本日、ここに令和8年3月市議会定例会が開催されるに当たり、令和8年度における市政運営に対する基本的な考え方と所信の一端を申し上げ、議員並びに市民の皆様に、なお一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
さて、世界的な潮流である価値観やライフスタイルの変遷に伴い、本市においても人口減少は避けられない現実となっております。コロナ禍を経て出生数は減少し、令和6年12月には、72年前の市制施行以来初めて人口3万人を割り込むという、極めてショッキングな事態に直面いたしました。
人口減少の一方で、高齢化の進行や住民ニーズの多様化により、行政需要や運営コストは増大の一途をたどっております。しかし、私はこの現実を単なる悲観すべき事象としてではなく、今こそ「量」から「質」へと転換し、持続可能な行政経営へと進化するための大きな転換点であると捉えております。
こうした強い危機感のもと、令和4年5月に私が市長に就任して以来の4年間、「課題解決を先送りしない」をモットーに、全身全霊で職務に取り組んでまいりました。
空海御誕生1250年祭や市制施行70周年記念事業、ブルーインパルスの誘致や特産品の販売促進などによる『賑わいづくり』、チョイソコぜんつうじの導入、ゴミ収集やスタディアフタースクール等の民間委託による『行政改革』、電子決済やゼンペイの導入による『DXの推進』に加え、STEAM教育や不登校対策、また、部活動地域移行や学校等再編に着手するなどの『教育改革』を実施し、市民サービスの維持向上とともに、次代への種まきを行ってまいりました。
しかしながら、「住んでみたい・住みつづけたいまち 善通寺」の実現に向けた、魅力や活力あふれるまちづくりへの挑戦、『善通寺市の令和の大改革』は、いまだ道半ばであり、緒についたばかりであります。
山積する課題に立ち向かい、愛する故郷・善通寺市が、高齢者から子どもまで、すべての市民が心から『住んでよかった』と実感できるまちであり続けるために、私はこれからも、不退転の決意と情熱を持ち、体当たりで『未来の善通寺創生』に取り組んでまいる所存であります。
次に、令和8年度の予算編成について申し上げます。
一般会計予算総額は156億4,300万円、前年度と比較して、1.3%の増となっております。
厳しい財政状況ではありますが、喫緊の支援と将来への投資に重点を置き、善通寺市立こども園の新設に係る予算措置を行うとともに、物価高騰への取組として、
国から措置される財源を最大限活用し、本市に住民登録のある全市民を対象に、1人当たり1万円の支援券を配布するための予算や医療・福祉施設や教育施設等に支援金を給付する事業などにも予算措置を講じるなど、『住んでみたい・住みつづけたいまち 善通寺』の実現に積極的に取り組む予算といたしております。
以下、本年度の取組みについて、第6次総合計画の目指すべきまちの姿と基本的方針に沿って、ご説明申し上げます。
第1の柱は、
「誰もが安心して暮らし、活躍できるまち」であります。
これを実現するため、5つの基本的方針を定め、遂行してまいります。
まず第1は、「災害対策の強化と防犯環境の充実」であります。
災害対策の強化につきましては、能登半島地震の教訓を踏まえ、南海トラフ地震等の大規模自然災害に対する市民の安全確保並びに安心して生活できる環境の構築を目的として、防災・消防・救急体制の一層の強化及び充実を図ります。
災害時における市民の適切な避難行動の実現に向け、自治会及び自主防災会を軸とした防災訓練等を計画的に実施することで自助・共助による災害対応能力の向上を図るとともに、生活環境に配慮した避難所運営に係るシェルターテントの整備に加え、発災時を想定した地域住民による避難所開設訓練を重点施策と位置付け、計画的に推進してまいります。また、地域防災リーダー育成事業や家具転倒防止対策事業に新たに感震ブレーカーへの補助を設け、積極的に活用して、地域や家庭における防災・減災対策の普及啓発をより一層推進してまいります。
消防体制の強化につきましては、災害対応の中核となる消防力の充実を図るため、消防車両及び資機材の計画的な整備更新を進めるとともに、消防職員の専門的知識及び技術の向上を目的とした教育訓練の充実に努めます。また、南海トラフ地震や局地的豪雨災害等の大規模災害発生時には広域的な応援受援体制が必要不可欠であることから、関係機関との連携を一層強化するとともに、県内外からの応援部隊の円滑な受入れと効果的な応援活動が可能となるよう受援体制の強化に取り組みます。
救急体制の強化につきましては、高齢化による救急需要の増加および救急医療の逼迫に柔軟に対応するため、導入したマイナ救急を活用し救急活動の迅速化と円滑化を図るとともに、引き続き救急隊員の救急技術の向上と医療関係機関との連携に取り組み、救急医療体制を整えます。
交通安全対策につきましては、市交通対策協議会を中心に、関係機関とも緊密に連携しながら、交通弱者である高齢者や児童・生徒の安全確保を重点的に取り組んでまいります。
空家対策につきましては、本市の重要な政策課題の一つとして位置づけ、令和8年度を初年度とする「第2次善通寺市空家等対策計画」に基づき、積極的に取り組んでまいります。具体的には、本市の実態把握を目的とした調査を実施し、着実な事業展開につなげるほか、これまでの老朽危険空家の除却支援の拡充に加えて、空家の利活用につきましても、実効性の高い支援を講じてまいります。
民間住宅の防災対策につきましては、南海トラフ地震の発生確率が引き上げられたことを踏まえ、民間住宅の耐震化への支援を積極的に推進してまいります。
第2は、「結婚・妊娠・出産・子育てに関する支援」であります。
本市の子育て支援施策の基本方針や方向性を定めた「第3期善通寺市子ども・子育て支援事業計画」の推進に積極的に取り組み、子どもや子育て家庭に寄り添った、多様性のある子育て環境の充実を児童福祉・母子保健の両面から図ってまいります。
児童福祉事業につきましては、未就園児が保護者の就労要件を問わずに通園できる「子ども誰でも通園制度」を新たに創設するほか、3歳から5歳児までの幼稚園及び保育所等の給食費に対する補助を増額し、月額7,000円まで無償とするなど、こどもの育ちを応援するとともに、保護者の経済的支援や負担軽減を図ってまいります。
さらに、昨年10月に事業を開始しましたファミリー・サポート・センター事業につきましても、子育てサポートを必要とする利用会員と協力会員のマッチングを上手く行い、相互援助の精神が市内に根付くよう取り組んでまいります。
また、本年度より新たな指定管理の期間を迎えます「子ども・家庭支援センター」につきましても、「遊びから学びまで、幅広い領域をカバーする役割を担う子育て支援施設として、市庁舎や市立図書館、既存施設とも連携し、更なる子育て支援の充実を目指す」という基本理念のもと、次代を担う子どもたちが集い・遊び・学べる場、そして、子育てに関する相談や必要な情報を常に提供できる場として、他市にはない、本市独自の子育て支援施設として、その機能の強化に努めてまいります。
母子保健事業につきましては、妊産婦健康診査をはじめ、出産後も安心して子育てできる支援体制を確保し、産後ケア事業を強化するとともに、子育てに不安を抱く家庭に寄り添った伴走型相談支援と、経済的支援として「妊婦のための支援給付」を一体的に実施し、妊娠・出産・子育てへと繋がる切れ目のない支援体制について、一層の充実を図ってまいります。
また、妊産婦と乳幼児への包括的な支援や、子どもや子育て家庭に関する一体的な相談・支援を行う「こども家庭センター」を中核とし、児童福祉・母子保健の両機能の連携・協働を深め、体制の強化を図るとともに、児童虐待防止につきましても、児童相談所や警察と連携を図り、虐待の未然防止に努め、適切に対応してまいります。
第3は、「医療・介護サービスの確保・充実」であります。
保健事業につきましては、本年度より骨粗しょう症予防を目的として40歳から
70歳までの5歳刻みの節目年齢の女性を対象とした骨粗しょう症検診を開始するほか、引き続き各種がん検診、健康診査、人間ドック、健康相談などの事業を実施し、市民の健康の保持増進に努めてまいります。
また、必要な時に適切な医療が受けられるよう、香川県、医師会等と連携し、地域医療体制の充実を図ってまいります。
予防接種事業につきましては、本年度よりRSウイルス母子免疫ワクチンが定期接種の対象となることから、円滑な実施に向けて準備を進めてまいります。
高齢者福祉につきましては、「いつまでも住み続けたいまち ぜんつうじ」を基本理念といたします「第9次善通寺市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、高齢者の生活を支える「地域包括ケアシステム」の構築に努めるとともに、あらゆる世代がともに支え合い、安心して暮らすことができる地域共生社会の実現を図るため、その基本目標として掲げる、3つの地域づくりに取り組んで参ります。
まず、保健事業と介護予防事業の一体的な実施によって、市全体での健康づくりや介護予防に取り組むことで、健康寿命の延伸を図り、あわせて、就労やボランティア等による高齢者の社会参加の促進を図ることにより、高齢者自身が担い手となる地域づくりに努めて参ります。
次に、認知症高齢者等を日常的に見守るとともに、災害時等には、地域で支援することができるネットワークづくりや地域における人材育成に取り組むことにより、支え合い助け合える地域づくりの実現を図ります。
また、認知症に関する正しい理解や成年後見制度の普及啓発に取り組むことにより、認知機能が低下しても、安心して自分らしい暮らしができる地域づくりに努めて参ります。
第4は、「多様性を認め合う、包摂的なまちの実現」であります。
地域福祉の充実といたしましては、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応するため、本年度から本格的に「重層的支援体制整備事業」を開始します。支援の入り口として重要な相談支援体制については、関係課が連携して相談事を受け止める「受け止めつながる相談窓口」体制をとり、どんな問題でも相談しやすい窓口を目指します。複雑化した課題の解決については、庁内連携により、既存事業を連動させ重ね合わせて運用することで、制度の狭間にある問題にも対応するとともに、相談支援機関等の専門職と連携するなど、外部の支援者団体とも連携を図り、課題解決・伴走支援に取り組んでまいります。
また、性的少数者の方々のパートナー関係を尊重するための「パートナーシップ宣誓制度」に加え、パートナーの家族も含めた「善通寺市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」が市民に定着していくよう、市民の性的少数者への理解の促進に努め、多様性を認め合い、全ての市民の人権が尊重される市民社会の形成を目指します。
第5は、「性別に関わらず、誰もが活躍できるまちの実現」であります。
男女共同参画に関する施策につきましては、本年度は、男女共同参画社会に関する基礎調査として市民意識調査と市内事業所へのアンケート調査を実施します。この調査結果等を踏まえ、令和9年度には、男女共同参画社会の更なる推進のため「善通寺市第2次男女共同参画プラン」の改定を行います。
🔵 空き家対策を推進します‼️
