ええと、適当な画像がありませんでしたので。
 私の通っていた中学校には、体育館が2つありました。第1、第2と名付けられておりまして、傾斜地に作られた中学校の第1は一番下に、第2は一番上にありました。広さは第2が第1の三分の二位でしょうか。第2体育館というのは、補助的な施設であったわけです。全校集会は第1でやるけれど、学年集会は第2でやる、という感じですね。坂の一番上にあるわけなので、アクセスが大変悪い、ハジッコに追いやられている音楽室のさらに上なので、階段を上らなければたどり着けないところでした。
 ある冬の体育の授業があったときのこと。中1か中2か、そこは忘れました。何しろ、第2体育館は遠いですから、体操着に着替えて、そこに集まるのが、かなり、てんでバラバラになるのですが、友達のいない私は、その時、体育館に一番乗りしてしまったわけです。冬です、寒いです。体育館の真ん中あたりに、窓から、まるで暖かいフトンのような形で、陽が差し込んでいるのでした、私は反射的に、そこにうつ伏せに寝転んだ、陽の光は、柔らかな暖かみで、しばし私を包みました。
 すると入口から
 「ズルい!ヒトリジメ!」
 女の子の声がしました。
 「私達にも、あたらせて!」
 と言われても、ストーブじゃないんだし、陽のあたっている部分は、本当にフトン一枚位のスペースで、うつ伏せの大の字になっている私の身体で占められているわけです。女の子は、2人でした。この二人、どうするのかと思いきや、大の字の私の背中に、ベッタリと腰をおろした、つまり、二つのお尻が、私の背中に押し付けられたわけなのでして。
 この二人、クラスの中でも一番目と二番目に背の高い、だから、席も一番うしろの隣合わせで、いつも一緒にいる娘たちでした。背の高い、ということは、発育のよい、ということは、オシリだって、見事にプリプリしている、ということは、その双丘(?)が2セットも、背中に押し付けられるということは、
 重く痛いけれど、とても、キモチイイ!!!
 しかも、思春期の下半身は、こういう事にすぐに反応します。うつ伏せで股間が板の床の上に押し付けられている状態で、アソコが不覚にも元気になってしまったら?!
 キモチイイけれど、痛い!!!!!!!
 失礼。

 第2体育館の思い出をもう一つ。
放課後、ヤッパリ友達のいない私が、ポツリと教室でぼぅっ、としているところに、比較的仲の良いクラスメートの男子が1人、なんか神妙な顔つきで教室に入って来て、
 「おい、ちょっと一緒に来い、第2体育館。」
いきなりそういうのです。何?どういうシチュエーション?仲が悪いわけでもないから、一対一の果たし合いを申し込まれたというわけでもなさそうですし、理由のわからないまま、第2体育館に向かいました。入口につくと彼は無言で、左に回れと、あごで言う、そいつについて、体育館の外を回って、またしてもそいつは、体育館の中を、あごで指す、
 中をみますと、なんということでしょう!うら若き女性が、白いレオタードをまとって、体育館狭しと、跳んだりバク転したり、回ったりと、体操の床運動を演じていたのでした。
 テレビの、オリンピックでしか見たことがないような華麗な女性の体操を、自分の中学校のしかも、第2体育館で見ている!本当に夢のような出来事でした。
 この女性、その時、教育実習に来ていた女の人で、だから、大学生だったわけでしょう。体操部に入っていたのかどうなのか、それはわかりません。我が中学の許しを得て、一人で体操に興じていたのか、多分、こっそりと、でしょうね。思春期の少年がドッサリといる中学校で、レオタード姿で体操を披露する、なんぞということを、その頃の中学校でも、許可するとは思えません。
 多分、窓から眺めていた私たち男子2人は、股間をモッコリとさせていたはずです、ここの記憶は、ちょっとアイマイなのですが……。

 第2体育館、それは私にとって、いく分か、哀しくも、また、甘酸っぱい、少年の日の思い出が、詰まっている場所、なのでした。