

by Col Johnston
使途12章
4)ヘロデはペテロを捕らえて牢にいれ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。それは、過越しの祭りの後に、民の前に引き出す考えであったからである。
5)こうしてペテロは牢に閉じ込められていた。教会は彼のために、神に熱心に祈り続けていた。
6)ところでヘロデが彼を引き出そうとしていた日の前夜、ペテロは二本の鎖につながれて二人の兵士の間で寝ており、戸口には番兵たちが牢を監視していた。
7)すると突然、主の御使いが現れ、光が牢を照らした。御使いはペテロのわき腹をたたいて彼を起こし、「急いで立ち上がりなさい。」と言った。すると、鎖が彼の手から落ちた。
8)そして御使いが、「帯をしめて、くつをはきなさい。」と言うので、彼はそのとおりにした。すると、「上着を着て、私について来なさい。」と言った。
9)そこで、外に出て、御使いについて行った。彼には御使いのしている事が現実だとはわからず、幻を見ているのだと思われた。
10)彼らが、第一、第二の衛所を通り、町に通じる鉄の門まで来ると、門がひとりでに開いた。そこで、彼らは外に出て、ある通りを進んでいくと、御使いは、たちまち彼を離れた。
11)そのとき、ペテロはわれに返って言った。「今、確かにわかった。主は御使いを使わして、ヘロデの手から、また、ユダヤ人たちが待ち構えていたすべての災いから、私を救い出してくださったのだ。」
12)こうとわかったので、ペテロは、マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家へ行った。そこには大勢の人が集まって、祈っていた。
13)彼が入り口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。
14)ところが、ペテロの声だとわかると、喜びのあまり門をあけもしないで、奥へ駆け込み、ペテロが門の外に立っていることをみなに知らせた。
15)彼らは、「あなたは気が狂っているのだ。」と言ったが、彼女はほんとうだと言い張った。そこで彼らは、「それは彼の御使いだ。」と言っていた。
16)しかし、ペテロはたたき続けていた。彼らが門をあけると、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。
17)しかし彼は、手ぶりで彼らを静かにさせ、主がどのようにして牢から救い出してくださったかを、彼らに話して聞かせた。それから、「このことをヤコブと兄弟たちに知らせてください。」と言って、ほかの所へ出て行った。