スタイライフとサイバードの新会社設立に関して | Eコマースに関する情報

スタイライフとサイバードの新会社設立に関して

 株式会社サイバード(本社:東京都港区、代表:川田敦昭)はスタイライフ株式会社(本社:東京都港区、代表:岩本眞二)とファッション系ECの分野で協業し、2007年9月26日付けで新会社「株式会社ナッティ」を設立した。

 サイバードではこれまで携帯向けEC事業として、F0~F1層をターゲットにした「Nutty collection(ナッティ コレクション)」やファッション誌「S Cawaii!」のオフィシャル携帯サイト「S Cawa!★SELECT」をはじめとするファッション系の携帯ECサイトを手がけてきた。一方スタイライフは、通販雑誌「Look!s」、Webサイト「Stylife」「nuan+」「CHU:SE」、携帯サイト「スタイライフ☆Look!s」など各市場においてF1層向け自社メディアを用いたEC事業を展開。またファッションECを通じて蓄積したノウハウと資産を活用し、有名雑誌と通販との連動企画なども推進している。

 サイバードが顧客層および取り扱いブランド(カテゴリ)を拡充すべく他社との協業について検討を重ねていたところ、双方の意向が合致したこと、またベンチャーキャピタル他の出資パートナーを得たことから今回の新会社設立に至った。

 新会社「ナッティ」の所在地は東京都港区六本木。PC向け/携帯向け問わずインターネット上のショッピングモール、HP/雑誌/カタログの企画/制作および運営、通信販売、物流/配送システムの運営、広告代理などを手がける。資本金は4億9,000万円(資本準備金含む)で、持株比率はサイバード:14.9%、スタイライフ:14.9%、ベンチャーキャピタル他:70.2%。サイバードとスタイライフからは各1名づつ取締役が派遣される予定。決算期は8月で、初年度は15億円の売上を目指す。

 本件についてサイバード広報は「サイバードとスタイライフはこれまで特に付き合いがあったわけではないが、実は協業に向け幾つかの企業と話を進めていたところ、スタイライフの対応が最も迅速で、また両社がターゲットとしていた層が重ならずかつお互いの顧客層の拡大が見込めることから共に新会社を設立するに至った。サイバードグループがスタイライフと直接つながるわけではないが、スタイライフの持つ買い付けから発送に至るまでのノウハウがナッティに投入されることで弊社もそれらを学んでいける」と話している。

 なおナッティの設立は9月26日だが営業開始は10月1日から。グループ企業のひとつである株式会社エスクルー(本社:東京都港区、代表:正岡賢)より同社がこれまで運営していたNutty collectionをはじめとするファッション系携帯EC事業の譲渡を受けるほか、サイバードグループのアパレルブランドや雑誌社との共同事業展開を引き継ぎ、当面はその運営を進める予定で、サイバード広報によると「現段階で話せるような新サービスの開発予定等はない」とのことだ。

 サイバードとしては、EC事業がなかなか収益の柱として育たず、今回事業を集約しスタイライフを株主として入れることによって一つの企業としての形が作りたかったのではないかと思われる。それによって、他ベンチャーキャピタルより70%もの資本を獲得することに成功をした。自社単独で事業収益が上がるのであれば、その必要は全くないわけで、むしろリスクヘッジ的側面が強い今回の提携・新会社設立である。一昔前のように、「(着メロなどの)媒体を持っている」「公式サイトに入れることができる」だけでECの収益が上がると思われていた幻想が崩れた象徴的な例である。とはいえ、是非頑張って成功して、モバイルECの世界をさらに広げてほしい。


http://www.cybird.co.jp/hc/release/corporate/s20070926.html