この春のノイタミナを大いに楽しんでいます。
「さらい屋五葉」は派手さはないけれど、じわじわと
染み入る感じがすごく好きなんですけど、もう
一本はまた違う部分でのおもしろさのある作品。
■四畳半神話体系
黒髪の乙女と青春を過ごす薔薇色のキャンパス
ライフを夢みてサークルに入った「私」であったが、
理想と現実は異なっていた。
悪友・小津のせいで無為な2年間を過ごして
しまったという気持ちにさいなまれていた「私」は
もういちど、入学したときに戻ってやり直せたならば
と願うのだが。
…そして「縁結びの神様」の力?で、毎回もういちど
やり直してゆくという物語。
テニスサークルから始まり、映画サークル、
自転車サークル、師匠に弟子入り…こうして
振り返ってみると、2回目以降は、どうにも微妙な
薫りのする活動ばっかりなんですけど(笑)、
そこではやはり悪友・小津がいて、どこか気になる
孤高の乙女・明石さんがいて、やはりいつも壁に
突き当たってしまう「私」がいる。
それでも少しずつ変化もあるし、「私」に関わってくる
人物も増えてきたり縁が遠ざかることもあったり。
誰が、どこまで「繰り返し」であることを知っているのか、
はたまた「楽屋オチ」のようなものであるのか、虚実が
入り混じった独特の物語を彩る、「画」もまた、ひじょう
に個性的。
京都を舞台とした背景美術は人物との境界線が
ないまぜとなったグラフィカルなものがあったり、実写映像
に近い仕上がりのものもあったり、スタイルは自由自在。
色彩設計もごく絞られた、その回ごとのイメージカラーが
印象に残る創りで、たいへんカッコイイです。
食事関係がとても美味しそうなのがいいなあ。
第4話では、頭の上にタワシが浮いていたり、町にいるひとが
つるっと人外なルックスだったりと、ことさらにエキセントリック
な描写が、しかも自然な顔をして日常に封入されていて、
平衡感覚が揺さぶられ放題でした。
そして師匠の鴨川ライブが超イケてました!今回とくに低く
停滞している「私」にシンクロして観ていたので、すごく輝いて
見えた。
ビジュアルはかなり尖っているけれど、若いときの自分のダメな
部分を認められない感覚やそれを隠すためにやたらとことばが
多くなっちゃう感じはとてもよくわかるし、「さらい屋五葉」とは違う
部分で、大人がじっくり楽しむアニメになっていると思う。
どこへ行き着くのか、たのしみ。
とりあえず原作はまだ読まずにおこうかな。
まったく違う、けれど、どちらもしっかり創りこまれたアニメが楽しめる
本当に、贅沢な1時間だと思います。
本日の、アニメって、面白!
- 四畳半神話大系 (角川文庫)/森見 登美彦
- ¥700
- Amazon.co.jp