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20080402

朝、イクタナルドで2時間作業。終日机仕事。19時半退社。恵比寿、リキッドルームへ。Riddim300号・オーバーヒート25周年記念・MUTEBEAT ONE NIGHT LIVE。午前様。NY。泥濘でインターネット。2時就寝。



●Riddim300号・オーバーヒート25周年記念・MUTEBEAT ONE NIGHT LIVE


ミュートビートに対する想いはたくさんあって、その辺の〝想い〟は、日本のポピュラー音楽史上最高の抵抗芸術作品である『ラヴァーズ・ロック』を通して、毛利嘉孝氏と萱野稔人氏の対談時に話をしたから、ここでは書かない。そこで何を書こうかと考えた時、このblogのノリ的に、かつてRiddimで連載されていた椎名謙介氏のあるエッセーについて、少し書こうかと。


確かヤン富田氏の音楽性を評していたと記憶するが、次のような意味の文章があったのを憶えている(アストロエイジの頃のような気がするから、92年前後だったと思う。ヤン氏の音楽は、以下に記すような事とは無縁の音楽だ、という話だったと記憶している)。


ミュージシャン志望の彼は、いつの日か好きな音楽だけで食っていけることを夢見ながら、コンビニのバイトで糊口を凌いでいた。「俺はコンビニでガムや飴玉を売るために毎日を生きているわけではない」と常に思っていた。けれども数年後、幸運にもバンドがブレイクし、スター街道を走り出すことになった彼。彼の作ったヒットソングがテレビコマーシャルで採用されるまでになった。「これでもうコンビニでお菓子を売る生活とはオサラバだ」と思った彼。けど、採用されたのはお菓子メーカーのテレビコマーシャルだ。結局彼の音楽活動は、売れても売れなくても、お菓子を売るためにあるのだ。


書いてて思ったけど、改めて興味深い。きちんと読み返したい。ひとつは、クリエイティブを志向する人が周辺的な労働に動員され、低賃金で資本の都合のいい様に使われてしまう構造があること(毛利嘉孝氏も指摘しているし、宮沢章夫氏なんかも『ノイズ文化論』か『地下文化論』で触れていた)。もうひとつは、クリエイティブを志向する人が、クリエイティブで身を立てることが出来たとしても、その時には結局、クリエイティブを志向する純粋な想いまでも、資本に絡めとられてしまうような構造があるということ。


こだまさんがMCで繰返していた、「日々の暮らしが大事」とは、こういう事との葛藤の日々をも意味するだろうし、僕の本作りのテーマである「抵抗」も同じ意味だ。※そう考えるとサヨコオトナラは、その問題を突き抜けてしまった、今一番かっこいいバンドだと、改めて思った。

20080401

朝、イクタナルドで1時間半作業。午前、会議。午後、来客。19時半退社。夜飯はサンバル。食後、NY。だるまちゃんとかみなりちゃん。泥濘。インターネット。23時就寝。明日はミュートビート。って書いている今の俺は、その感動の余韻に浸っているところ。

20080331

朝、泥濘で小一時間作業。終日机仕事。19時退社。夜飯はコロッケ、サラド、キムチ。食後、NY。注文の多い料理店。タンターンとやりたいもんだね。22時半就寝。

20080330

朝、イクタナルドで3時間作業。午、渋谷の国学院大学へ。日本有機農業研究会主催の「有機農業入門講座2008」を受講。夕、溝口のデパートメントストアでお出掛け帰りのツレと待合せ。買物ブギ。21時帰宅。キムチとびあ。食後、NY。サンバルを作成。干葡萄で酵母作り。泥濘へ移動。インターネット。0時半就寝。


有機農業入門講座2008


新規就農して4~5年ぐらいの農家の方3人(30~40歳)がパネラーとなり、有機農業で就農した動機から、就農準備(学校&金)、住居・田畑の見つけ方、収支状況、苦労話、将来の展望まで、たっぷり3時間話を聞けた。技術的な話あれこれに関しては、非常に具体的で参考になった点が多かったし、attitude的な話も興味深く、特に印象に残ったのは、「有機農業は環境にいいのか?」という質疑に対する応答だった。パネラー三者、ほぼ同じ内容の応答で、概ね以下のような感じだ。


どういう方法であれ農業は、自然に手を加えるという意味において、自然環境破壊から逃れられない。それを踏まえた上で、極力自分と自然環境への負荷が少ない、持続可能な農業を目指すのが、有機農業だと考えます。


かっこいいなぁー。自己批判の視点を持っているというか、「自然に生かされている」という身の程をわきまえた「謙虚さ」というか。そういう態度・姿勢で毎日を生きている人は、しびれるほどかっこいいのだよ。これが会社社会なら、「有機農業は環境に配慮した社会貢献活動です」の一言なんだろうけど。身の程をわきまえない、厚顔無恥なまでの自己肯定で金稼ぎに奔走するのが、会社というか、資本主義の原理というか。精神のバランスを崩す前に、今いるところから抜け出して、早く「かっこいい」の仲間入りをしたいもんだ。


精神のバランスと言えば・・・、例えばヤマサの営業担当や広報担当の気持ちは?「ヤマサ特選 有機丸大豆の吟選しょうゆ 」。知っている人は知っている有名な話だが、この醤油、有機なのは大豆だけ。醤油の精製過程で添加物を使用しているため、醤油としては有機ではない(これとは別に「ヤマサ特選有機しょうゆ」という本物の有機醤油もある)。HPには以下の説明が。


厳しい基準の有機栽培のもと、自然の力だけで育った有機大豆を丸ごと使いました。大豆のたんぱく質がしょうゆ独特な複雑なうま味を醸し出し、丸大豆に含まれる油脂分が優しさとまろやかさを生み出します。ヤマサ有機丸大豆の吟選しょうゆは、大豆を育てる土選びから始まりました。


確かに嘘は言っていない。大豆は有機なんだろうから。恐らく、ヤマサの営業やお客様窓口みたいなところの接客マニュアルには、「有機大豆を強調しまくって、醤油だけは絶対に有機と言ってはいけません。嘘になるから」みたいなことが書かれているんだろうけど。マクドナルドの食育しかり、自動車メーカーのエコエコ連呼しかり、会社というところは概ねどこも同じだ。





20080329

赤カブの芽が出る。朝、ナルドで3時間作業。午前、娘と品川へ。母と姉と待合せて午飯を食す。食後、母と姉に娘を託して一人帰宅。夕、ガストにて2時間作業。後にスーパーマーケットの天皇。夜飯はビッグボーイなるファミリーレストランでハンバーグ。21時帰宅。即NY。泥濘でテレビジョン。0時就寝。娘は埼玉で初のひとりお泊り。


● 列島直撃!春の嵐SP(テレビ朝日)


ワーキングプアの特集。ネットカフェで寝泊りを繰り返す24歳の日雇派遣労働者が、3日間仕事にありつくことができず、結果所持金が底をつき、極寒の冬の札幌で野宿生活を余儀なくされていた。正に命がけの野宿だ。なぜ24歳という若さで野宿生活者になったかと言えば、勤めていた半導体関係の職場での人間関係が上手く行かず、会社を辞めてしまい、それが理由で家族との折り合いが悪くなり、10ヶ月前に家出したのが切っ掛けとのこと。ジャーナリスト大谷昭宏が彼にインタビューをしていたが、彼自身「人付き合いが苦手」だと認めていた。そして番組終盤、ある種結論的に次のような意味のナレーションが入った。


「人間関係が上手く行かず悩む人は多いが、彼の間違いは、解決の努力をせずに、そこから逃げ出してしまったことだ」。


誰の人生にだって困難は必ず訪れるもの、逃げることは簡単だが、そこから逃げだせば、必ず後で自分へ返ってくる。困難には勇気を持って立ち向かうことが大切で、それを避けてきた24歳の彼が野宿者になってしまったということは、ある意味自業自得とも言えて、つまり、彼の野宿生活は自己責任という側面があるのだ・・・。                         

                               

この番組を見た視聴者の大半は、上記と似通った感想を持ったのではないか。駅のベンチで寒さを凌ぎながら横たわる彼の映像に、あんなナレーションが被されば、むしろそう思ってしまう方が自然とも言える。けど、だからこそ、敢えて言うが、


「困難な問題と向き合わずに逃げ出した彼は間違っている」、という事が、「彼が野宿者になってもしかたがない」という理由には、全くならない。


けれど、このことが分からない人もいる。というか多いと思う。特に70年代以降の公教育の洗礼を受けている真面目タイプの人は多いと思う。生田武志さんへのインタビューの時にも上がった話だが、自分の価値観に凝り固まった大人というのは本当に始末が悪くて、「野宿者は努力が足りない」とか、「野宿者は甘えているだけ」とか、平気でそういうことを言う。そういう浅はかな大人と、このテレ朝の番組内容は、はっきり言えば、同レベルだ。