中山可穂の『白い薔薇の淵まで』を読み終えました。
山本周五郎賞受賞作で、代表作にもなっている作品です。

新人女性小説家と普通の?OLが偶然出会い、溺れるように激しく愛し合い、感情をぶつけ合う物語です。

以前『花伽藍』という作品を読み、悲壮感満載で読んでて辛かった印象がありましたが、こちらは、悲哀あり、笑いあり、感動あり、とても奥深い作品でした。

この作家さんの描く同性愛(レズ)は、心情描写が巧みで、心の痛みとか、愛情の尊さとか、悲しみも喜びも、これ以上無いほどの文章表現で読者を引き込んでいきます。

読みやすく、あまりありがちなストーリー展開でない分、新鮮な気持ちになれました。

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

西加奈子の『ふる』を読み終えました。

28歳の主人公・花しす(かしす)の今と過去の話が交互に展開されます。

花しすの仕事は、AVのモザイクがけ・・・もてないわけでもないが、着飾ったり、人より目立ったり、周囲に意見したりを決してせずに、嫌われないように生きていく主人公が次第に本来の生き方に目覚めて行く話です。

この手の話は、特に女性作家の定番ですね・・・僕は男だから仕方ないですが、実際、ほとんど感情移入も出来ず、長い会話や、口語の連続に少し苦痛を感じていたころ、いつものように?・・・物語が急展開します。

今回はなにやら幻想的な展開に一気に引き込まれました。

あれこれたくさんの出来事がすべて最後の力強いメッセージへの伏線になっているのは、西さんの特徴的な書きっぷりですね。

優しく、せつない話でした。でもこれはきっと女性が読むべき本です。

ふる (河出文庫)

綿矢りさの『ウォーク・イン・クローゼット』を読み終えました。

群像の2015年8月号です。



所属事務所の東京コンサーツをお辞めになった上に、新しい事務所が何処なのか未だにわからず、お困りのファンの皆さま…





僕も知りません( ̄▽ ̄;)



スマネ~





寂しさと愛しさと心細~♪さと~♪



と、ますます遠いところに行ってしまわれた綿矢さん。



ご結婚なさったので、しばらくそっとしといてやるU^ェ^U



と、すねてる僕のヲタ魂を呼び覚ます一撃を食らわす傑作をサラリと発表されて、少々狼狽してしまいました~゜゜(´O`)°゜



28才独身OL早希、幼なじみのでタレントのだりあ。だりあのクローゼットに並ぶ素敵な洋服達、微妙な男女関係・・・



ほーら!読みたくなったでしょ(^○^)



『亜美ちゃんは美人』が好きな人にはオススメです。



いつもの毒々しさを抑えた優しさ溢れる展開に意外性を感じる方も多いかも知れませんが、最近やや難解とも言える作品が続いた分、新鮮でした。



綿矢さんは『かわいそうだね?』の執筆に当たってアパレルでアルバイトなさったようですが、今作品でも豊富な知識と女性特有の服に対する想いと意味合いが作品に大きな核心に繋がっていくので、注意深く読まれることをオススメします~



ところでこの作品、早くも単行本化決定しました~♪



講談社から2015年10月30日発売!

あの傑作『いなか、の、すとーかー』も収録されてますよ!



どなたか~!新しい事務所教えて~~(* ̄∇ ̄)ノ






ウォーク・イン・クローゼット