ほんえすんの制作ノート -22ページ目

ほんえすんの制作ノート

編集者・ライター・絵本作家として活動する洪愛舜ともうします。webマガジン「目黒駅前新聞」編集長、絵本はひらがなのほんえすんで出しています。
お仕事を通じてのアレコレや、子育てしていて感じたことなどもつれづれます。

先日、友人が「子連れインターン」をしていたキッズラインのモニターシッティングで、久しぶりにベビーシッターさんに来てもらいました。


やっぱりマンツーマンのシッティングは満足度が高いなぁ。終わる頃には、息子も写真の通りすっかりなついていました。
私も、わずか1時間のシッティングの間に仕事の連絡をしたり食事の準備をしたり、そして何よりずっと気になっていた家の片付けを黙々とこなしたり、集中してやりたかったことができたので、とても有難かったです。

キッズラインは、「日本にベビーシッターの文化を根付かせたい」という思いで、経沢香保子さんが立ち上げたプロジェクトとのこと。素晴らしい試みの始まりに隅っこだけでもご協力できて、とても嬉しいです。
が、今回ベビーシッターを利用するにあたり、日本でベビーシッターの文化が根付くためには、いくつかの課題があることを感じました。

今日は、それをまとめたいと思います。

課題1.費用が高い
→やはりこれが一番大きいと思います。従来のベビーシッター業者を通して依頼すると、1時間当たり2,500円~3,000円くらいかかっていました。キッズラインは、シッターさんの時給(1,000円~1,700円くらい)+手数料+交通費くらいでできるので、少しはハードルは下がりましたが、それでもやはり高い。
シッターさんに支払う時給以上に稼いでいる人でないと、「シッターに預けて仕事」というのは成り立たないことになります。
これはとてもハードルが高いです。
(しかも、シッター代は経費になりません)
私も、上の子が小さい頃、仕事のためにシッターさんに何度かお願いしていましたが、「仕事時間全部」をお願いするととても採算が取れないので、取材や打ち合わせの間だけお願いして、執筆など家でできることは子どもが寝た後にやっていました。
(そうすると睡眠時間が削られてすごく消耗します……)

課題2.他人に家に入られることに抵抗がある
→これも大きいと思います。
現代の日本において「家」というのは非常にパーソナルな空間になっていて、自分が家にいるときならまだしも、家の人が不在のときに子どもとシッターさん(という他人)だけで家にいられるというのは、心理的に何となく受け入れられない、というのがあるのではないでしょうか。
(「貴重品を狙われるんじゃないか」という直接的な不安はないとしても、「何となく嫌な感じ」というのがあると思います)

課題3.「贅沢している」「手抜きしている」と思われそう
「ベビーシッターって高い」というイメージがあるから(イメージと言うか、前述のとおり現状では実際に高いのですが)か、ベビーシッターに頼むのって、芸能人の方とか、起業家の方など、いわゆる「セレブ」な方がすること、というイメージがあり、一般的には「贅沢なことをしている」と思われるんじゃないか、と尻込みしてしまう方は多いのではないかと思います。
また、日本では「子育てはお母さんがするもの」という固定観念がまだ強いので、シッターさんに子育てを任せるなんてお母さん失格、育児放棄していると思われるんじゃないかと心配する方も多いと思います。

(ちなみに、住んでいる場所の土地柄か、公園などに行くとよく欧米人の親子と遭遇しますが、子どもが2人以上いる方は、ほとんどと言っていいほど、シッターさんらしき方も一緒に子どもを見ています。
お母さんが上の子と遊んでいるときはシッターさんが下の子を見て、下の子がぐずったら上の子はシッターさんと遊んでお母さんが下の子を抱っこする、ということが当たり前のようになっているようです。
これって、子どもにとっても親にとってもすごく素晴らしい環境ですよね……)


私が感じた課題は以上の3点なのですが、課題だけ言ってもしょうがないので、どうすればいいのかという解決策も、書いていきたいと思います。

まず課題1.費用が高いについて。
シッターさんの時給を下げる、というのは絶対に絶対にやってはいけないことなので、支払う側の負担を減らすために、公的な援助を投入できたらいいんじゃないか、と思います。
例えば、私が住んでいる区では、理由を問わず一時的に子どもを預かってもらえる「生活支援型一時保育」の制度があり、年間60日まで預かってもらえることになっていますが、需要が多すぎて希望日・希望時間にほとんど予約がとれません。
1カ月前の朝9時から予約を受け付けるのですが、9時ちょうどに電話してもつながらず、数分後にやっとつながったと思ったら既に予約がいっぱい、という状況です。
(どうしても予約をとる必要があるとき(上の子の園行事とか)は、小さい子を抱えて朝の9時前から外で並ぶそうです)
もっと定員や預かり場所を増やしてほしいところですが、そのためには施設を整備したり保育士さんを雇ったりと、多大な経費がかかります。
そこで!
例えば、「年間200時間まで、シッター代500円/h分を行政が援助」みたいな制度を作れば、行政は初期費用無しで一時保育の需要に応えられるし、利用者の負担も大きく軽減されます。

負担を減らすためのもう一つの対策は、「シェアシッティング」です。
子ども1人の面倒をみるのと2人をみるのとでは、単純に「×2」になるわけではないので(1歳過ぎのたくさん遊びたい年頃の子は、同年代の子が一緒にいる方が、みている側は楽で子ども自身も楽しかったりします)、「シェアシッティング価格」として「時給×1.5」などで設定し、費用をシェアし合う、というのはいかがでしょうか。
知り合い同士でもいいし、サイト上でマッチングしてもいいし、安全面も配慮して年齢・月齢によって何人まで、と言う風に設定しておけば、安心なのではないかと思います。

続いて、課題2.他人に家に入られることに抵抗があるについて。
これも公的な力を存分にお借りして、地域の児童館でシッティング、というのはいかがでしょう。
児童館なら、安心して子どもと一緒に過ごしてもらえるし、お互いに気を遣うことなく預けることができます。
ここで問題は、少し大きい子になると、小さな児童館で一日過ごすのは窮屈になってしまいます。だからと言って公園などでは安全面が心配で……その場合、例えば神宮外苑のにこにこパークのような、完全に閉ざされた公園だと安心ですし、児童館でも港区の中高生プラザのように広い児童館や、あい・ぽーとのように園庭もある児童館なら、長い時間でも飽きることなく子どもも楽しい時間を過ごすことができます。
本当は、こどもの城があれば、こういうときに一番よかったんですけど!
安全面も十分だし、一日いても時間が足りないくらい子どもも大人も楽しく過ごせるし……。
存続させられなくて無念です。
(例に挙げている施設の地域が偏っていてすみません。実際に利用しているところしか浮かばなかったもので……)

最後に、課題3.「贅沢している」「手抜きしている」と思われそうへの対策について。
これはもう、「卵が先か、鶏が先か」の議論になってしまいますが、「日本にベビーシッターの文化を根付くこと」が最大の解決策だと思います。
その前段階として、1や2の対策が進んで公的にもベビーシッターの利用を応援していることが周知されれば、イメージは変わってくるのではないかと思います。
その先に、子育ては親だけが担うものではなく、社会全体で子どもを育てる、という意識が当たり前になればいいな、と思います。

長々と書いてしまいました。
以上が、私が考える「日本で『ベビーシッター文化』が根付くための課題と対策」でした。
(このぐらいのことは、関係者の方々は既に考えていらっしゃるかもしれませんが……もしそうでしたら、蛇足ですみません……)
Webマガジン『econ-mag』本日最新号をアップしました。


なんと、今号で7周年を迎えました!
いやはや、続けるって、スゴイことだな…
感謝の言葉しかありません。本当に、ありがとうございます。

最新号の紹介として、編集後記の言葉を転載させて頂こうと思います。

***

以前、大宮冬洋さんとの往復書簡でも書きましたが、私は目標を立てるのが苦手です。というか、先のことを考えて生きるのが苦手。
そんな自分を恥ずかしく思ったり、自分に対して嫌気がさしたりした時期もありましたが、最近こう思うようになってきたんです。
私は、「今を楽しむ」のが好きな人なんだ、と。
先のことを考えるのは苦手だけど、今しかない今を思い切り楽しむことができるなら、その今の積み重ねが未来になるわけだから、そうやって未来を切り開いていくことができるんじゃないか、と。

この『econ-mag』も、そのときそのときの「今」を形にして、丸6年。29号になりました。まずは、当サイトのために原稿を寄せて下さる書き手の皆さまへ最大の感謝を、そして、私の趣味に満ちたこの空間を楽しんで下さる読者の方にも、本当にありがとうございますとお伝えしたいです。

そして、7周年記念号に始まった新連載
『Baby,Stepbystep!!』。この連載は、『キレイをみがくカラダのおはなし』『自由なカラダのつくりかた』でおなじみの宮川万衣子さんによる新シリーズです。 
私も子育てをしていて、我が子に対して「早く○○できるようになったらいいな~」と思うことがあるのですが、でも実は、その「○○できない」今の状態って、できるようになったら二度と戻ってこないんですよね。
早く歩けるようになって一緒にお散歩したい!とか思ってたけど、歩けるようになったら、ハイハイのみだった頃のあの赤ちゃん感はなくなあってしまうし、早く話せるようになっておしゃべりしたいとか思っていても、お話しできるようになったらあの「話せない頃ならでは」の意味不明な楽しさはなくなってしまうし、早く字が読めるようになってほしいなと思っていても、いざ読めるようになると、読めなかった頃、自分でお話を考えながら絵本を読んでいた面白さはなくなってしまうし……。
通り過ぎてしまったら二度と戻らない、今しかない今の時間。
『BABY,STEP BY STEP』では、「今しかない今を楽しむ」の「体の発達編」 として、とても大切なことを発信していけたらと思っています。

そう、「今しかない今を楽しむ」。そして、「子育てしている今を満喫する」。
これが、これからしばらく私のテーマになりそうです。
引き続き、どうぞよろしくお願いします



***

以上です。

『econ-mag』最新号、ぜひご覧頂ければ幸いです。

ちなみにiPhoneで見るとこんな感じ。
{FC941988-00A3-4381-9FBA-09E6D0D2EE65:01}
やっぱりちょっと見にくいですよね…。

スマホで読んで下さる方が増えているみたいなので、スマートフォンサイトを作りたいと思いながらもなかなか取りかかれずにいます。
8年目の課題!



暑くなってきましたねー!
私の中で、「25度超えたら半袖」というセオリーで長年やってきたのですが、今年は既に毎日半袖です…。

こういう初夏っぽい天気になると気になるのが紫外線です。
そろそろ日焼け止めを塗らなければ…と、子どもたち用の日焼け止めを求めにいって、最近気がついたことがあります。

数年前はたくさんあった
「紫外線吸収剤不使用」の
日焼け止めが、
ほとんどナイ!

10年ほど前までは、「SPF戦争」と呼ばれた、効果の高い日焼け止めがもてはやされていましたが、その後、効果を高めるための「紫外線吸収剤」がお肌によくない影響がある、とされ、ここ3年くらいは、「紫外線吸収剤不使用」を謳う「やさしい日焼け止め」がたくさんありました。


しかし、去年ぐらいから、売られている日焼け止めに、「紫外線吸収剤不使用」の文字を見なくなってきた気がします。
先日いくつかのドラックストアをまわって色々探しましたが、ほんとにほとんどありません。

「無添加」「低刺激」「肌にやさしい」「子どももオッケー」とデカデカと書いてあるものにも、全成分を見るとちゃっかり紫外線吸収剤が入っているので驚きます。

 サラッとした塗り心地の良いものを作ろうと思ったら、紫外線吸収剤入れないとできないのかなぁ。
(「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」というのがだいたい入ってる気がします)

ここまで各社一斉に「解禁」してるのを見ると、何か陰謀論みたいなものを感じてしまいそうになります…。

子どもたちは、これから何十年と日焼け止めを塗り続けることになるので、やはり吸収剤不使用のものを選びたいです。

というわけで、何軒か探してやっと見つけた「不使用」のコレにしました。
{F4A859DD-2046-4A0A-8195-98325F3CC6CA:01}


「保湿もできる日焼け止め」とか「虫除け効果もある日焼け止め」とか、色々魅力的なものあって心惹かれたけど…
息子のヘルメットがなくなってしまったので、自転車屋さんに買いにいったのですが、

その時、店頭に置いてあった自転車に、これが付いていました。
{D0E290D1-7CBD-4677-9BAB-6A3D0E83FF0D:01}
押すとプニプニと鳴るアンパンマン。

当然買うつもりなどなかったのですが、息子が欲しい欲しいと大泣き…。
普段はあまり駄々こねて泣いたりはしないので、これはよほど欲しかったのかな…と思い、買うことに。
かと言って、一つだけ買うわけにはいかないので、娘の分と息子の分でアンパンマンとトーマスを一つずつ購入…。

余分な出費になってしまったなーと思いましたが、これが意外にお役立ちなんです!

公園とかで遊んでいて帰る時、少し帰るのを嫌がっても、
「トーマスさん待ってるよ~」と言うと喜んで自転車に乗るようになったし、
自転車に乗っていて、寝てほしくないのて寝てしまいそうになったとき、プニプニっ!と鳴らすと3分~5分くらいはもちます。
助かるなぁ~。

つまり、何が言いたいかと言うと、
全国の自転車屋さん、これを付けた自転車を店頭に置いておくと、
きっとバカ売れすると思います。

{D5FD54AF-B05C-4DDF-89A5-A85FC8FA97EA:01}
お気に入りすぎて寝ながらも握っている息子…。

先日、貴重な平日休みを利用して、日本科学未来館に行ってきました。

お目当てはこちら、

{65B568CA-50A3-499C-8EEE-D587896CED54:01}

チームラボさんの
「踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」。

コレしたり…
{7E03A1DD-F2C8-4A01-B2C1-7090CA315AFA:01}

コレしたり、
{1296B4E9-7559-4644-A466-D282351469AF:01}

コレもしたり、
{A7B41A99-1391-496A-B00E-33250F03A0F4:01}

そしてもちろんコレも!
{7DADCA33-6E91-4CCA-9DEA-13F0940076C8:01}

3歳の娘が終始夢中になっていたのは予想通りでしたが、驚いたのは1歳7カ月の息子もすごく熱中していたこと!

7階のお花の部屋でもこの反応。
{0AAECF89-D422-4FF0-A2B4-CC19A7595BEE:01}

嬉しかったです。

土日は整理券が出るほど大混雑しているみたいですが、平日だとゆっくり遊べるくらいの感じでした。
(それでもけっこう賑わっていてお花の部屋は35分待ちでした…)
会期は5月10日まで。行けてよかった…!

それにしても、日本科学未来館、楽しかったなぁ。
チームラボ展もよかったですが、常設展も面白かったし(全然ゆっくり見れなかったけど…)、何より、3階のキッズスペースが遊び心溢れていて、最高でした。
{EE7279E3-20B0-4704-B93E-773661B2CC89:01}

「大人も子どもも工夫して考えて遊ぶ!」というコンセプトで、コロコロ転がる芝生の坂があったり、大きなブロックのスペースがあったり、この写真のようなコーナーがあったり、作って遊べるコーナーがいくつもあります。
45分交代制なので、アレもコレもしたくて忙しく…!

{8E393566-8391-4A5B-BDCD-A8737FB3B701:01}
こんな風に、離れている子どもの様子もこっそり見れたりして、これもかなり感動的でした。

(ちなみに娘はここでも「自分が塗った絵が立体になって動く」遊びに夢中になってそればかりしていました…)

今回初めて台場まで車で行きましたが、下道を使っても40分くらいで行けることがわかったし(高速は車線変更が怖くて辿り着ける気がしない…)、駐車料金も良心的だし(科学未来館は30分100円)、このキッズスペースで遊ぶだけでも行く価値アリだと思いました。
また行こう!