都市政策&マーケティング雑感&乳がん治療[TC療法ING] -8ページ目
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東南アジアの巨大SC

ここ数年、東南アジア都市では巨大SCの開店ラッシュが続いている。それがもっとも強く感じられるのはバンコクだ。去年は1月、9月、12月にバンコクに行った。去年の1月の前に行ったのがその2年前だったのだが、1月の時点で、サイアムエリアのディスカバリーに驚き、改装中のZENに関心を持ち、ゲイソンの変わりようにも驚いた。

そして、9月、新しいパラゴンの巨大さ、コンテンツの変容、バラエティ。そしてセントラルの日本的食品売り場。。。いやいや、こんなに変わるとは。。。


バンコクだけではない。マニラのマカティ地区のSCコンプレックス。ジャカルタのプレミアムブランドの品揃え、加えて、インドネシアの超リッチピーポーが普段着でヴィトンなどを購入している姿を見て驚いた。そして、シンガポール。。。オーチャードにはイオンという新しいSCが、建設中だし、ベイエリアにはビボシティなる心コンプレックスが誕生していた。


昨年12月23日付日経に特集があった。東南アジアで巨大SC続々誕生のなぞ。。。オイルマネーらしい。。。やはり、油を制するものは商売を制す。。。。え、東南アジアでオイルが出るのはインドネシアだけでしょう。。。そうなんです。中東マネーが東南アジアに流入し内需が拡大しているのだけれども、その流入の仕方が、まさに東南アジア的。


海外労働者からの送金で中東マネーが流れ込んでいるらしい。中東が好況だと、東南アジアから労働力となって流れ込む。そして、そのお金が還流し、内需を拡大する。そういう日本では想像できないような方程式がある。


マニラ市役所に仕事で寄ったときに見た風景が忘れられない。ある一角に若い人の行列。それは、海外労働の手続きコーナー。フィリピン政府は海外派遣労働を奨励している。一時期、いや今でも、フィリピン人女性の日本出稼ぎが多く見られたけれども、そのほとんどがダンサーとしての入国。でも、その数も日本のっ不景気とともに衰退。日本政府は将来介護の担い手として看護婦などの技術を持った人たちの労働を認める方策を打ち出したけど、そもそも言葉の問題もあるし、また受け入れ側の勝手都合による職域拡大なので、それが劇的に増えるかと言うとそうなるはずもなく。。。「大そもそも」日本を目指して出稼ぎしたいという人が減っている現状にあって、それは無理でしょ。景気の良い中東に行くでしょ。。。


また話がそれました。


バンコクは98年に大きな経済危機を体験した後、都心部のSCのほとんどが外資にわたった。イギリス、フランス、オランダ。。。これって、列強時代のインドシナ植民地獲得競争の顔ぶれ!!!その中にあって伊勢丹、東急など前から居た日本勢がどうにか持ちこたえている状態。


巨大SCバトルは、現代の植民地ビジネス戦争なのかもしれません。





LOOK!バンコク!東南アジア

 12月にバンコクでまちづくり・集客をテーマにしたワークショップを実施してきました。福岡市のまちづくり若手人材とともに、バンコクの街を歩き、様々な写真を撮って、それを元に日本人の視点とバンコクの人との視点の双方から「まちの魅力」を比較すると言うセッションを行ったのですが、やはり、両者には大きな価値観の違い文化的なるものの線引きの違いなどが大きく表れて、双方の集客交流産業、要はツーリスト誘致、さらにはおもてなし政策を考えていく上で、有意義なヒントを得ることが出来ました。このワークの報告は別途発表会や報告書で公開するので、ここでは、この程度の話にとどめおきますが、そのうち、また書いてみたいと思います。


 で、本題です。私はバンコク通ではないけれど、これまで7回ほどバンコクを訪れていて、この都市のすごさと可能性、そして利用価値の高さに着目していました。特に、福岡市にとって重要な都市だと。。。


 なぜなら、福岡市はアジアに開かれた拠点都市というキャッチフレーズで、アジアのゲートウエイを目指しているのですが、近年、アジア主要都市間の直行便が削減されるなど、その玄関口としての機能性の低下が危惧されていました。そんな中、バンコク間の直行便は増便し、人の行き来が頻繁になってきているからです。いや、そういったロジの問題よりも、バンコクという都市そのものが「世界都市」であることに大きな価値があります。バンコク空港を見たら一目瞭然なのですが、バンコクは世界中の人々、文化、宗教、食べ物、商品、情報、お金の行き来のハブ拠点になっています。同じシンガポールも世界都市ですが、近年、そのハブ性は、バンコクがシンガポールを凌駕しつつあるきがします。


 日本の都市は、アジアからの集客、アジアとの交流を考えるとき、すぐに中国韓国のことを思うきらいがあります。中国はそのマーケットの大きさと成長性を見ると、すごく当然なのですが、それはそれで完結した東アジアマーケットとして整理してもらって、本当にアジアを考えるのであれば、東南アジアをもっとみるべきだと思います。


 私は、東南アジアこそが、世界の中で「相対化されたアジア」ではないかと考えています。そして、世界の中で多分中国はアジアではなく、「単に中国」として認識されているのではないかと思っています。


 で、何を言いたいのかというと、東南アジアを通じて世界とつながろうよ。という都市政策を考えようということです。日本の都市、自治体政府が、世界に何を期待しているかというと、企業進出(雇用創出)とツーリスト増加(地場商業等振興)で、もっとも潜在的に欲しているのは裕福な西洋企業や西洋人の来訪誘致です(人権問題的には院コレクト名表現ではありませんが)。それを考えると、東南アジアで都市プロモーションをするのも1つの大きな戦略だと思うのです。多くの人が情報媒介者となり、世界中に散っていくのですから。


 ということで、脈絡なく書きましたが、要はルック東南アジアしてみよう、です。



日本は鎖国している?

 12月にタイとシンガポールを訪れて、行政関係の人たちとワークショップやヒアリング調査などで色々話した。そして、ずっと気になりだしていたことを尋ねた。「最近、日本の存在感下がってないですか?」初対面じゃなく、2度3度会って、ご飯何回も食べた人だから、正直に答えてくれた。「うん、少しプレゼンス下がっている。」

そうでしょう。そう思っていた。

 私は、地方の国際政策を研究してきた。んんで、最近、すごく日本国内の地方都市や地域が国際交流政策、特に姉妹都市交流関係を切り捨てる動きが大変目に付くようになってきている。お金がない、がその理由。でも、それって、人間関係ではありえないというか、信頼なくしてしまって、駄目でしょうが、みたいなこと。

 一方で、国際政策に積極になってきている国がある中国と韓国だ。シンガポールでお友達の役人ステファニーに聞いた。中国系だ。「日本のポップカルチャーはどお?音楽とか。人気があるの誰?」そしたら、「ううううううんん。今はコレアンかなあ。」日本では「日本における韓流ブームは去った」と思っている人が多い。しかし、違うのかもしれない。「韓国から日本マーケットは捨てられた。世界につながる東南アジアに主戦場を移した。そして、日本は亜マーケットになった。」のかも。

 プレゼンスの低下、マーケット魅力の低下、断言はできないけど、去年何度も東南アジアに行って、私はこれを感じた。そして、その原因としての、日本のドメスティック優先政策の存在。どげんとせんといかん。という重いから、初日のブログを書き出してみた。



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