地球を紫外線から守るのがオゾン層です。このオゾン層を破壊する物質が「フロンガス」です。フロンガスはオゾン層を破壊する物質であることが判明してから、国際的な規制により生産の廃止が進められています。しかし、オゾン層はなかなか元通りになりません。この先、オゾン層は回復するのでしょうか
オゾン層の破壊とは
地上から高さ約10~50kmのところに「成層層」と呼ばれる部分があります。オゾン層は、この成層層にあって、太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収する役割があります。オゾン層があるおかげで、生物は海から陸に上陸して多種多様な生活をすることができるようになりました。
しかし、1970年代の終わりから、オゾン層が破壊されて穴のような状態になっている「オゾンホール」が観測されました。南極上陸だけでなく、日本も含む世界各地でオゾン層が薄くなってきていることが観測されています。このオゾン層破壊の原因物質がフロンガスです。フロンガスは、冷蔵庫・クーラーの冷媒、スプレーの噴射剤など、私たちの生活に幅広く浸透していました。しかし、フロンガスによってオゾン層が破壊されると、地表に有害な紫外線が増えて、皮膚ガンや白内障などの健康障害が増加してしまいます。実際に南極に程近いニュージーランドでは日本の約7倍の紫外線が観測されています。
そこで、オゾン層を保護するために、国際的取り組みが始まりました。1985年にオゾン層保護のための条約である「ウィーン条約」が、また1987年にはフロンガス生産を全廃するためのスケジュールなどを設定した「モントリオール議定書」が制定せれました。その後、規制を強化する改正が行われ、特定フロンの生産を1995年末に全廃、代替フロンは2020年に全廃することなどが定められました。日本でもオゾン層保護法(1988年)やフロン回収破壊法(2001年)制定され、前向きに取り組まれています。
オゾンホールが完全回復するまでに約50年
オゾン層の保護に関しては、国際的にも有効な対策が迅速に実行されました。近年になって、オゾン層は徐々にではありますが、再生されつつあるという科学的な研究報告がいくつか発表されています。
その内容は、「今後しばらくは大規模なオゾンホールが残るものの、2020年頃からオゾンホールが縮小し始め、2050年頃にはオゾンホールの削減の期待が持てる。1980年レベルまで回復する」というものや、「フロンガス規制が効果を発揮し、破壊が進んでいたオゾン層は1997年を境に回復傾向にある。回復には少なくとも50年はかかる」といったものです。ただし、南極の気温変動やさまざまな要因もあって、回復までのこの数十年は、オゾンホールが大きい状態が続くという予測になっています。実際、近年では過去最大規模といわれるオゾンホールが毎年のように出現しています。
オゾン層が元の姿に戻るには、フロンガスの使用を止めたら即解決というわけにはいかないようです。しかし、約50年かけて元の姿に戻るということは、人間にとっては長い時間も地球の歴史からみるとほんの一瞬に過ぎません。私たちが、いかに地球のスケールでものを考えられるか、環境問題を根本的に解決していくためには、未来を視野に入れた発想が必要です。
このように、オゾン層の保護は地球環境問題の中でも、最も効果を挙げている取り組みといわれています。
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