本当の地域おこしとは.....。 | パッションフルーツでグリーンカーテン

パッションフルーツでグリーンカーテン

パッションフルーツをメインに
珍しいツル性野菜の栽培にもチャレンジ。
夏には涼しげなグリーンカーテンがお目見え?

10/22(土)・10/23(日)の二日間、長野県に視察研修に行ってきました。
メインは小県郡長和町にある『黒耀石体験ミュージアム』です。
これは、昨年から参加しているカルチャースチワード養成講座の臨地研修です。

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ここは、黒耀石の原産地である霧ケ峰の中にある鷹山遺跡群。
この町全体が黒耀石の原産地というワケ。
旧石器時代・縄文時代の遺跡が発見されています。
27万年前に虫倉山中腹でおきた火山噴火により、流れ出た熔岩が固まってできた天然ガラス。

先人の調査のおかげで、八ヶ岳から霧ケ峰が日本の黒耀石の原産地であり、ここから関東・近畿・東北まで流通していたことが知られていました。
スキー場建設が計画され、事前調査が行われたところ、大量の黒耀石と共に旧石器時代の遺跡が発見されました。
このとき町は、スキー場の建設位置や県道の付け替えも成功させたそうです。
遺跡保存と観光開発をもとに町の活性化をめざしました。

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この調査には、明治大学黒耀石研究センターと共同でおこなっています。
調査経過を伝える為にこの黒耀石体験ミュージアムを設置されました。
そして、発掘した遺跡などはミュージアムに展示し、なるべく新しい情報を伝えるようにしているそうです。

まず目を引かれたのは、5mほど掘ったときの地層。
その地層に含まれている石器や物質から判断し、約3万年前(旧石器時代)から黒耀石が利用されていたとわかったそうです。

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その地層の年代と石器の形を、壁一面に貼りつけて表したもの。
とても分かりやすい展示方法だと、まずこれでビックリ。

その奥にはいろいろなブースがあって、加工した黒耀石の年代的変化や、黒耀石を発見した地元先駆者・児玉司農武さんの活動を紹介。

また、体験室があり、

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150名まで受入れ可能らしいです。
しかも、人数に合わせてカーテンで仕切る教室になっていました。
カーテンを開けば大広間です。
この方法も勉強になりました。


体験ミュージアムということで、各種体験メニューをわかりやすく貼ってあります。

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しかも、遺跡調査で伐採した木々の枝を額代わりにしていました。
おしゃれ~。


現場にも行きました。

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ここは『星糞峠』の黒耀石遺跡。
“ ほしくそ ” だなんて、なんというお名前.....と思うでしょ。
キラキラと輝く黒耀石のことで、実際そこらじゅうに欠片が落ちていましたョ。

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この日は曇り空だったので残念だったけど、お天気のいい日にその場にいて、輝く “ ほしくそ ” を見て見たい。

磨きをかけると透明なガラスになる黒耀石。

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ほらネ。
右の欠片、ちょっと透明でしょ。


旧石器時代の遺跡の場合、黒耀石は川や平地にありました。
火山から麓に流れ落ちた黒耀石を見つけ、その周辺で加工し、また緑も少なかった時代なので、食物をさがしながらの生活の中で、黒耀石を加工していたようです。

それに反し、地球が暖かくなってきた縄文時代は、自然も動物も出現し、移動しなくてもよくなってきた時代。
地面を掘って黒耀石を拾い出し、武器としてだけでなく食事の場面など、例えば動物を焼く石(今でいうバーベキュー)も加工していたようです。

私達が案内された遺跡は、この縄文時代の遺跡。
分かりにくいと思いますが、クレーターのような丸い窪みがあります。

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(窪みの上から撮影)

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(窪みから上がって次へ向かうところ)

こんな窪みが無数にあるんです。


そして今とりかかっている現場。

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分かりやすい地層が出て来たそうで、この断面もはぎ取ってミュージアムに展示する予定とか。


その現場で、伐採された木を見てスチワードのメンバーが気づきました。

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年輪の幅が狭い。
やはり寒冷地の証拠だって。


そしてなんといっても、この女性、大竹さんです。

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ミュージアムを使って町おこしをしている現場監督みたいな方です。
自分でトラックに木材を載せて走っちゃうような人らしいです。
もちろん、チェーンソーでの伐採は慣れたものらしい。

説明は分かりやすくハキハキと。
押しつけない熱い語り。

スゴイの一言です。

町長さんが、この方を離さないそうです。
だって、この方、地元の方ではありませんョ。
幼い頃に黒耀石を見つけたときの感動をずっと持ち続けていたそうです。
これって幸せですよね。

長和町では、小中学生の体験教室や、町民あげてのイベントがおこなわれていて、小さいお子ちゃまからおじいちゃんおばあちゃんまで、楽しんでいるとか。

かぐやは思いました。
これが本当の町おこしなのでは。

町民自身が黒耀石を誇りに思っていて、町外の方にいやらしくなくPR。
ミュージアムのスタッフも、町のお母さんたちですョ。
そのお母さんたちが手作りしたストラップやペンダントなどを販売して、ほんのチョッとの収入にしています。


ミュージアムに来て、また大竹さんのお話を聞いて、ガーンと頭をたたかれたようでした。

かぐやは、まだまだ未熟だけど自分なりに頑張ってきたつもりでした。
みんなみの里という存在は、都市と農村の交流施設であり、鴨川市のシンボル的存在なので、それを忘れずにお仕事してきました。
かぐやは他のスタッフとは違って、ハイキングを通しての地域の紹介や、蓮田写真コンテストなどを開いて、多くの方に鴨川に来ていただくなど、人との交流が多い立場。
実際、いわゆる顔パスになってしまった方々も多くいます。
とても有難い仕事です。
でもね、心のどこかでは「まだ足りない.....。」っていつも思っていて、それでいて足りないものが何かも実はわかっていて.....。
その何かは、かぐやだけではどうにもできないってわかっていてあがいて.....。

大竹さんのように、長和町の皆さんのように、こんな取組みが出来たらどんなにステキだろうって思います。

今回参加してよかったです。
やはり実際に行ってみないと分からないものがたくさんあるって事を、改めて思い知らされました。
つまらんことに気持ちと時間を使わず、有意義に前向きに頑張ります。