空から舞い落ちる脆く儚い白の花

それはとても冷たくて

それでいて何故か懐かしくて

来訪を告げる風に

ゆっくりと目を開けた


とうとう来てしまったのね


何かを探すように視線を迷わせ

切なげに空を見上げ

願いを唱えた君に

そっと雪の花をそえよう

それが私の勤めなのだから…


(君に出逢えてから この白と黒だけの世界が 鮮やかに色付いて見えたんだ。何でだろうね 分からないけれど)


止まった時を打ち砕くかのように

重く響く柱時計

夢は終わり現へと戻っていく


純白に染まる君のあたたかい手

対価はその身体

嗚呼 君も…君も雪になってしまう…


もう触れることさえ出来ない君に

そっと聞いてみる


"あなたは幸せでしたか?"


貴方はとても幸せそうな笑みを浮かべ

透明な雫を残し シロに消えていった。


残った小さな雫をそっと口に入れた

それは少しほろ苦く

それでいてとてもとても甘い

この身を溶かすほどに…


冷たく硬い生垣に閉ざされた氷の城は

優しい春風によって開かれた

空を切り裂くその塔は崩れ落ち

後に残るは ━━━。