令和7年3月市議会定例会
施 政 方 針
本日、ここに令和7年3月市議会定例会が開催されるにあたり、令和7年度における市政運営に対する基本的な考え方と所信の一端を申し上げ、議員並びに市民の皆様に、なお一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
さて、令和四年五月に私が市長に就任して以来、間もなく3年が経過しようとしています。令和5年度は、私にとって初の予算編成となりましたが、「半世紀に一度のチャンス、コロナ禍から脱却し、善通寺市に新たな魅力と活力を」を掲げ、市政70周年・弘法大師空海御誕生1250年のメモリアルイヤーとして、旧善通寺偕行社でのチームラボ展覧会などを通して、善通寺市の魅力を、市内外に発信してまいりました。
令和6年度は、「新時代の幕開け「未来に生き残る善通寺市」への第一歩」と題し、デジタルトランスフォーメーションや、新たな地域公共交通の確立といった市民の利便性を高め、また行政事務の改善に資する様々な施策を推し進めてまいりました。
令和7年度は、市長就任4年目を迎える年となります。国内の状況に目を向けますと、経済状況については、雇用・所得状況の改善など緩やかな景気回復が期待される一方、物価高騰は長引き、多くの家庭や事業者にとって厳しい状況が続いており、地方財政にとっても、原材料費や人件費の上昇などが大きな課題として重くのしかかっています。
また、人口減少は加速しており、令和6年4月に民間の有識者グループ「人口戦略会議」は、全国自治体の四割に当たる744の自治体が最終的に消滅する可能性があるとした分析を公表しました。我々は今、厳しく困難な局面の中におかれています。ですが、善通寺市が未来に生き残っていくために、「住んでみたい・住みつづけたいまち 善通寺」の実現に向け、市民の暮らしを支え、各世代が持続的に暮らし続けることができるサイクルを創造していかなければなりません。振り返れば、ポストコロナ時代の善通寺市再生に、私が牽引者となって挑戦することを決意して、市長に就任いたしました。
本年度は4年目とはなりますが、初心を忘れず、私が先頭に立って、市長就任以来取り組んでまいりました改革を更に推し進めるべく挑戦してまいります。
次に、令和7年度の予算編成について申し上げます。
一般会計予算総額は154億4,700万円、前年度と比較して、5.3%の増となっております。厳しい財政状況ではありますが、新たな行政課題に対応できるよう機構改革を行い、本市の特色である子育て支援や教育の充実といった施策につきましては変わらず実施するべく予算措置を講じるなど、『住んでみたい 住みつづけたい まち 善通寺』の実現に積極的に取り組む予算といたしております。
以下、本年度の取組みについて、第6次総合計画の目指すべきまちの姿と基本的方針に沿って、ご説明申し上げます。
第一の柱は、「誰もが安心して暮らし、活躍できるまち」であります。これを実現するため、5つの基本的方針を定め、遂行してまいります。
まず、第一は、「災害対策の強化と防犯環境の充実」であります。
災害対策の強化につきましては、能登半島地震の教訓を踏まえ、南海トラフ地震等の大規模自然災害に対する市民の安全確保並びに安心して生活できる環境の構築を目的として、防災・消防・救急体制の一層の強化及び充実を図ります。災害時における市民の適切な避難行動の実現に向け、自治会及び自主防災会を軸とした防災訓練等を計画的に実施することで、自助・共助による災害対応能力の向上を図るとともに、生活環境に配慮した避難所運営に係る災害用仮設トイレ及びシェルターテントの整備や、市内の井戸を災害時に生活用水として確保できる体制整備を重点施策として計画的に推進してまいります。
また、地域防災リーダー育成事業や家具転倒防止対策事業の補助制度を積極的に活用して、地域や家庭における防災・減災対策の普及啓発をより一層推進してまいります。消防体制の強化といたしましては、丸亀市、善通寺市、多度津町の2市1町で共同運用している中讃消防指令センターの消防指令システムを更新することにより、出動時間及び災害現場到着時間の短縮大地震時における通報処理能力及び業務継続能力の向上など、消防力の向上を図ります。また、共同運用している2市1町における迅速な相互応援体制の更なる強化を図り、大規模災害時における初動体制の確保、応援部隊との効果的な連携体制の構築など、大規模災害や新型コロナウイルス等のパンデミックにおける消防体制の整備に努めます。
救急体制の強化につきましては、気候変動による温度環境の変化、高齢化の進展等により救急出動件数が大幅に増加する中、より高度で繊細な救命技術が求められています。救急医による指導など他機関と連携し、救急技術及び市民サービスの向上を図ります。さらには、今後の消防行政を見据え、丸亀市・善通寺市・多度津町の3消防本部で、常備消防に係る事務を共同で行うことを目的とし、消防の広域化に係る調査研究及び広域消防運営計画の作成を行うために協議会を設置します。防犯対策につきましては、近年「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」などの新しい手口による特殊詐欺事案が急増していることから、引き続き丸亀警察署をはじめ関係機関と連携しながら、被害を防止するため市民への情報提供に努めてまいります。また、犯罪被害者等に対し、受けた被害を早期に回復・軽減し、生活の再建を図ることができるよう支援してまいります。
次に、交通安全対策に関しては、昨年の本市における交通死亡事故の被害者が、いずれも高齢者であったことを踏まえ、交通弱者である高齢者に対する交通安全対策について、重点的に取り組んでまいります。さらには、犯罪や事故の未然防止や発生時の迅速な対応を目的として、防犯カメラの設置及び更新を引き続き実施してまいります。
第二は、「結婚・妊娠・出産・子育てに関する支援」であります。
本年度は、本市の子育て支援施策の基本方針や方向性を定めた「第3期善通寺市子ども・子育て支援事業計画」の実施初年度となっております。本計画を推進し、子どもや子育て家庭に寄り添った、多様性のある子育て環境の充実を図ってまいります。児童福祉事業につきましては、高校生年代までの医療費助成や、3歳から5歳児までの幼稚園及び保育所等の給食費について月額5,800円まで無償とするなど、子育て世代への経済的支援を行い、保護者の負担軽減を図ってまいります。また、市民の力を活用して子育て家庭をサポートする、ファミリー・サポート・センター事業を創設し、更なる子育て環境の充実を図ってまいります。
母子保健事業につきましては、妊産婦健康診査をはじめ、出産後も安心して子育てできる支援体制を確保し、産後ケア事業を強化するとともに、子育てに不安を抱く家庭に寄り添った伴走型相談支援と、経済的支援として「妊婦のための支援給付」を一体的に実施し、妊娠・出産・子育てへと繋がる切れ目のない支援体制について、一層の充実を図ってまいります。また、妊産婦と乳幼児への包括的な支援や、子どもや子育て家庭に関する一体的な相談・支援を行う「こども家庭センター」を中核とし、児童福祉・母子保健の両機能の連携・協働を深め、体制の強化を図ってまいります。
第三は、「医療・介護サービスの確保・充実」であります。
保健事業につきましては、引き続き各種がん検診、健康診査、人間ドック、健康相談などの事業を実施し、市民の健康の保持増進に努めてまいります。また、必要な時に適切な医療が受けられるよう、香川県、医師会等と連携し、地域医療体制の充実を図ってまいります。予防接種事業につきましては、本年度より帯状疱疹ワクチンが定期接種の対象となることから、円滑な実施に向けて準備を進めてまいります。高齢者福祉につきましては、「いつまでも住み続けたいまち ぜんつうじ」を基本理念といたします「第9次善通寺市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、高齢者の生活を支える「地域包括ケアシステム」の構築に努めるとともに、あらゆる世代がともに支え合い、安心して暮らすことができる地域共生社会の実現を図るため、その基本目標として掲げる、3つの地域づくりに取り組んでまいります。まず、保健事業と介護予防事業の一体的な実施によって、市全体での健康づくりに取り組むことで、健康寿命の延伸を図り、あわせて、就労やボランティア等による高齢者の社会参加の促進を図ることにより、高齢者自身が担い手となる地域づくりに努めてまいります。
次に、認知症高齢者等を日常的に見守るとともに、災害時等には、地域で支援することができるネットワークづくりや地域における人材育成に取り組むことにより、支え合い助け合える地域づくりの実現を図ります。また、認知症に関する正しい理解や成年後見制度の普及啓発に取り組むことにより、認知機能が低下しても、安心して自分らしい暮らしができる地域づくりに努めてまいります。
第四は、「多様性を認め合う、包摂的なまちの実現」であります。
地域福祉につきましては、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を整備するため、令和8年度からの重層的支援体制整備事業の本格実施に向けた「移行準備事業」に取り組みます。具体的には、単独の支援機関では対応が難しい事例の調整を行うとともに、支援関係機関の役割分担や支援の方向性を定め、既存の相談支援機関の専門職と連携するなど、市全体としての体制を整備してまいります。また、「手話言語条例」及び「障がいのある人の情報保障及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用促進に関する条例」に基づいた具体的な施策を推進し、すべての市民が地域社会で互いに尊重し合い、安心して暮らせるまちの実現を目指してまいります。さらには、これまでの「パートナーシップ宣誓制度」に加え、パートナーの家族も含めた「善通寺市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」が市民に定着していくよう、市民の性的少数者への理解の促進に努め、多様性を認め合い、全ての市民の人権が尊重される市民社会の形成を目指します。
第五は、「性別に関わらず、誰もが活躍できるまちの実現」であります。
「善通寺市第2次男女共同参画プラン」の基本理念である「すべての人が認め合い、協力しながら、活躍できるまち 善通寺」の実現に向け、「ジェンダー平等」の精神に基づき、市民、事業者、各種団体等の皆様と男女共同参画に対する考えを互いに深め合いながら、協働して取り組んでまいります。
