こちらの本を読んだ感想です。
「子どもは誰でも親へのわだかまりを持っている」
実家の断捨離は、この親へのわだかまりが一気に噴き出して
年老いた親の価値観、人生観と戦う大プロジェクト。
実家の断捨離には親子のバトルがもれなくついてくる。(笑)
まず、そもそも「実家は子どもが片付けるものなのか?」
「自分がやらなくては」と思い込んでいるだけではないか?
「何となく、とりあえず」を始点とする行動パターンは
自分の思い込みを疑わない、思考が停止した行動パターン
と書いてありました💦
「親の面倒を見るのは当たり前」という思い込みを疑わず、
「そうするしかない=自分には他の選択肢はない」と思って
「他人軸=世間体や常識」で行動した人の末路が書いてあり
とても参考になりました!
「親孝行」「長男の嫁」という価値観、思い込みに縛られて
本当はやりたくないことをやっていないか?
その選択と決断が自分を幸せにするのか?
何事もよく考えてみる必要があると思いました。
「親の家を何とかしたい」理由は色々あるけれど、
根底に「親に言うことを聞かせたい=コントロールしたい」
という欲求があることに気づこう。
実家の親に「断捨離をさせよう」とすることは
子どもの価値観の押し付けであり、
親を尊重していないことの表れであり、
「これまで母が自分してきたこと」への仕返しである。
と書いてありましたが、
実際に、著者自身も実家の片付けで母親とモメた時、
小さい頃から「でこ」と呼び捨てにされ、見下され、
傷つけられた怒りがあること。
子どもの頃から自分を尊重してくれなかった母親に対して
「謝ってほしい」「褒めてほしい」という思いがあった
と書いてありました。
実家の断捨離は「片付け」という形をとった、
母親の人生、価値観への介入、逆支配、報復でもあった。
モノの溜め込みは、そこが自分の縄張りであることの証。
だからこそ、親は子どもの断捨離の申し出を拒否する。
「実家とは、親の領域であり、実家にあるモノは親のモノ」
という意識を持って、余計な口出しはしないこと。
私たちは単に、親や夫、子どもに対する怒りや恨みを
相手のモノを捨てることで解消しようとしているだけなんだ
ということを自覚しておくといいと思いました。(笑)
また実家の断捨離をする前に、
自分たちの親子関係を理解しておくことが大事だと書いてありました。
①子ども自分の思い通りにコントロールしようとする親は、
子どもに対して、常に指示・命令的で、
自分が気に入らないことに関しては「ダメ」という。
子どもを使って、自分の自己重要感を満たそうとする。
②道具タイプの親は、子ども「だし」に使って、
自分が叶えられなかった夢を叶えようする。
自分を変えよう、新しいことをしようとする意識が低い。
③子離れタイプの親は、齢を重ねても「自分はこうしたい」
という希望が明確で、しっかりとした死生観を持っている。
①隷属タイプの子どもは、支配的な親に欲求を拒絶され、
「自分を認めてほしい」「尊重してほしい」と思っているが
自分を素直に表現することが苦手。
親が高齢になると、これまで満たされなかった欲求が
怒りとなって出やすくなる。
大人になると、親と同じように自分の思い通りにしたがる。
②従順タイプの子どもは、
親に「いい子ね」「えらいね」と褒められて、
親の承認を得るため、反抗せずに従順に育ったタイプ。
「~してあげている」が口癖で、
親=他人を道具にして、ヒーロー、ヒロイン気取りになる。
③親離れタイプの子どもは、
何でも「自分で考えて決める」ことが出来る。
親が望めば、出来る限りのサポートはするが、
親の選択と決断を尊重し、余計な口出しはしない。
この中で「親子バトル」が発生しないのは③タイプのみ。
実家の断捨離は「させる」「させられる」「してあげる」
「してくれない」という関係では決してうまくいかない。
「言葉」や「言い方」にはその人の気持ちが表れるので、
「させる」「してあげる」という言葉を使わないこと。
親への期待や責める意識を手放し、
命令・介入を止めるために、まず言葉を変えること。
親に「片付けて」「捨てて」と言わないことが
実家の断捨離を成功させるコツだと書いてありました。
そもそも断捨離を「やる」か「やらない」かは
その人の自由なので「やらない」という選択肢もありです。
親には親の「生き方」と「死に方」がある。
子には子の「生き方」と「死に方」がある。
家の片付けも
自分の喜びや快の感情を感じるためにするものなので、
「人に強制してはいけない」という言葉が心に響きました。