次の日、ホテルに迎えに来たガイドさんは、昨日と別の人でした。
そのガイドさんにも、母が車の中で同じような事を話している間に、空港近くのホリデイイン
に着いてしまいました。
ガイドさんは、2日後に母を迎えに来ますからと言って、去って行きました。
さて、ホテルで一息つきながら、私達は、その日どのように過ごすか、旅のガイドブックを開いて見ていたら、カサロマの邸宅
の部分が目に入ってきました。
そう言えば、この邸宅、A子ちゃんも時間があったら行ってみたいと言っていたけど、結局、行かずに終わってしまった場所だったっけ...と、頭をよぎったのです。
そして、前回行けなかったこの邸宅に、母と一緒に行ってみる事にしました。
お屋敷は、贅に贅を極めた豪華な建物でした。
こんな大きなお屋敷に、ヘンリー夫妻が短い間、二人だけで住んでいたと言うのですから(私の記憶違いでなければ)、色んな意味で悲しく思ってしまいました。
それから、このお屋敷の階段の横の壁に飾られていた、一枚の絵画に私たちの目が留まりました。
それは、ネイティブカナディアンの酋長らしき男性の、怒りと憎しみに満ちた表情と、その感情を表しているかのように、背景が炎のように赤く染められた一枚の絵でした。
母が、その絵を見た途端、その絵の人物の感情のような物が、母の中に入って来たらしく、帰国後も暫くの間、その絵の酋長の霊に苦しめられたそうです。
でも、その酋長の霊にカナダに帰ってもらうよう、神様に祈り続けているうちに(イエス様の血をその霊に降り注ぎながら)、徐々にその怒りと憎しみに燃えた霊が、母から出て行ったと言う事でした。
今回は、私ではなく母の方に嫌な話ですが、霊がくっついて来てしまったようです。
なので、カサロマで一番印象に残っているのは、あの怒りに燃えるネイティブカナディアン酋長の一枚の絵、と言えるでしょう。