創世記19章には、これから滅ぼされるソドムに住むロトが、
外から来た来客=御使達=神からの伝達をするメッセンジャーですが、その人達を家に招き入れ食事と宿を与える親切を施します。
ここまでは、神の意図に叶うトーヴな行為です。
これは、ロトはアブラハムを見て、アブラハムが神から伝えられたトラーの真実を生きていた事を真似ているトーヴな行為です。真似ているけど、その親切の真意、中身までは身についていない。
ここからロトの家に起きる事件で、ロトはとんでもない歪んだ親切を施そうとしてしまいます。
このソドムでは、人を親切になんて取り扱わない。
人から搾取、剥奪することは当たり前の世界です。
誰一人正しい人が居ない町だと、神がアブラハムに言われた通りの世界だったからです。そんな中で、ロトが見知らぬ旅人に親切にしている事がその町の人の間では、気に入らない行為と映る。
老いも若きも、町の人達がこぞってこの家に意義を唱える暴動とも言える行為を行いに来ます。
創世記19:7
言った、「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。
19:8 わたしにまだ男を知らない娘がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし出しますから、好きなようにしてください。ただ、わたしの屋根の下にはいったこの人たちには、何もしないでください」。
なんと言う、トンチンカンな事、壊れた親切の形を提供しようとしたのでしょう。
家族以外の外部の人たちへの親切の形と、身内に対してのひどく
壊れた、歪んだ仕打ちを施そうとしたロトのズレが記されています。
来客の身の安全を守るために、自分の二人の娘を差し出して、
好きな様にしてくださいとその戸口に来た人達に言ったのです。
正気?とんでもない父親です。
ロトは何より、娘たちを命がけで守らなくてはならなかったのに、その暴動を起こしに来た人達に平気で自分の娘を差し出そうとしたのです。
考えたらトンデモない行為、自分の娘たちに対して、父親としてどれだけ無責任な裏切り行為であり、娘たちにとっては、こんな父親信頼するのに値しない不信感を抱いてしまうでしょう。
ロトの内側に潜んでいた歪みやひずみはその後の出来事の中でも
表されています。
家族を超えた、外側の人達を助けるために、自分の大事な家族、子供達を犠牲にする行為をしています。
この行為は、その後ロトが娘たちに産ませた二人の子、モアブ人、”ケモシュ”に、アンモン人は、モレク神に”子供を生贄”として捧げる様なおぞましい行為にも繋がっているのです。
こんな度合いのズレに至らなくても、これは人が日常陥ってしまう過ちでもあります。歪んだ親切、歪んだ愛の形を行う事。
境界線を超えた神の言葉に基づく”分別”区別”の無い愛を
施す事。
又は夫婦間だけのプライベートな限定された愛と、外側に対する
博愛とは別種の愛。それを混同するから、破壊をもたらす。
健全な愛、神の愛の定義、デザインには境界線がはっきり
設けられています。レビ記18章
家族を守らなくてはならない、何より大事にしなくてはならないのに、外側の人達への気遣いを優先するために、家族への責任、保護を捨て、ないがしろにし、また犠牲にする事へ対しての警告でもあります。これは歪んだ愛の形であり、神の目からはズレています。
外側に先に目を向けたら、優先順位が狂い、家族間の不和、
歪みが生じる。家族の中に不満と不信が生まれる。
何より自分、夫婦、家族を神の意図通りに守り、大事にして、
初めて外側の世界の人達、近所、地域、そして国へと、親切、恵を分かち合う、真実な助けの手をのべる行為が浸透して行く事
が出来るのに、始めの部分、自分、夫婦間、家族をないがしろ、おろそかにし、捨てたて行為で、外側に意識をまず向けたらそれは、破壊に繋がる要因になるのです。
人の生きる上での破壊は、関係の中の破壊、ズレは、個人から、夫婦から、家族から始まる。
まずは神との関係。向き合い方がずれるためのズレ。
パートナーとの、家族との亀裂、分裂、崩壊からスタート。
”自分を愛する様に、隣人を愛する”とは、神の意図通り自分を愛する事をしないなら、他者は愛せない。自分を愛せないのに隣人も愛せるわけがない。隣人も健全な愛で愛する事は出来ませんと言う事です。そして、兄弟を健全な形の愛で愛さないなら、神も愛せない。全部繋がっています。
神を愛する者は、兄弟を愛するべきとは、それが神の造られた
人間のエッセンス、デザインだから。
聖書の始めを見ても、歪み、ズレはお互いの関係の中に潜んで
来る警告が書かれています。神の言われることを無視したら、
違うことをしたら、必ず見えない形でも歪み、ズレ、破壊が
起こって来るのです。
神のデザインに反する行為をすること。神に造られたエッセンスに沿わない生き方を取り入れる事、それは、歪み、破壊、ズレを
もたらす行為。だから、それらをしてはダメなのだとは
当然の事なのです。
続く