ヤフードーム(福岡市)で20日にあったプロ野球日本シリーズ第7戦で敗れた中日ドラゴンズは、4年ぶり3回目の日本一を逃した。今季限りで退任する落合博満監督(57)は、指導者として成し遂げていない「リーグ優勝からの日本一」を果たせぬまま、中日のユニホームを脱ぐ。
「俺は居なくなるけど、これまでやってきたことを継続しろ。みっともない野球をするな」
落合監督は試合後、選手たちを集め、別れの言葉を贈った。9月22日に球団から退任が発表された後、自らの進退について口を閉ざしてきた指揮官が、初めて選手たちに伝えたメッセージだった。
落合監督は中日の選手たちに12球団屈指の練習量を課し、8年間でリーグ優勝4回の常勝球団を作り上げた。退任が決まった後は手塩にかけて育てた選手が自ら動いてくれることを信じ「私はベンチで見ているだけ」と静観を装ったが、今回の戦いへの思いは特別だった。
07年にはリーグ2位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、北海道日本ハムファイターズとの日本シリーズも制して1954年以来、53年ぶり2回目の日本一に輝いた。しかし、CS制度に当初から反対していた落合監督は、自分たちを「プレーオフチャンピオン」と称し、真の意味での日本一と受け止めなかった。だからこそ、今年の日本シリーズを“オレ流”野球の総決算とすべく「リーグ優勝からの日本一」にこだわった。だが、あと一歩届かなかった。
指揮官の最後の言葉を聞いた選手は寂しそうだった。選手会長の森野将彦選手(33)は「最後の最後に胴上げができなかったのが残念。悔しさより寂しさが残る」と話した。浅尾拓也投手(27)は「これからも見ていてくれるとも言ってくれた。今まで以上にしっかりしないといけない」と、さらなる成長をすることでの恩返しを誓った