いきなり、この折れ線グラフはなんぞや?というところなんですが、安いタバコ(エコーやわかば)の価格の推移表です。
 今日、自動販売機でコーヒーを買って、ふと、思った事。小銭がなくて、千円札を使いました。品物のボタンを押すと、すぐに残りの硬貨が、お釣りとして戻ってまいりました。そこで私は、オォ!この自販機、いいヤツジャン。そう思った、自販機に、いいヤツとか、ワルイヤツとかがあるのか?と、問われれば、私の基準では、あるのです。
 ならば、ワルイ自販機の場合、1000円札をいれるとどうなるかというと、品物を買っても、すぐにはお釣りを払い出さない、ホラホラ、まだ金は残ってるよ、まだ、何本も買えますよ、次のボタンを、押したらどう?
 と言わんばかりに、じっと待っている、お釣り返却レバーを使わない限り、ずっとそのままなやつ……。
 ま、まとめ買いしようと思って1000円入れて、すぐに払い出されたら、チ!と思うのでしょうが、自販機でまとめ買いというのは、あまりないのではないでしょうか?
 ですから、私の基準では、なにか一本買ったら、とりあえずすぐにお釣りを出してくれる自販機は、いいヤツ、だと言うことになるのですね。
 どうでもいい事です。しかし、私は、そこで、またどうでもいい記憶を呼び覚ましました。ここから、画像のタバコの価格推移の問題になりまして。
 私はビンボーな喫煙者ですから、一番安い「ECHO」というタバコを吸っていました。20本入り、一箱200円台の時まで、です。ある時、とあるコンビニで、このタバコを買い求めようと、レジのオバサンに「タバコ、エコーください。」と、声をかけた、すると、このオバサン、少しばかりの間を取ったあと、
 「エコー、と?」と、はっきりとノタマワッタのでした。このオバサン、髪の毛をショッキングピンクに染めて、コンビニのレジのバイトの他に、本職(?)は、某ガラス工房でガラス工芸を作っている芸術家、という、恐るべきヒトなのでした、とにかく、ひと筋縄ではいかないヒト。
 「エコー、と?」
 何だよ、一番安いタバコひとつだけ買うのが、イケナイのかよ、ああ~ああ~、どうせ私はビンボーニンですよ、私の脳裏をそんないじけた想いが、渦巻いたわけです。このオバサンの最後の「と」が私の心に深く突き刺さったのでした。
 -一番安いタバコ一個ばっかり買って帰ろうとするんじゃねぇよ、この、ビンボー人が!
 「と」が、私には確かにそういう意味あいを含んで聞こえました。
 次にまた、同じシークエンスがあった時、私は、
 「タバコ、エコー、一個だけ、ください!」と、ハッキリ言いました。
 すると くだんのオバサン、エコーを一個だけ取るのがよっぽど嫌ならしく、タバコの棚から二個取ろうとしてアタフタしておりました。私になにか恨みでもあるのでしょうか?
 このような事もあれば、また別の「と」もある。これまた、レジのオバサンの話なのですが、閉店したスーパーのレジ係から、別のコンビニに移っていた方の話。スーパーの頃から、このヒトはタダモノではないと、良い意味で思っていたヒトなのですが、コンビニに移っても゙、やはり、一味違う、もうずうっと、
 ―ただいま、オデン、温まって、美味しくなっております 今日は唐揚げ 2本で 20円引きと お得になっております 
 ずっと、これをやっていて、途切れることがない、商売熱心の鑑、とでも言うべき女性です。いつ行っても、この人がいる時は、このセールストークの声が店内に流れっぱなし。そこで私は、何を買ったか忘れましたがレジに品物を持って行って、その方にやはり
 「ナニナニひとつ、お買い上げですね。と、」と言われた、ついついその「と」に乗せられて、
 -あ、じゃあ、フランクフルトも゙。
 買う気もなかった品をもう一品、ごく自然に買ってしまったのでした。
 同じ、たった一文字の「と」でも、使う人の心構えでまるっきり正反対の効果を人に与えるのだ、という、よくわからん話でした。
 私は、最初の表の、エコーがガッと、値上がりした時点で、エコーを買うのはやめました。

 タバコは、やめていませんので、念の為。