
映画館に久しぶりに行きました、向かう時に、緊張で、ドキドキしたほどです。これだけは観なければ、と、「シン·ウルトラマン」への、扉を開いたというようなわけです。
正直な話、この映画を観終わって、私は戸惑っていました。この映画、原作のウルトラマンへの、オマージュに満ちあふれていて、ウルトラマンをリアルタイムで知っている者には、実に楽しい映画のはずなのです。楽屋オチのような部分もかなりある、そこは密かに、ニヤニヤしてしまった所もあるのです。ウルトラQのカイジュウが最初に出てきた時には、一人、拍手したくなった位です。ウルトラQと、このシン·ウルトラマンの世界線は、繋がっているというわけですね。嬉しくなります。
しかし、ウルトラマンに出てきた怪獣(この映画では、禍威獣、ですが)ネロンガ、ガボラ、ザラブ星人、メフィラス星人、あ、もちろん、知っている!のですが、原作のストーリーがまるで、浮かんでこない、すっかり忘れていることに、気づいて愕然としたわけです。50年も前の話、覚えていないのも、当たり前かもしれないですが、やはりこれに気付くと、何やらひどく寂しさを感じてしまうのでした。私の中で、ウルトラマンの怪獣たちは、静止画像として、存在し続けていたようなのでした。大体、子供の頃は、怪獣図鑑のたぐいは、よく見ていた気がします。スチール写真も、イラストのものも、ありました。怪獣の解剖図、なんてのもよくあって、これは、大伴昌司という、ビジュアルSFの先駆者の方の企画したものが、多かったのではないかと思います。
ともかく、私にとって、ウルトラマンの魅力は、ウルトラマン自身や敵の怪獣たちの造形力の凄さにこそあったのだと(ストーリーを覚えていない貧弱な頭の弁護として)、言いたいような気がしています。
ザラブ星人の出てきた回のストーリーは、まるで覚えていないのに、大きな竹のザルを使えば、あの顔は自分でも作れるかな?と、その当時、考えた事は、覚えているのです。メフィラス星人の回も、うっすらとしか覚えてはいない、ウルトラマン放映時には、マンガ版も、どこかに連載されていて、一峰大二氏のマンガの、この話の一部分は、よく覚えている‥‥‥。変な頭です。
ともかく、私の欠陥だらけの頭は、物語ではなく、モノとして、ウルトラマンの世界を記憶しているばかりなのでした。
なんだか、ひどく、大切なものを失ったのに気づいた気分になってしまいました、シン·ウルトラマンを観てこんな感想を抱いた人は、あまり、いないのかもしれません。