守屋山は、南アルプス、あるいは赤石山脈のほぼ北端に位置する山で、一般的には、諏訪大社の神体山だとも言われている山であります。が、私など、いつ見ても、どこが守屋山なのか、はっきりとわからない有り様で、何ゆえに、この山が、神体山たり得ているのか、これも、よくわからないわけでして。最も、諏訪大社の公式見解では、守屋山は、大社の御神体ではない、とされています。諏訪大社には、拝殿はあっても、本殿がなく、これは、三輪山を御神体とする大神神社と同じである、という解説をいろんな本で見かけるのですが、そうすると、本殿の代わりの御神体として、後方の守屋山が、引っ張り出されて来ている、という感じでしょうか?にしても、美しい独立峰の姿を見せる三輪山と、赤石山脈の端っこで、一番高い部分という他ないような、守屋山では、あまりに違いが大きすぎるような気がします。
 しかし、この守屋山、位置的に見れば、大変な存在で、大体、赤石山脈というのは、太平洋側のフィリピンプレートが潜り込んだことによる隆起の連なりということで、ザックリいいますが、中央構造線と、糸魚川静岡構造線に挟まれている。その北端ということになると、この2つの大断層が交わる所に存在しているとも言えるわけで。
 活断層上に主要な神社(パワースポット)が存在する、という話は、都市伝説的によく言われる事です。常識的に考えれば、活断層の近くにまず、古代の道はでき、そこに古い神社が建てられるのだろうとは思いますが、そう言っては面白くない。活断層からは、電磁波等が発せられていて、その影響で幻覚を見た人が、神の啓示を受けたとかなにかで、そこに神社を作った、という方が、面白い、物事は、面白い方が、良いではないですか?
 活断層上に、古い遺跡が集中するといえば、本場はイギリスでしょうか?ここには、古くは、ドルイド教という宗教の施設があったものが、ほとんどキリスト教の教会に変えられている、という話があります。たまたま、去年、東京で板前をやったあと、イギリスのストーン・ヘンジのような遺跡を旅して廻った、という人に出会いまして、そこら辺の話を持ち出して見たら、確かに、ドルイド教の施設の近くには、キリスト教の教会がある、それは、古い宗教から、キリスト教に改宗させるためのものである、という話を聞きまして、古い宗教が封印されているのでは、と、都市伝説的な妄想をしていた私は、ちょっと冷めました。
 とにかく、守屋山は、その姿ではなく、その位置にこそ、重要性があるのだ、というところで。

    続く