Dearあなたへ


とにかく髪の毛を洗わなきゃ。

ベトベトで真っ青になった髪や、ペイント状の顔を速攻何とか洗い落としたいと。

恥ずかしいやら気持ち悪いやらで一刻も早く洗い流そうと、荷物を置くなりシャワールームを探し回った。

そこがシャワールームだと言われ、青くペンキで塗られたドアを開けビーサンことビーチサンダルで駆け込んだ。

ドアを開けてビックリ、そこは床から天井、壁までが真っ青に塗られたまさに青一色の部屋だったのだ。

えっ、何にこれ。部屋中真っ青じゃん。

裸電球が吊り下がっているだけの薄暗いシャワールームは、しっかり四方をブルーのペンキで塗られている。

薄暗がりでもそれだけははっきりわかる。

なんで。。。

ピカソの青の時代じゃあないが、なんで青?

ここまで青に追いかけられるとちょっと恐怖感でタジタジになる。

生温かい水シャワーを浴びながら回りを眺めると薄い水色ではなく、やっぱりハッキリした青、ブルー一色で塗りたくられた世界なのだ。


薄暗い中水シャワーでひたすら全身を洗いまくっていると、青に迫られるゾワッとした感覚が襲ってくる。

これってデジャブ?

ブルー、ペイントされた青と言えば、昔観たフランス映画のベティブルーを思い出した。

ちょっと狂気じみた映像に、眼を逸らしたくなった映画だった。

たまたま観ただけなのに、よりによってなんで狂気的な愛なの。。。って記憶が蘇る。

後味の悪さを思い出し、のんびりとシャワーを浴びるどころではなくなる始末。

しかしまあインド人ってこんなに青が好きだったの〜?!である。


スッキリしたのか疲れたのかわからないようなシャワーが済んで、はてさて明日から一体どうしよう。。。と思いながら、濡れた髪を拭き拭き廊下を歩いていた。

すると前から女性が2、3人で楽しそうに話しをしながら歩いてくる。

この環境にも慣れた感じで、すっかり回りの雰囲気にも溶け込んだいる。

度肝を抜かれたけれどやっぱりサッパリしたわ〜とタオルで前髪をかき上げた時、チラッと前から来る女性に目がいった。

一瞬えっ。。。

嘘、ええっ、なんでここにいるの?

目を疑った。

見間違い、人違いかと思って改めてじっくりと見直す。

見間違いじゃない。確かに彼女だ。

目の前にはインフォメーションセンターで会うはずだった友達がいるではないか。。。

まさに目を疑うってこんな事?である。


当の彼女はニコニコしながら、あ〜来たんだ〜と、いつもながらののんびり口調で挨拶してくる。

来たんじゃあじゃないよ〜ここが待ち合わせ場所じゃないよね!

無かったよね!いくら探しても無かったよね、インフォメーションセンター。

もう言葉が続かない。

嬉しいやら、驚きやら、よくぞ会えたと、頭の中がコンフューズしている。

でも彼女は屈託なく相変わらずのペースで、良くここがわかったね〜と。

こっちは青みどろになって、ヘトヘト状態で辿り着いたと言うのに。

彼女がインドに惹かれる理由がよくわかる。

彼女のペースがもはや既にすっかりインドだよ。


よくまあ再会できたと思ったが、お互いの懐具合とバックパッカーご用達宿が私達の定宿と考えたら納得もいく。

頭が青くなった後今度はシャワールームで真っ白になってしまい、再会できた経緯すら直ぐには考えつかなかったのであるが。


そうは言ってもこの広いインド。

人人人のカルカッタ。

まさかこんなに早く会えるとは思っても見なかった。

涙ものの心境だった。


まさにヒンドゥー教の神様のご加護でしょうか。


会えるはずが会えなくて、会えないはずが巡り逢う

ガンジス河の流れのように懐深いインド


好奇心は止まらない