阪急電車 | mizのブログ

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最近は平日休みという勤務ローテに入ったこともあって、
 
図書館というところにも顔を出すようになりました。
 
 
高校のとき、みんなで受験勉強しよう!なんつって、殆どしゃべくり倒して日が暮れてた夏の日を思い出します。
 
そのあと、仕事関係の調べ物をしようと来て以来だから、十数年ぶりですねぇ。
 
 
 
いやぁ、最近の図書館ってパソコンで在庫・貸出中の検索はもとより、予約なんていうシステムが
 
あるんですなぁ。
 
 
せっかくだから、そのシステムで何冊か借りてみよう、ってことで借りた本の中の一冊がこの
 
『阪急電車』(有川 浩 著)
イメージ 1
 
今度、中谷美紀・戸田恵梨香で映画化(4月下旬に全国ロードショー)とのことで、
 
映画の前に読んでおこうかな、ということで借りてみました。
 
 
物語はタイトル通り阪急線電車の駅ごとのショートストーリー。
 
(イメージ的に)メジャーな宝塚線や神戸線ではなく、それらをつなぐ今津線が舞台。
 
ここを舞台にしたのは、作者が学生時代にこの沿線に下宿していたからだそうで。
 
ショートストーリーだけど、少しずつ繋がり、というか、少しずつすれ違うように
 
繋がっている物語ですな。こういう展開の物語って結構好きです。
 
 
宝塚駅から物語は始まり、そこでは本好きで図書館通いをする男性が、その図書館でよく見かける
 
女性と恋に落ちる話。
 
 
次の宝塚南口駅では、恋に落ちる二人のそばにいた、同僚に恋人を寝取られ、その結婚式に
 
出席したOLのお話。
 
 
逆瀬川駅では、冒頭の恋に落ちた二人が電車を下りてのやりとりを、微笑ましく見守る孫娘を連れた
 
おばあさんが、寝取られOLと交差する。
 
 
小林駅では、寝取られOLがアタマを冷やすために途中下車。そこでのさまざまなふれあいの中で、
 
気持ちの変化が現れる。
 
 
仁川駅では、すれちがった寝取られOLについて話をしていたバカップル。しかし、話が進むにつれ、
 
彼氏の様子も変わってきて……
 
 
甲東園駅。怒り心頭で仁川で降り阪神競馬場へ行ってしまった彼氏について、いろいろと考える
 
バカップルの彼女;ミサ。そんな中で、乗り合わせた女子高生たちのやりとりについて、自分の
 
アホさ加減に気づく。
 
 
門戸厄神駅では、大学生・圭一のお話。どうやら同じ大学らしい女性と隣り合わせになり、恋に落ちる。
 
そしてとりあえずの終点・西宮北口駅では、寝取られOL・バカップルの彼女・大学生圭一と同級生、
 
それぞれの思いに触れる。
 
そして物語は折り返して宝塚駅に向かう。
 
 
 
“とりあえずの終点”というのは、路線の名前にもなっている今津駅がホントの終点。今津駅は西宮北口駅
 
を過ぎて、阪神国道駅を経て着く駅です。と言っても、西宮北口駅で神戸本線と連絡するので、まぁ、
 
事実上西宮北口駅が終点でいいんじゃね、ってことですな。
 
 
 
こんな感じのライトストーリーが展開されて、非常に読みやすいし、あっという間に読めてしまう。
 
でも読後は、爽やかな清涼感というか、スッキリ感を得られますな。
 
 
ア○ゾンの批評なんかをみると、「阪急でなくともJRでもいいんじゃない」とか「都市部で見ず知らずの
 
人と会話なんてありえない」っていうトンチンカンな批評もありましたが、そういうことじゃないんだよね。
 
逆にいえば、今そういう世知辛い、夢のない、利己的な世の中にあって、こうした物語を読むことで、
 
心を暖かくする、ということがいいのではないでしょうか。いわばヒーリングとも言えますかね。
 
 
物語の中にも、ぶつかって来て転んでしまっても介抱どころか声もかけようとしないサラリーマンや、
 
無邪気な幼い子の一言に、向きになって攻撃するオバサンなど、現代社会を象徴するような利己的で
 
謙虚さを忘れた者も登場します。それらがやりこめられることで、一種のカタルシスを得られるのでは
 
ないかな。
 
 
 
確かに、ライト過ぎて印象に残らない、というところも否定はしませんが、個人的にはすごくハートフルな
 
味わいのある物語でした。
 
 
これがどんな映像になるか、ちょっと楽しみです。