生活からのCO2排出量が増えています

生活からのCO2排出量は依然として伸びています。世帯数の増加、家電製品の増加や大型化が要因です。今後は生活様式や住居構造の変化、高齢者世帯の増加にともない、冷暖房需要の増加も見込まれます。
 目標達成計画では、住宅の省エネ性能の向上、エネルギー管理システムの普及、トップランナー基準に基づく機器の効率向上、高効率な省エネルギー機器の開発などを対策としてあげています。さらに、意識を高め、ライフスタイルやワークスタイルの変更を通じて温暖化対策を進めることも大切です。温暖化防止対策の国民運動として「チーム・マイナス6%」が2005年にスタートしました。また、全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)を核として、普及活動、講演会、シンポジウム、地球温暖化防止活動推進員による情報提供、学習教材、消灯キャンペーン、表彰、家電ラベリングなどが行われています。また、家屋の断熱改修、省エネ家電の購入(グリーンコンシューマ)も進められています。
京都議定書目標達成計画

日本は、地球温暖化対策推進法を整備し、2002年3月にその実行計画として地球温暖化対策推進大綱(新大綱)を閣議決定しました。同年6月には京都議定書を批准。2005年2月16日に同議定書が発効したことから、従来の大綱を見直し、京都議定書目標達成計画としてあらためて計画を策定しました。さらに、2008年3月に排出抑制対策・施策を追加するなどした改定京都議定書目標達成計画が策定されました。
 1990年のレベルからさらに-6%にまで削減するには、種々の対策の積み上げが必要です。
 国民のライフスタイルの変更や新技術の開発、森林などの吸収源によって削減し、それでも達成できない分は排出量取引などでまかなう計画です。

$みんなで守ろう地球環境-京都議定書 目標達成計画の方針

$みんなで守ろう地球環境-京都議定書 目標達成計画の目標
日本の温室効果ガス排出量の推移

日本の2006年度の温室効果ガス総排出量は13億 4,010万トン(CO2に換算)。前年度に比べて1.3%減っていますが、京都議定書の基準年の 12億6,100万トンに比べ、約6.2%多くなっています。産業部門からの排出量が最も多く、運輸、家庭、業務などからの排出量も増加しました。左図のグラフの最新データは、温室効果ガスインベントリオフィスのページより提供されています。

$みんなで守ろう地球環境-日本の温室効果ガス 排出量の推移
京都のメカニズム

国内対策を補完するために導入された国際的な市場メカニズムを活用した仕組みが京都メカニズムです。
・共同実施(JI)
先進国どうしが共同で事業を実施し、その削減分を投資国が自国の目標達成に利用できる制度です。
・クリーン開発メカニズム(CDM)
先進国と途上国が共同で事業を実施し、その削減分を投資国(先進国)が自国の目標達成に利用できる制度です。
・排出量取引
各国の削減目標達成のため、先進国どうしが排出量を売買する制度です。EUでは、2005年1月から域内での排出量取引を開始しました。日本の京都議定書目標達成計画では、1.6%分を排出量取引によってまかなう計画です。

$みんなで守ろう地球環境-京都メカニズムの 3類型
温暖化防止のための技術の可能性

温暖化防止の手だてはあるのでしょうか。IPCC第3次評価報告書では、2001年までの10年で予想より早く技術開発が進んでおり、温暖化防止の可能性はあるとしています。副次的便益(ancillary benefit)も考慮すると、費用的にも実現可能であることを示しました。さらに、IPCC第4次評価報告書では、温室効果ガス濃度を安定化するには、現在利用可能な技術および今後数十年間に商業化が期待される技術を展開することで達成が可能であるとしています。削減策の基本である省エネ・省資源はエネルギー対策そのものであり、大気汚染の改善にもつながります。こうした効果を副次的便益と呼びます。しかし、技術開発にも対策の普及にも、現段階では多くの障害(エネルギー利用を促進する制度や補助金など)が残り、これを取り除かなければ、想定した結果は得られません。

$みんなで守ろう地球環境
各国のCO2排出量

 いま、各国のCO2排出量はどのくらいでしょう。排出量が多い国は、米国、中国、ロシア、日本、インドです。2005年のデータによれば、日本の排出量はアフリカ50余国の総量より多く、1人当たり排出量は、米国、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、シンガポール、台湾、ロシア、ドイツに続く第9位です(EDMC/エネルギー・経済統計要覧2008年版)。
 米国は、2001年3月、京都議定書からの離脱を表明し、独自の温暖化防止対策を発表しました(2001年6月)。離脱の理由は次のとおりです。
 1) 温暖化現象に科学的不確実性がある。
 2) 石油に依存する米国経済が排出量削減で疲弊するおそれがある。
 3) 今後排出量が伸びる途上国に削減義務が課せられていない。
 第1約束期間以降は、世界の排出量の4分の1を占める米国と途上国の動向が最大関心事となってきます。2020年頃を境に、途上国の排出量と先進国の排出量が逆転すると予想されているからです。

$みんなで守ろう地球環境-二酸化炭素の 国別排出量と 国別1人あたり 排出量
温暖化防止推進の鍵「京都議定書」

1997年京都で開催された第3回締約国会議(温暖化防止京都会議)で採択されたのが京都議定書です。先進国は第1約束期間(2008~2012年)までに、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6)の排出量を1990年より5.2%削減することにしました(日本、米国、EUの削減量は各6%、7%、8%)。
 削減は原則として、エネルギー源の転換、省エネ・省資源などの国内対策によることになっていますが、削減の困難さを考慮して、京都メカニズムと呼ばれる仕組みも導入されています。排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムという新たな方策です。吸収源である森林も削減達成のためにカウントできることになりました。日本は3.8%分を認められています。
 京都議定書が発効する条件「55カ国以上が批准し、そのうち排出削減義務を負った先進国の排出量合計が55%を越えること」が、2004年11月のロシア批准で達成され、2005年2月16日に議定書は発効しました。発効後、日本をはじめ先進諸国は、国内対策を中心に対応を検討しています。日本では、温暖化対策推進大綱をもとに国内対策を進めてきましたが、議定書発効にともなって京都議定書目標達成計画を策定し、より確実に削減目標を達成しようとしています。さらに、2008年3月に排出抑制対策・施策を追加するなどした改定京都議定書目標達成計画を策定しました。

みんなで守ろう地球環境-主要国の 温室効果ガス 排出削減約束
みんなで守ろう地球環境-京都議定書の概要
気温上昇を2℃に抑える必要性

安定化濃度を決めれば、気候モデルによって気温上昇を計算することができます。欧州連合(EU)は、長期的に気温情報を2℃までに抑えることを提案しています。その根拠は、IPCC報告書や影響研究の成果です。2℃とは、工業化前(1850年頃)からはかった気温上昇です。過去100年間にすでに0.6℃ 上昇しているので、2100年までの気温上昇を2℃までに抑えるとするなら、これから1.4℃の上昇しか許容されないという厳しい条件です。
 中央環境審議会地球環境部会気候変動に関する国際戦略専門委員会は、温度上昇とその影響について網羅的な調査を行い、生態系では1~2℃まで(脆弱なサンゴ礁では1℃まで)、食料生産や経済発展など社会経済システムへの影響を考慮すると2~3℃まで、途上国での影響を考えると2℃までの上昇に抑えることが必要だとしています。3℃を超すような気温上昇は、海洋大循環の停止など大規模で破滅的な影響をもたらす可能性があると指摘しました。
安定化濃度に関するIPCCの知見

IPCCは、条約に示された安定化濃度の問題を早くからとりあげ、次のような見解を示していました。
 1) 大気中の温室効果ガスの安定化には数百年かかる。
 2) 安定化濃度にいたるCO2排出量の道筋は一つではない。
 3) 現在の濃度で安定させるには直ちに温室効果ガス排出量の50~70%の削減が必要。
 目標とする安定化濃度レベルを達成するには、どのような経過でCO2排出量を減らせばよいでしょうか。IPCCは早期に排出量を削減する経路を提示しましたが、一方、しばらくCO2を出し続けても新技術が現れた段階で排出量を急激に削減すれば同じ安定化濃度に達するという分析もあります。
 温暖化にともなって、食料不足、水不足、マラリア、沿岸洪水のリスクはどのように変わるでしょうか。また、どのくらいの人がその影響を受けるでしょうか。左のグラフは気温上昇にともなって影響を受ける人口を示したものです。
 グラフを見て下さい。気温が上昇すると影響が急激に増加することがわかります。影響を大幅に少なくしようとすれば、気温上昇をできる限り小さくしなくてはなりません。温暖化対策としては、その目標をどう設定すべきでしょうか。住民の生命リスクや生態系への影響の被害額評価は困難なので、グラフではとりあえずリスク人口を指標としました。もし被害額見積もりができれば、気温上昇による被害を低減する適応策やCO2削減コストと比較して、費用対効果を考慮した対策をとれることになります。

みんなで守ろう地球環境
みんなで守ろう地球環境
安定化は排出と吸収をバランスさせること

この条約の目的である「温室効果ガスの安定化」とは、地球全体の温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとることです。大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前には280ppm程度だったのに対して、現在は380ppm程度に増加しています。目指す安定化レベルとはどのくらいでしょうか。また、いつまでに達成すればよいのでしょうか。

$みんなで守ろう地球環境-温室効果ガスの 排出量と吸収量