産婦人科の入り口(その日は土曜日だったので厳密には裏口)に辿り着いた私は、そのまま玄関にヘニョヘニョと倒れ込んでしまいました。
もう、お腹が痛くて、とても立っていられる状態ではなかったからです。
その時、主人がおぼつかない日本語で、「スミマセーン」と大声で看護師さんを呼んでくれました。
そして、その声を聞きつけた看護師(助産師)さんが、すぐに車椅子とともに現れ、私を乗せてエレベーターで二階にある分娩室へと向かってくれました。
程なくして分娩室に入って来た先生は、思ったより早く私の陣痛が始まったことに少し驚いていたようでした(だって、前日の診察時には何の兆候もなかったのですから...)。
私も出産するのは、2週間後くらいと思っていて、「ヒ、ヒ、フー。ヒ、ヒ、フー」の練習は、この二週間の母親学級でやれるだろう、なんてのんきに構えていたため、そんな呼吸法なんて知らぬも同然でした。
しかし、そんなことは何とかなる訳で...。
両足をベッドの脇にあるペダルのような台に乗せ、長男ヨシヨシを産む準備が整いました。
横には、不安そうな面持ちで私を見守る主人が座っています。
さあ、いよいよ出産開始です。
