2020年の夏季オリンピックの東京開催が決定しました。
決定は日本時間の5時過ぎでしたが、朝早く目が覚めたので、決定の様子を生で見てしまいました。
特別オリンピックに思い入れがあるわけではないのですが、やはり東京開催の決定はうれしいものです。
序盤は、イスラム圏初となるイスタンブールが有利とみられていましたが、6月のデモ対策を誤って失速し、最終的には隣国のシリアの情勢悪化が響いた気がします。
マドリードが一回目の投票でイスタンブールに敗退したのは意外な気がしましたが、財政的な問題が響いたようです。
東京も終盤にきて、福島原発汚染水流出の影響が心配されましたが、終わってみれば、60票対36票の大差で勝利し、産経新聞ネット版 は安倍総理の演説が決め手になったとするロイター通信の報道を紹介していました。
9月7日付の福井新聞も、安倍総理の意気込みを伝えています。
記事によると、東京が落選した場合の政権運営への影響を懸念して、総会出席への慎重論も強かったようですが、「出席せずに負ければ後悔すると」、首相が自ら押し切ったということです。
また、日本にいるとよく分からないのですが、現地での福島原発の汚染水流出への懸念は深刻だったようです。
ある競技団体の幹部は「逆風は想像以上。スピーチに全ての命運がかかっている。」と漏らし、IOC委員も、「東京は難しい立場。首相がどんなデータを使って説得力のある話をするのかに注目している。」と語っています。
悪評だったのは招致委員会が現地時間4日に開いた記者会見で、想定問答通りの「東京は安全」を繰り返し、海外メディアから説明が不十分だと不満が相次いだとのことです。
やはり、情報公開の必要性を感じるとともに、日本政府が外圧に弱いのは相変わらずだという気がします。
汚染水流出問題も、発覚するのは8月21日ですが、安倍総理が「東電任せにせず、政府が前面に立ち、解決にあたる」と発表するのは9月3日になってからです。
9月4日の福井新聞によると、「五輪の招致活動への悪影響も懸念されることから、安全性をアピールしたい狙いもある」と解説していました。
個人的には、民主党政権も含めて日本政府の福島原発の取り組み方には不満を持っていたので、オリンピック招致が影響したのであれば、それはそれでよかった気がします。
とはいえ、原発報道に麻痺してきたのか、汚染水の問題はやっぱりといった感じで、正直なところ、海外ほど深刻に受け止めていなかったことも自覚しています。
改めて、安倍総理の発言通り、日本政府が責任をもって事態の対処にあたってほしいと思います。
ともあれ、今回の安倍総理のスピーチが決め手になったことは間違いないようで、G20も含めて、安倍総理の外交戦略は高く評価されてよいと思います。
G20では、プーチン大統領やオバマ大統領とは首脳会談を行い、中国国家主席や韓国大統領とは立ち話を行えており、パフォーマンスとしては上々だった気がします。
特に、当初予定されていなかった日米首脳会談ですが、シリア問題が急浮上し、オバマ大統領側から会談が持ちかけられたように見えることは大きいと思います。
なんとなく日本軽視に見えていたオバマ氏ですが、シリア問題はよほど苦しいと見え、個人的には、安倍総理がどこまで譲歩を引き出せたかが気になるところです。
それもこれも、日本がロシアとの関係を強めてプーチン大統領との首脳会談をセッティングしていたことが良い方向に働いたと見え、日本外交の勝利と考えてよい気がします。
中国や韓国に対しても、今のところ日本側に大きな弱みがあるわけでもなく、基本的にこの姿勢で良いのではないかという気がします。
特に五輪招致を勝ち取ったことで国際的な発信力が強まるとともに、今後7年間の経済成長が見込まれ、国民からの高い支持も期待できます。
日本政府としてはこの状況をうまく活用して、中国や韓国の不当と思えるような主張に対しては、その状況を冷静に国際的に訴える期間にできるような気がします。
正直、この状況を有利に生せるかは、安倍総理の手腕が試されることころだと思っており、戦略的な国際発信を期待したいところです。
いずれにしても7年後の夏が楽しみではありますが、田舎は普段と変わらず過ごしやすいであろうとは思うのでした。
北陸新幹線の福井開通は前倒しにはならないでしょうし・・・。