●純国産エネルギーの有効利用
火力発電(石油・石炭・LNG)が海外からの輸入なしには成り立たない発電方式であるのに対して、地熱発電は国内の地熱資源を用いるという点で、純国産エネルギーであるといえます。
海外の輸出国や市場の影響を受けにくいということは、つねに安定した供給が求められる電力需要にとって大きなメリットです。

     一次エネルギー総供給
$みんなで守ろう地球環境-一次エネルギー総供給
 (出典)総合エネルギー統計/1995年度
●色凡例
 冷水 温水 熱 水 沈澱鉱物 マグマ
 
地層 
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(1) 火山の近くでは、地下数km~20kmくらいの 深さに1000℃くらいのマグマだまりがあって、まわりの岩石を熱しています。
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(2)地下の岩石にはあちらこちら割目があって、このよ うな割目から雨水が地下に入り込み、マグマだまりの近くの熱いところにたどりつきます。
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(3)マグマだまりの熱で加熱された水は高温の熱水や蒸 気となり、近くに割目があればそこを通って上昇します。地表に出た熱水は温泉や噴気地帯をつくります。
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(4)地下の浅いところは、深いところにくらべて温度や 圧力が低いので、熱水に溶けていた成分が沈殿し、割目が詰まっていきます。深いところの熱水や蒸気の出口がなくなり、高温高圧の熱水が大量にたまります。 これを地熱貯留層(割目のピンク色部分)といいます。
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(5)地表からこの地熱貯留層まで穴を掘ると、高温高圧 の蒸気をとりだすことができます。この蒸気を使って発電するのが地熱発電です。
日本には、2002年8月現在で、18個所で地熱発電が行われており、その設備容量 の総計は50万キロワットを越えています。 一方、世界では、20カ国で地熱発電が行われており、その総計は約800万キロワットとなっており、現在も各国で建設が進められています。



$みんなで守ろう地球環境
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左のグラフは、1キロワットアワーの電力エネルギーを発電するに当たって排出される炭酸ガス量を比較したものです。この図の通り、地熱発電は火力発電にくらべて、同じ電力量を発電する際の炭酸ガス排出量がはるかに少ないので、地球環境に与えるインパクトは非常に低いエネルギー資源だと言えます。
1904年に、イタリアで世界で最初の地熱発電の実験に成功しました。世界で 最初の地熱発電所はそのイタリアに、1913年に完成して運転を開始しました。  日本では、戦前から研究が行われており、1925年に試験発電に成功していました が、本格的な商業規模の地熱発電は、1966年に岩手県松尾村の松川地熱発電所に おいて開始されました。
日本での地熱発電の規模は、最大の地域でも11万キロワットで、最近建設さ れているのは2万から3万キロワット程度です。このように小さな発電所であっ ても、年中昼夜を通して同じ出力で発電し続けられることから、ベースロードと しての価値があります。また、5万キロワット程度で、約20万人程度の人口の都 市電力をまかなえますから純国産のローカルエネルギーとして十分高い価値があ ります。
地下に掘削した坑井から噴出する天然蒸気を用いてタービンを廻して行う発 電です。エネルギー資源としては、純国産であること、地球温暖化の元凶である炭酸ガスの排出量が少なく、地球環境に優しいことが大きな特徴です。井戸の深さは1000mから3000mにも達します。坑径は、底のあたりで約20cmです。

地熱発電所の概念図   Scheme of Geothermal Power Plant

みんなで守ろう地球環境
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地熱資源は、地下深部からの熱の輸送メカニズムによって、2種類に大別できます 。すなわち、地下深部から上昇してくる熱水によって熱が運ばれる「対流型地熱資源 」と、熱水の上昇がないので熱伝導によって熱が運ばれる「高温岩体型地熱資源」です。現在商業規模で地熱発電が行われているのは、前者の「対流型地熱資源」です。資源量的には、「高温岩体型地熱資源」の方がはるかに多いので、この利用技術が現在さかんに研究されています。対流型地熱資源には、坑井から蒸気だけが噴出する「蒸気卓越型地熱資源」と熱水まじりの蒸気が噴出する「熱水型地熱資源」があります。
$みんなで守ろう地球環境-(カッコ内は地下深部からの熱輸送メカニズム)
これは非常に難しい質問です。地熱資源の探し方は、その場所その場所によって少しずつ違います。
しかし、基本は、地質調査や地化学調査などによって有望地 域を抽出し、地球物理学を応用した物理探査なども加えて更に詳細に調べます。その時のポイントは、1熱、2流体(熱水、蒸気)、3地下き裂の三つの要素 と、地下で熱せられた流体が岩盤中を上昇する「自然対流」に着目することです。


地熱資源とは、深さ約3km程度ぐらいまでの、比較的地表に近い場所に蓄えられた地熱エネルギーを資源として利用するものです。これには、 地熱発電のほか、温泉(浴用)、暖房・熱水利用(家庭用、農業用、工業用)といった用途があります。