3月25日の記事です。
ドイツ人の無名の音楽家のような静かなコンサートでした。グレイのスーツと特注のグランドピアノが2台、スクリーンに映し出される静かな風景と不可解なグラフィックだけがそこに在るという、とてもシンプルな舞台です。
確かにここは日本で彼は日本人である訳だけど、決してここは日本ではありえないようなシチュエーションが目の前に広がっています。
そして、白髪のちょっと雰囲気のある老人が静かにピアノを弾いてゆく・・・といったような・・・。
out of noise/坂本龍一
01: hibari
02: hwit
03: still life
04: in the red
05: tama
06: nostalgia
07: firewater
08: disko
09: ice
10: glacier
11: to stanford -pf ver.-
12: composition 0919
このアルバムは、本人いわく、ここ5年間の出会ったことや旅の記憶、つぶやきの集大成。まるで生け花をやってるような感覚での新しい体験。
実際に本人が北極圏に出向き、氷が融ける音、波間をたゆたう音、絶えず曇っているような空と、ゆっくりと移ろいゆく景色、流氷のゆくえ・・・等の音を録音して、ピアノで音を組み立てたようです。
とても静かな旋律であっても氷がゆらめいてゆく、少し震えるような旋律の繰り返しがとてもキレイでした。
きっと、この日はずっと曇り空で一日中流氷がゆらりゆらりと流れてゆく様子を再現したんだろうなぁ・・・なんていう旋律もあって、弾く側も聞く側もとても忍耐感を強いられる、少し長く、気だるそうな曲もありました。
また、タイトルは忘れましたけれど、20年前コマーシャルのために作った曲も、最近の本人のお気に入りということで再現されました。アレンジは変われども、イメージは生け花を彷彿させるようにとても凛として簡素で優しい。そのころから少しずつ今のような古典的な旋律の構築があったようです。
そして、こんなサプライズな演出も!
写真OKでした!
“皆さん、携帯、デジカメの電源をonにして下さいね!youtubeにどんどん流して~” なんてコーナーも一曲だけ設けてありました。
今回は全てのコンサートをネット配信するため、変化が必要なので、曲順もその場の雰囲気で選択していました。“意外と僕の曲は三拍子が多いんだよ”ということで、三拍子特集が続きました。
千のナイフ
このアルバムが私は一番好きです!革命前夜のファシズムの少年の世界観でしょうか。
アンコールは2台のピアノを使った“千のナイフ”です。自身の予め録音した音との連弾です。この曲はとても民族的な旋律で構成されていますが、平行移動する和音のいかがわしさと、ナイフが跳ねるようなちょっと危険なリズムの小気味よさが好きです。
今回はアルバムを聴かずに臨んだコンサートでしたが、いつもながら完成度が高く素敵なピアノ演奏に酔わされました。
↑面白そうだったらクリックしてください。
-------------------- Vogue -------------------
音楽は自由にする
坂本龍一氏 初の本格的自叙伝。生い立ち、学生運動、結婚、音楽、57年の人生。