フィービーを購入してから、私はヨシヨシと一緒に主人を職場に送迎する毎日が始まりました。
当時、夜勤を敬遠した主人はその年の初めから、夜勤のない某携帯電話の請負会社のカスタマーオフィサーとして働きだしていました。
しかし、ステップアップしたかった主人は、請負会社ではなく直の会社で働きたいという思いが強くなり、私達の住む町から車で4時間ほど南に下った所にある町まで、仕事の面接に行くことを決意したのです。
私達の住む町の近く(といっても高速を飛ばして30分)の所にも同じ会社のオフィスはあったのですが、その当時雇用を募集していたのは、遠く離れた町のオフィスだけでした。
ということは、主人がもしその面接に受かってしまったら、私達家族はこのオレンジハウスのある町から、また全く未知の町へと引っ越すことを意味しているということです。
主人は、私がオレンジハウスから出たがっていることを知っていたので、これがこの家を出るための良い機会だと思ったようです。
でもその時、お腹の中に第二子となるエリエリが宿っていた私は、その話を聞いて少し困惑してしまいました。
というのも、オレンジハウスを出たかったのは山々ですが、この町から誰も知る人のいない、遠く離れたまた別の町に引っ越すことに少し不安があったからです。
ですが、主人のワクワクしている姿を目の当たりにしていると、否定的なことを言えるはずもありません。
ただ、「その会社の面接が、近くの町のオフィスのだったら良かったのにな~」、みたいな事は言ったかと思います。
まあ、受かるか受からないかは面接してみなければ分かりません。
全ては受かってからの話です。
心配するのはその後からにしよう、と思う私がそこにはいました。