もう、二年くらい前のことになりますが
米国の或る大学が
独逸の某巨大自動車メーカーの
クリーンディーゼル車の低排出ガス高性能の
実証実験を試みたことが切欠となって
排ガス偽装事件が発生し
世界的にディーゼルエンジン全廃の気運が高まっているのが最近のトレンドだ
このように小生は受け止めていましたが、
2018年11月10日(土)、11日(日)に開催された
エコアンドセーフティカーライフフェスタ兵庫2018
では、ディーゼルエンジンを搭載する国内メーカーが挙(こぞ)って出展し
昨年までの常連であった
天然ガス車両の展示がゼロ
でした。
このことが、個人的には非常に気になってしまいます。
先日、NEDOさんの関連記事を紹介しましたが
わが国のカーライフにおいて
ディーゼルエンジン車全廃への
道筋はどうなっているのか、
訳が分からなくなってしまいました。
昨年得た知識として
国際的にエコカーとは
電気自動車EV
燃料電池車FCV
並びに
天然ガス車NGV
の三種類のみであって
冒頭に紹介した事件が決定的となり
ディーゼルエンジン車はたとえクリーンディーゼルであっても環境への悪影響は回避が難しいとして、退場を余儀なくされている
という認識でした。
しかしながら、今年のエコアンドセーフティカーライフフェスタ兵庫では、
ディーゼルエンジン車を生産・販売するメーカーの大半が出展をしていたという事実を、
どのように受け止めるべきか
全く判断することができませんでした。
某メーカーの方に或る質問し、分かり易い回答を得たので、
このことだけ、紹介するにとどめます。
トラックメーカーのクリーンディーゼル車には
尿素SCR(SelectiveCatalyticReduction選択的触媒還元)装置があり、尿素配合液が入ったタンクが燃料タンクの隣に設置されています。
青い蓋のあるタンクが尿素SCR用タンクです。
この装置の意味するところが何となくわかりました。
この装置が作動するのは、
ディーゼルエンジンの燃焼が最適な場合に発生する
NOx(窒素酸化)ガス
を無害化させるためなのだそうです。
逆に、ディーゼルエンジン車が登り坂で黒っぽい煙を吐き出すことを見かけることがあると思いますが
この時は、ディーゼルエンジンの不完全燃焼により
PM粒子状物質
が発生しているため、
この時には
セラミック内臓の高性能なマフラーでPM物質を吸着し
マフラーが吸着仕切れないくらい溜まってきたときには、高温を吹きかけて
大気に放出しても害のないレベルまで焼き切る
のだそうです。
なんともはや
ディーゼルエンジンとは
何という
複雑多岐なシステムなのだろう
と思いました。
ついでに理解したつもりの話題ですが
「○カイ○クティブ」で有名なディーゼルエンジン
は、
敢えて完全燃焼状態を発現させないエンジン
言い換えますと
燃焼ピストン圧縮比が、従来の半分以下である14対1という、前例のない(常識破りの)低圧縮比にて運用させるエンジン
なのだそうです。
どういうことかと云いますと
完全燃焼をしないということは
まず、
NOxを発生させるリスクから解放されます。
しかしながら、
不完全燃焼状態のためPMは発生するのです。
そこで、既出のセラミック内臓の高性能マフラーにてPM粒子を吸着
適度なタイミングでこの粒子を焼き切る
ことにより、結果的に排気ガスをクリーンな状態とする事を実現させている
とのことです。
お伝えしたい話題は以上です。
難しい話なので、
CO2二酸化炭素排出量
や
生産コストの論点すら、質問する余力がありませんでした。
従いまして
ディーゼルエンジン車についての是非に
つきまして、
エコノミライ研究所としては
佳いことなのかどうなのか
についてなどの
判断・評価は
差し控えさせて戴きます。
楊田芳樹