毎日の習慣がひとつ増えた。廊下の掃除、雑巾掛け。たった10分だけと決めて始めた。

最初の2〜3日は、正直あまりきれいにならなかった。むしろほこりが目立って見えるようになった。やればやるほど「汚れ」に気づく。それでも10分と決めたので、目についたところだけを拭いて終えることにした。

すると、思わぬ反応があった。帰宅すると妻が怒っていた。理由を聞くと、私が中途半端に拭いたせいで残ったほこりを掃除機で吸っていたらしい。完璧を求める妻と、まずは習慣化を目指す私。方向性は違うが、きれいな家にしたい気持ちは同じだ。

それでも続けた。10分の雑巾掛け。

やがて、帰宅したときに感じる空気が変わった。廊下がきれいだと、気持ちも整う。家の中のエネルギーが澄んでいるような感覚になる。特に朝の出がけに、光が差し込む廊下を通ると、清々しい気持ちになる。掃除というより「整える」感覚に近い。


思えば、最初から完璧を目指す必要はなかったのかもしれない。

少しずつ、毎日、積み重ねていくこと。

そうするうちに、廊下だけでなく、心の中のほこりも減っていく気がする。


稲盛和夫さんの言葉を思い出す。

「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道である。」


ほんの10分の掃除が、そんな言葉の意味を実感させてくれる。

廊下を磨くたびに、自分の心も磨かれていく。

明日も雑巾を手に取ろう。