避難区域面積1/3に 居住制限と準備区域 富岡の指示解除 | 県内ニュース | 福島民報(2017年4月1日紙面)
東京電力福島第一原発事故による富岡町の居住制限、避難指示解除準備両区域は1日午前0時に解除され、同町と前日の浪江町、飯舘村、川俣町山木屋地区の解除によって避難区域の面積は再編時の3分の1に縮小した。双葉郡で人口が最多の浪江町、2番目に多い富岡町の地域再生に向けた取り組みが始まり、郡内全域の復興に弾みがつく。今後は帰還困難区域の解除に向け、特定復興再生拠点の整備が本格化する。
東日本大震災と福島第一原発事故から早6年、常磐線が浪江駅まで延伸したというので、4月5-6日に福島県富岡町と浪江町に見に行ってきた。
思い出してみれば20年ぶりの福島行きだ。前回は母親の知人の荷物を届けに初めて東北自動車道で飯館村まで行ったときのこと。川俣町の三叉路近くのホームセンターで待ち合わせしたことや、藁ぶき屋根の民家がたくさんあったこと、帰りにインター近くにあった古めかしい硫黄泉の立ち寄り湯を利用したことくらいしか覚えていない。
今回行くにあたっても何を見に行けるかまったく分からなくて、富岡町なら夜ノ森公園、浪江町は福島第一原発の近くまで行きたい、それくらいしか考えていなかった。土地勘がまったくないため3月下旬に夜ノ森公園までのアクセスを富岡町役場に問い合わせたところ、「徒歩で行くには距離があるので無理」「夜ノ森方面の路線バスはない」「富岡町内及び近隣町村でレンタカーの事業者はない」ため、いわき市内でレンタカーを借りるか、 当町に最寄りの「楢葉タクシー」をご利用ください、とのこと。さらにこんなことも書かれていた。
【富岡町の現状について】当町は、平成29年4月1日に一部地域を除き避難指示を解除する予定でございますが、当町が誇る桜並木の2/3以上が依然帰還が困難である区域として、避難指示継続しており、4/1を過ぎましてもお立ち入りを制限しているところです。 従がいまして、震災前には桜まつりを行っておりました「夜の森公園」も避難指示区域内のため、お立ち入りすることができません。 大変残念なことでございますが、ご期待に添えるお花見ができない現状にあります。しかしながら、一部の桜並木(約300m)のお花見は可能でございます。当該区域において、4/8(土)には、 小規模ながら桜イベントを行う予定でございますので、 お時間が合うのであれば是非お越しいただきたく存じます。
とりあえず方角が分からなくなったときのために Amazon で福島県の道路地図も用意して、4月5日朝青春18きっぷと Suica グリーン券を手に出発した。
常磐線E531系電車
東京駅で常磐線に乗り換えたのが朝9時47分(数分遅れ)で、グリーン車が併結される水戸駅までは混雑もなく快適な旅行だった。
いやいや間違って東京駅に行かない湘南新宿ラインのグリーン車(東海道線)に乗ってしまったせいで、気が付いて乗り換えた横浜―品川間はグリーン車のデッキで立ちんぼする羽目になったのは内緒。てゆうかぎゅう詰めの普通車なんかよく毎日の通勤で我慢して乗れるね。尊敬する。
水戸駅で乗り換えたいわき行きは半日の高校生で賑わい、立ち席に。写真には惜しくも撮れなかったが、途中東海駅ホームにある名所案内に「原子力発電所」とあるのが過ぎ去った時代を感じさせる(風光明媚な自然や由緒ある寺院が掲載されるならともかく)。
途中疲れたので、いわき駅の手前の湯本駅で下車。この駅ホームに足湯があるのだが、どれだけの人数が利用するのか分からない足湯は衛生的に不明(毎日清掃しているとは思うけど)なので通り過ぎて、有料の共同浴場へ。
駅のそばにあるみゆきの湯。こんな建物だが、中は共同浴場そのもの。券売機で大人250円(4月1日に値上げしたばかり)、そしてタオルと石鹸代を支払い、ざざーっと体を洗って熱い湯船に浸かって出てきた。この辺常磐線の普通電車が1時間に1本しかないので、ここでじっくり浸かると今後の予定に差し障るからだ。
さて無事次の電車に乗り、いわき駅へ。そしてさらに乗り換えて広野町、楢葉町へ向かう。いわき市までの車窓は茨城県から続くローカル線の車窓そのものだったが、いわき市はずれにある末続駅付近からか、トンネルの合間にみられる海岸線に荒々しい津波の痕跡がみられる。
木戸駅で見られた白いテント群。遠くまで見通せる農村風景ではかえって目立ってしまって、なんかそぐわないんだよね。
15時15分竜田駅到着。1本の桜の木が出迎えてくれた。2014年6月1日に楢葉町の避難が解除されて以来営業しているが、震災前に使われていたであろうホームと駅舎をつなぐ跨線橋は封鎖され、仮設の連絡橋が1・2番線をふさぐ形で架けられている。
駅舎内は改札口と待合所がパネルで仕切られているが、改札口の上にある線量計表示が原子力災害の復興最前線に来た感じを醸し出している。竜田駅構内は 0.139μSv/h 屋外の楢葉町観光案内図で 0.170μSv/h だった。
下調べで分かっていた通り、楢葉町にはタクシーがあるので、呼べば観光案内図にある天神山スポーツ公園に遊びにいけたはずである。
kou-salmon@nerka_hunter
ウェンディ~ランド 「楢葉町の天神岬にジェラート屋さんが帰って来た!」と聞きつけ、さっそく甘党ペアで出撃! 写真は14種類のジェラートから好きなものを2種類選ぶ「ダブルジェラート(300円)」シングル(250円)が2個分くらい… https://t.co/qSxbsva65V
2017年03月31日 09:31
天神岬に温泉や手作りアイス屋さんがあるのは把握していたが、ここには宿泊施設もあったか。今回楢葉町はリサーチ外だったので、宿はさくっといわき市内で確保してしまったが、次に行くときは検討対象にしよう。
さてJR東日本による列車代行バスだが、2017年4月1日より富岡駅が増発されて、竜田駅から乗り換えできる出発到着時間でダイヤが組まれている(JR東日本水戸支社のアナウンス)。
そのため15時25分発の富岡駅行きのバスに青春18きっぷを見せて乗り込んだが、駅で十数人下りたはずなのに乗客は僕一人だった。運転手に後で聞くと、富岡駅行きの往復は始まったばかりなのでいつも乗客がいるかいないかだという。
15時33分、国道6号線から富岡町に入る。
楢葉町と富岡町の境にある福島第二原発は丘にはばまれてほとんど見えず。とはいえ今年10月に営業運転を再開する常磐線竜田―富岡駅区間の工事は着々と進んでいた。
そして富岡町市街に入ると国道6号線沿いはゴミがつまれて廃墟と化した建物ばかりになるが、突然「さくらモールとみおか」というショッピングモールが目に飛び込んでくる。ここは後で寄る。
15時45分、富岡駅到着。先の大震災による津波で駅舎が流されたが、そこからやや北寄りに新しい駅舎を現在建設中で、駅前ロータリーや公衆トイレはすでに完成していた。また駅の南側には橋脚を作っているが、これはどうやら駅から海岸側にアクセスしやすくするための町道(曲田都市計画街路4号線)の跨線橋らしい。
とはいえ建設中の駅舎わきにある民家はどうするのかな。
富岡駅から歩いて国道6号へ向かうと、更地になったところで住宅建設が始まっていた。
また富岡川にかかる鉄道橋では、2019年の常磐線全面開通に向けての工事が続けられていた。いちおう書いておくけど、ここにはマスクしていない人もそれなりにいるからね(福島県というと、チェルノブイリと同じレベル7の原発事故が起きた6年前から放射能レベルは何も変わっていないと信じている人もそれなりにいそうだから)。

国道6号沿いにある双葉警察署前についたのが16時過ぎ。避難指示解除がされたばかりなので富岡川対岸にある商業施設は廃墟のままだが、この付近でも住み始めている人はいくらかいるもよう。
実際4月5日富岡郵便局が再開し、4月6日より東邦銀行富岡支店・大熊支店もオープンしているから。 とはいえ東邦銀行がある通りには東京電力パワーグリッド以外、店舗はシャッターが閉まったまま、電気のついている建物はなく。
atsushi (闇のインチキ薬剤師)@maiayumio
@am_bad_ass @Fleaflicker80 それ、現状でもあるんですよ… 楢葉辺りに帰還した方は夜は早々と締め切って電気を消すそうです、周囲に家に居るのを知られるのが怖いんですよ、どの家もことごとく泥棒に入られてますので当たり前なんです
2017年04月05日 11:37
もっともこんな話もあるので、このブログ記事でも極力個人宅は晒さないことにしますけど。
「釣った魚類は人にあげないでください」の看板がある富岡川(ちなみに避難指示区域である大熊町は川釣り禁止)とか、「東日本大震災の影響により運休」したままのバス停とか、6年前から時間が止まったままの自販機そばにある「走行注意」の看板などを見ながら、てくてく6kmほど歩いて夜ノ森地区まで歩きましたが、車は数台すれ違ったものの、通行人には誰にも会わずじまい。
そんなわけで3枚目の「野生化した動物が出没する恐れ」というのがすごく怖かった(伊豆半島でも野生のイノシシに遭遇したことはあるが、車の中だったし)。なにせ街灯もろくになく土地勘もない地域だから、せめて帰り道真っ暗闇を歩くのだけは避けたいと、夜ノ森に向かう道中そればかり考えるようになってしまって(汗)
とはいえ「この先帰還困難区域につき通行制限中」で×印がついていたため、この通りには曲がらず県道112号線を進む(まだこの迂回看板の意味するところがよく分かっていなかった)。
16時45分、県道112号線が常磐線と交差する三春街道跨線橋に到着。2枚目は跨線橋から富岡駅を向いたズームだが、カーブにさしかかったところで保線車両が見える。しかし何のための特殊車両は分からない。A(^_^; 3枚目は夜ノ森駅方向。ここから写真右手の白いガードレール沿いを歩いて夜ノ森駅方向に歩いた。
そして歩くこと10分、町道に敷かれた鉄のカーテン、この先が帰還困難区域なのかと悟った瞬間。ちょっと横道にそれて帰還困難区域外から夜ノ森駅方向を眺めた。

夜ノ森駅構内は除染作業中らしくショベルカーが入っていたが、夕方の時間帯のせいか無人だった。
ちなみに浜通りの復興に向けたJR常磐線復旧促進協議会議事次第によると、常磐線の除染は次のように取り組まれているという。
すでに何か所かで試験除染が行われた結果、帰還困難区域内を通過する全線で 3.8 μSV/h 以下を達成できる見通しだという(福島民報)。でもJR東日本の線路内の除染が完了し3年後常磐線が全線開通しても、当分の間この付近は通過でしょうね(竜田駅前を見る限り劇的に復興が進むとは思えない)。
夜ノ森地区に話を戻すと、ちょうどここはいまだ空間線量が高くて住民の立ち入りが制限される地域(帰宅困難地域)との境で、写真で分かるようにそこかしこに立入規制が敷かれている。途中でみかけたつつみ公園で 0.66 μSv/h あった。もしここに1年間ずっと立ち尽くすという非現実的な仮定した場合、単純計算で約 5.8mSv/年 (自然放射線込みで)ということになろう。

では帰還困難区域はどのように決められたのか。福島復興ステーションによれば
事故後6年間を経過してもなお、空間線量率から推定された年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域(2012年3月時点での推定年間積算線量が50ミリシーベルト超の区域)
とある。しかしながら帰還に向けた町の取り組みと富岡町の現況(第4版)をみると、
帰還困難区域でないところと比べればたしかにまだ高いが、帰還困難区域の多くの場所で線量が下がっている。これは帰還困難区域の範囲の見直しができる余地があると考える。
さらに現状の避難指示は全年齢を対象にしたものであるが、たとえば高齢世帯が望むなら長期滞在を許可するとかできないものだろうか(ちなみに避難指示解除準備区域を設定するにあたっては「日常生活に必須なインフラや生活関連サービスが概ね復旧し、子どもの生活環境を中心とする除染作業が十分に進捗した段階」を経ている)。
また話がそれた。旅の目的だった夜ノ森の桜の話をしよう。




神奈川県から半日以上かけて見に来た甲斐もなく、一輪も咲いていない。A(^_^;
とみおかプラス@TomiPla2017
な、なんという事でしょう( ゚д゚)皆さま、お気づきでしょうか?場所はJR夜ノ森駅入口付近の桜なんですが咲いてるに違いない(°▽°)!桜の開花は1つの木に5輪〜6輪咲くと開花とみなされます(^O^)中の人の背がゴジラみたいに高けれ… https://t.co/MihVAqkZbQ
2017年04月04日 11:58
このツイートをみると夜ノ森駅入口付近では咲いているところもあったようなのですが、さっき書いた「野生動物が出没するかも」看板が気になりすぎていて、このときは早く帰ることしか考えていなかったので(そもそも町民でもないのに夜ノ森駅入口に行けたのかという疑問が)。


この日、桜並木近くの富岡第二中学校では、4月8日土曜日に行われた桜まつり「富岡町復興の集い」の設営が始まっていました。ちょっと福島県に縁もゆかりもない者が遊びに行く場ではないなと思っていたが、安倍総理が来るのだったら行けばよかった(笑)

そんなわけで急ぎ足でなんとか日暮れ前の18時に「さくらモールとみおか」に戻ってきて、さあ何か食べて帰ろうと思ったのですが、
フードコートの営業時間が日曜定休の11時~15時までで、この時間はヨークベニマル店内で売られているお弁当お惣菜お寿司くらいしか食べるものがない(愕然)

店内にはフードコートのテーブル席もソファ席もあるので、食べるところ、そしてゴミ箱にも困りません(この写真が見当たらなくて Google Map からキャプチャしてきた。^_^;)が、ここまで来て電子レンジでチンして食べるのはちょっと・・・。かといって富岡駅を代行バスが出たばかりの時刻なので、次のバスまで1時間半もある。しかも外はかなり涼しい。
ちなみに富岡町にはほかにコンビニエンスストアが2件あるそうです。
そういうわけで閉店ぎりぎりまでここで粘って、19時前に富岡駅に向かったのですが、ホント富岡駅前で温まれるものといえば自販機くらいしかない。しかもポケモンがいない。


ポケモンの避難も解除してほしい!!
結局この日は代行バスと電車を乗り継いでいわき駅まで戻ったものの、飲み屋街で食事する気分にもなれず、駅前のカプセルホテル(笑)ですぐ床について終わり。
「富岡町・浪江町に行ってきた その2」に続く。




















































