最新の学問的知見に基づき、実験動物を用いて各種の毒性試験を行うことによってADIが決定法される。
実験動物は、原則として寿命の短い、ラットおよびマウスが用いられる。具体的な安全性の試験としては、急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、変異原性試験、発がん性試験、繁殖試験、催奇形性試験、その他の毒性試験、吸収・分布・代謝・排泄に関する試験、一般 薬理試験といった数多くの試験が行われ、必要に応じて抗原性試験(アレルギー)が実施されることもある。
これらすべての毒性試験の結果、実験動物に毎日、生涯にわたって食べさせても、何ら毒性変化も認められなかった投与量の上限が求められる。これを「無毒性量(NOAEL : No Observed Adverse Effect Level)」と呼び、ADIと同様にmg/体重kg/日で表す。 NOAELに実験動物と人間の差や、人間の性別 、年齢、健康状態などの個人差を考慮して、通常100分の1の安全係数が乗じたものがADIです。
100分の1という安全係数は、経験則に基づくものであるが、国際的にも再三にわたる評価検討を経て、安全性を確保するに十分な係数として認知されている。もっとも、試験データが十分でない場合などには、これよりも高い安全係数を用いることがある。
ちなみに、食品中の残留農薬基準や食品添加物の使用基準は、かなり偏った食べ方をしても、ADIを超えない範囲に設定されている。仮に残留農薬が検出されたとしても、基準値以内であればまったく問題はないといえる。