きのう、時間があったので「ゴジラvsコング 新たなる帝国」を映画館で鑑賞いたしまして、少しばかりの感想を。
 画像ははるか昔の東宝映画版です。いやぁ、最近のCG技術は凄い、コングもゴジラも、その他の怪獣も、そのリアリティーはまさに巨大生物そのものです。しかし、映画を見ていて何か、しっくりこない、CGが精緻に怪獣たちを描き、動かせば動かすほど、私の中の怪獣観と何かかけ離れたものばかり感じてしまうのでした。これは、何だろう、と、考えたところ、この映画に出てくる怪獣たちは、精緻極まるCGの塊であるがゆえに、身体感覚を拒否しているのではないか、という点に想いをいたしてしまったわけなのです。前回の「ゴジラ-1.0」について書いたことの続きのような形になりますが。
 かつての日本映画のキグルミ怪獣を、懐古趣味的に良しとするわけではありませんが、日本のゴジラは「シン·ゴジラ」にしても、狂言師の野村萬斎氏の所作をCG化したり、「シン·ウルトラマン」では、初代ウルトラマンのスーツアクターの体型をCG化していたりと、生身の人間の身体感覚をCG映像に取り入れている、「ゴジラ-1.0」もまた、VFXという形でもって、生身の人間の作り出したモノと、それの破壊による喪失感、恐怖といったものを感じられた、それが、今回の「ゴジラvsコング」には、感じられないのですね。別にだからといって、本作をけなすつもりはないですが。
 で、唐突に思いましたのは、キグルミ怪獣映画というのは、能や狂言に通ずる、日本独自の作劇であるかもしれない、などと考えてみたのです。
 よく知らんのですが、能というものは、衣装や仮面や化粧によって、生身の人間が、幽玄なる別の世界の存在を演じるものである由。
 キグルミで動き回る事によって、それとよく似た感覚が、あるいは現出していたのではあるまいか?などとちょっと思った次第。いかがでしょうか?
 とにかく、「ゴジラvsコング 新たなる帝国」
なんか、違う、特にモスラは、そんなんじゃない!
 などと、思っているのですが、言葉が足りずに申し訳ないですが、この辺で。