家の長男ヨシヨシを見ていると、弟エリエリに対する競争心(=嫉妬心)が激しいのがよーく分かります。
エリエリが最初に持って遊んでいた玩具を取り上げて、自分の物にしてしまったり、二人で駆けっこをしていて自分が負けそうになると、弟の服をつかんで転ばせて、是が非でも自分が何時も先で勝たなければ気がすまないのです。
人の前に出ると、猫をかぶったように静かになってしまうのに、家族の前では正反対(内弁慶)もいいところです。
二年先に生まれたヨシヨシにとっては、エリエリが生まれた事によって、それまで独り占めしてきた両親や玩具、そして全ての注目が半分になってしまったので、きっと面白くないのでしょう。
何となく分からないでもないですが、親としては、兄弟二人仲良くしてもらいたい訳で...。
そんな彼等を見ていると、私の幼い頃の記憶が蘇って来るのです。
私には三つ年上の兄がいて、子供の頃良く慕っていたのですが、兄にとって私はきっと、うっとうしい存在だったのではないでしょうか。
それが良く分かる思い出が一つあります。
ある日、私は家の庭で一人遊んでいました。
庭に面するガラス窓は開け放たれていて、兄がストーブの前に座っていました。
ふと見ると、手には私のお気に入りのパンダちゃんの縫いぐるみが、握られています。
そして、兄は私の見ている前で、その私の分身とも言えるパンダちゃんの後頭部をストーブの火
にあぶっているではありませんか。
それを見た私は、
「お兄ちゃん、ヤメテー 私のパンダちゃん
、焼かないデー
」
と叫びながら、急いでパンダちゃんを兄から取り返した覚えがあります。
可愛そうに、パンダちゃんの頭の後ろは、無残にも茶色く焦げていました。
あの時は、どうして私のパンダちゃんを兄がストーブに当てていたのか分かりませんでしたが、今になってみて理解できるような気がします。
あれは私を焼けない代わりに、私のお気に入りの物を焼くととによって、兄は自分の憂さを晴らそうとしていたのではないでしょうか。
最初に生まれた子供がみんなそうとは限らないと思いますが、結構沢山の最初に生まれた人たちが、内心こういう思いを抱いているのかもしれないと、特にヨシヨシを見るたびに思ってしまう今日この頃です。