスケッチがこれ。




 

お、おう…ちょっとリアル。

 

先生が娘の感性をかってくれているのを親の私も感じるのですが、そんな先生が今、何でもスラスラ楽しく自分の感覚で描く彼女にあえて「待った」をかけた理由は?

 

ということについて考えてみたら、それは

 

「基礎をしっかりつけてもらいたい」

 

という思いじゃないかな…と思った。

 

リアルなデッサンをすることが基礎を培うことにつながるのかどうかは私は専門家じゃないのでわからないけれど、確かにじっくり何かを見て描くというのは、自分のイメージで描くよりはずっと難しいだろうと思う。でもきっと色々なことにも気付くんじゃないかな。

 

余程の(何万人に1人とか)天才じゃない限り、センスや感覚だけではそれを極める(プロとしてもやって行けるぐらいになる)のは難しい。基礎をしっかり入れ込まないと。それは料理人にしても、サッカー選手にしても、物書きにしても、どの分野でも言えることだろう。


娘の場合は別にプロになるためではないけれど、自分の好きなことをもっとレベルアップさせたかったら基礎を築くっていうことも大事だと思う。


 

それでも娘は、やっぱり自分の感性で好きなように描きたいというのもあり、若干モヤモヤしている様子。(↑の絵の右の方に、やっぱりマンガバージョンのハチも描かずにいられなかった、という思いが見て取れる。笑)

 

なので、あのピカソが8歳のころに描いた絵というのを見せてあげた。












ピカソ基礎どんだけ!?




と娘もびっくり。


☆ピカソの絵はこちらよりお借りしました。

https://matome.naver.jp/m/odai/2138534845909740301

 




その後話題が少し変わり

 

「日本では美術も音楽も、手芸なんかも一通り基礎を学校で習うから、そこからもっとこれをやりたい!っていうのが見つかる人もいるんだよ。なんでも挑戦させてもらえるっていいよねえ。」

 

と少し自慢げに言った私に娘が返してきた言葉。

 

「でもさ、全部それもグレードが付くんでしょ?(評価されるんでしょ?)。AとかBとかさ。それ絶対嫌だな。」

 

だって。

 



うーん。それもそうだ。なかなか核心ついてるね。