最近ちょいとご無沙汰だった試写会が連続して当たりまして。しかも開催日も連続で。
連続して17時即退勤ってのはツライところで、さらにいうとここ数日間は風邪で体調も悪い……
でも、しっかり行ってきましたよ。
まずは一つめ、
| 『誰も守ってくれない』 |

映画の冒頭、この作品の主題である「加害者家族の保護」についてスーパーが出てくる。
で、オープニングソングが流れている間に、幸せそうな生活を送っていた家族に、その家族の一員が
警察に確保されるところまでがセリフ無しで流れる。
長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕された船村家には大勢の報道陣と野次馬、
これを抑える警察がとりまいていた
家の中には、放心状態の母親、うまく状況が飲み込めない父親、そして中学生の妹の三人が、
大勢の捜査員と役所職員が家族と共にいた。
家族をとりまく公務員たちが行うのは、非公式に存在する「保護マニュアル」に沿っての事務手続。
彼らは粛々と説明し、書類を作成させていく。
両親は一旦離婚し、すぐに結婚するがこのとき夫の船村姓ではなく妻の戸籍に入る。
中学生の妹;沙織は就学義務免除。さらに家族三人がバラバラに保護される。
沙織の担当になったのが、同じくらいの娘を持つ勝浦と若い三島。
家から出た勝浦と沙織を待ち受けたのは、報道陣のすさまじいフラッシュと怒号に似た質問。

これをなんとか切り抜けクルマに乗りこむも、パパラッチよろしくマスコミは追跡して車内の沙織に
カメラを向ける。
行こうとした沙織の親戚の家にも報道陣が詰めかけていたことから、急きょ勝浦のアパートへ。
そして友人の尾上令子のマンションへ身を隠す。
そんな中、沙織が恋人からの電話で、警察に保護されていたはずの母が自殺したことを聞き、
「警察は何やってたの!!」と勝浦を責める。勝浦は何も言い返せなかった。
さらに、勝浦自身が3年前に犯した失敗を突き止めた記者;梅本は尾上のマンションまで詰めかけ、
勝浦に「ご遺族は犯人の家族にも罪を償ってほしいと思ってる。死んで償えと思ってる」と責め立てるのだった。
マンションを出た二人が行きついた先は伊豆のとあるペンション。
実はこのペンションのオーナー夫婦が、3年前に勝浦が犯した失敗で幼い一人息子を失った“被害者遺族”。
行く宛のない勝浦がすがる思いで身を寄せたのがここだったが……
主人公の中学生の妹;沙織に、志田未来

うーん、15歳とはいえ芸歴8年選手だもんねぇ~。堂々としてるなぁ。
この映画、CX系なのでフジのいろんな番組に出て番宣してるの見たけど、
なんでも、監督さんは演技指導ってほとんどしなかった、と。ただ、回りの大人たちに
「そっけなくふるまえ」と指示したとか。そういう雰囲気での気持ちをそのまま演技に活かすこと
がねらいだったとか。いや~、監督さんも監督だけど、この子も凄いねぇ。15にして大女優か!?
保護担当となった刑事・勝浦に佐藤浩市

いやぁ、さすがですねぇ。カッコいいわ。勝浦の設定としては、過去の失敗に心にキズを持ち、
妻との間もさめきっているが、娘の仲立ちでなんとかつながっている、ってな感じ。
味があるよね。うん。
これじゃ、マークX欲しくなっちゃうよ(笑)
そのほかには、勝浦の後輩刑事;三島には松田龍平。勝浦の友人で二人をかくまう尾上には木村佳乃。
ペンションオーナーの本庄夫妻に、柳葉敏郎と石田ゆり子。勝浦の上司に佐野史郎。
記者;梅本に佐々木蔵之介。いやぁ、豪華ですねぇ~。
まず、画の撮り方について、それこそリハからカメラを回したりとか、手持ちカメラを多用したりとか、
緊迫感が伝わるような感じでしたね。時折入るスーパーの文字も印象深い。
そうした手法の中で、監督をはじめとする「踊る大捜査線」制作チームが、警察取材の中で温めてきた
テーマが今回の映画の主旨「加害者家族保護」。
実際に犯罪に関わったわけではないのに、共犯のように貶され、蔑まれ、罵られ……
そして、メディアの暴走。それに流され、それまで普通に接してきた近所の人や同級生、恋人まで変貌する。
そして、ネットの世界ではさらに加速して暴走する。、それは保護する勝浦の身の回りまでに及ぶ。
顔写真、本名、住所……すべてアップされてしまう。サイト管理者を抑えてもトカゲの尻尾切りの様に
後から後から情報が出てくる……。
本当にメディアの怖さってものを前面に出してますね。今の報道の在り方っていうのも問いかけて
いますよね。
そうそう、マスコミについて思ったのは、ワイドショーにしても報道番組にしても新聞にしても、
| カン違いヤロウが多い!! |
って思いましたね。
所詮は他人のやることを見聞きして伝えることが彼らの役割。それが、何をどう間違って教わってきた
のか、「オレの言葉は天の言葉だ!」と言わんばかりに取材する。思い入れ、というより思い込みに
よって、取材対象に暴言を浴びせるように。映画での佐々木蔵之介の目は鬼気迫るものがありましたね。
病的な、というか。
映画とは関係ないけど、先日初場所に入る前に、八百長疑惑で注目された力士が場所前稽古でイマイチ、
というニュースに対して、「星が買えたらいいのにね」的なコメントで相撲協会から抗議をもらった
番組があって、その当のコメンテーターは謝罪コメントを出したと思ったら、
続けて半ば逆ギレ気味に「責任取れってゆーなら辞める」的なことを言ってたことがありました。
あれこそマスコミ人のエゴの塊だと思うんですね。まさに傲慢中の傲慢というか。
何なんでしょうね、この方は自分を王様か大統領とでも思ってんでしょうか。
基本的に、アタクシはしたり顔で高飛車にモノ言う人は生理的に受け付けないのですが、
この人はもう見たくないですねぇ。やめてくれればよかったのに。
あ、話がそれた……
メディアの怖さ、ってゆーのは、もちろんこのネットの世界も含めて。恐ろしいなぁ、と思いますね。
加害者家族に近い人は持ってる情報量の多さは膨大ですから、ネットでは“ネ申”となっちゃうんでしょうね。
被害者家族はもちろん痛ましいし、怒りのぶつけどころは犯人であり、家族はもちろん関係する人は
同等に見てしまうかもしれない。特に殺人事件の場合はなおさらでしょう。
ただ、この映画で加害者家族も違った意味での苦痛を味わっている、ということがよく伝わってきました。
どちらが重いとか軽いとかの比較ではなく、遺された家族が生きていくことを自ら絶つほどの苦痛を
被害者家族も加害者家族も味わっている。

この映画を観て、確かに加害者家族の痛み・苦しみを理解することはできたけど、
実際に自分が被害者家族となったなら、柳葉扮するペンションオーナーの言葉ひとつひとつが、
ごく普通の心情だろうな、とは思います。
どんなに頭でわかっていても、どうしても割り切れない思いってのは、ある。
でも、遺された者は前に進まなければならない………せつないですね。
いろいろ考えさせられた映画でした。お金出して観てもいい!
あ、そうそう、24日の土曜にCX系で『誰も守れない』というドラマがあります。
これはこの映画の事件の4か月前、という設定。佐藤浩市&松田龍平のコンビが被害者保護を担当する、
という映画とは逆サイドの立場のお話。これも期待してます。