ここもさっきまでトンネルだったのに!〜横浜環状北線を見に行った(その3)〜 | 大山顕の首都高エコマニア

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現在建設工事真っ最中の横浜環状北線を見に行ったレポートの第3回です(→第1回、→第2回)。いよいよどーん!と飛び出します!

どーん!とは何のことか。JRあるいは京急で日常的に川崎~横浜間を往き来する方は車窓からこれを目にしているはず。


↑崖にこういうダイナミックな構造物があるのだ

ああ、あれね、と、いう方も多いはず。実はこれも北線の一部なのだ。上の写真は2010年のもの。現在は工事が進んで違う光景が広がっています。それはのちほど。

さて、前回新横浜出入口とその隣の橋梁を見ましたが、今回はまず馬場出入口の予定地へ。ここは大田神奈川線という一般道と北線との接続地点で、換気所もできるとのこと。


↑ここも工事の真っ最中でした!(取材時の2012年10月の様子です)


↑建設の概要をご説明いただいたのですが、中でもとくにおもしろかったのが


↑現場で江戸時代の古い道路跡が出てきたというもの。かつての道路の場所に今あたらしくまた道路がつくられるというわけだ!ロマンだ!

新横浜出入口からこの馬場出入口へ、そしてこのあと「どーん!」の生麦方面へ案内してもらうわけですが、さすが横浜というか、ほんとうに起伏が激しい。なるべく家屋の移転を少なくし、周辺の環境への影響を最小限にするために、全線の約7割をトンネルにするということを別にしても、こういう地形の場所での工事っていうのはたいへんなんだろうなーと思った。

さて、「どーん」のプロローグ、岸谷生麦線のトンネル入り口へ!


↑これが国道一号線と北線を結ぶことになる岸谷生麦線の入り口。おお、なんかイカした入り口の造形じゃないかー!


↑中に入ると、こんな。ここもまだ工事中でした。かっこいい!


↑左右を見回したパノラマ写真。誰もまだ通ってない工事中のトンネルって、なんかすっぴんって感じでぐっとくるよねえ!(大きな画像はこちら

岸谷生麦線とは国道一号線と北線、生麦ジャンクションとを結ぶために新しくつくられる道路だ。単に入り口をつくったというだけでなく、ながらくJRや京急によって分断されていた国道一号と臨海部とをダイレクトに結ぶ道ができるというわけ。

そう、道路つくるっていうのは、その道路単体だけでなくそれに合わせて周辺を整備していくってことなんだよねえ。


↑台地を削ったあとにはちゃんと緑化の手当をしています!


↑入り口にあったトンネル掘った時の様子の写真がすごかった!トンネルの上には学校があって、その校舎の杭にあたるので、新しい杭を打って校舎を支えた後、古い基礎杭を取り除いたそうだ(詳しくは岸谷生麦線のトンネル工事(PDF)を。とてもおもしろいよ、これ)


↑その隣にあった「隧道十訓」。トンネル工事の際の注意事項だそうだ。かっこいい。

で、この岸谷生麦線トンネルを歩いて、臨海部へ。いよいよ生麦ジャンクション方面の「どーん!」だ。


↑このトンネルを抜けると…!


↑どーん!(大きな画像はこちら

どうですか、これ!さっきまでトンネルだったのに、ここからもう急に高架ですよ!いやー、ほんとダイナミック。

上の写真は後に公園になるトンネルの上から見下ろしてものだ、通ってきた岸谷生麦線と北線はこの下からどーんと出てます。


↑ここが北線がどーんと出てくるところ!ひとつ前の写真は、この四角いコンクリートの上にのぼって見下ろしている。

こういうトンネルからいきなり高架、っていうのは都心部では珍しいのではないだろうか。まわりにすでに多くの建物や杭やインフラがある環境の中でこういうダイナミックなことをしなければならない都市土木ってほんとうにたいへんだよなあ、と思った。ここだってすぐ下は道路と鉄道で十分な作業スペースがあるように見えないし。


↑そういう環境のなか、かつ雨の中でもみなさん粛々と作業を行っておられました。どうぞ御安全に!

というわけで、第3回はこの「どーん!」のダイナミックさをお伝えしたかった次第。次回は横浜環状北線を見に行ったシリーズの最終回。この先の生麦ジャンクション手前までの工事現場を見させてもらった様子です。そこもまた「ザ・都市土木」って感じのスペースがない中でのご苦労を忍ばせる光景が広がっておりました。どうぞおたのしみにー。


↑完成するとこういうふうになるわけです。たのしみ。