今日は私の恐怖体験談を一つ。
その頃、私はまだ母と添い寝をしていて、お化けとか幽霊の存在すらもはっきりしない、2歳の幼い子供でした。
私が昔住んでいた家の台所と居間の間には、渡り板が置かれていて、そのわたり板を毎晩夜中の2時になると(必ず居間に置かれた柱時計がボーン、ボーンと鳴ると)、台所と居間に架けられている渡り板を笑いながら走る、きれいな甲高い女性の声が聞こえてきたものでした。
それがいつまで続いたかは、今となってははっきり覚えていませんが、私が小学2年の時に、台所と居間の間に新しい部屋を作ってからは、その笑い声は完全にしなくなりました。
しかし、その声が聞こえ出すと、怖くて布団の中で耳をふさいでいたのを覚えています。
私は家族みんなが、あの笑い声を聞いていたものと思っていたのですが、そうではなかったようです。
あとで母から聞いた話ですが、その家の前の持ち主夫婦が、とてもこの家を気に入っていたようですが、ある事情で手放さなくてはならなくなったそうです。
二人はそこで食堂を営んでいて、奥さんは甲高い声の持ち主で、よく笑いながら渡り板を小走りしていたようです。
今思うと、その奥さんの霊が夜な夜な現れていたのではないかと思います。