ずっとずっと一緒だよママ
原作:鈴木光司×監督:中田秀夫(リング)のコンビが贈る魂を揺さぶるグランド・ホラー『仄暗い水の底から』をレビュー。
仄暗い水の底から
英題:Dark Water
制作年:2002年
ジャンル:ホラー
監督:中田秀夫
脚本:中村義洋、鈴木謙一
原作:鈴木光司『仄暗い水の底から(〜浮遊する水)』
音楽:川井憲次
主題歌:スガシカオ『青空』
キャスト:黒木瞳、小日向文世、菅野理央、水川あさみ、and more…
『仄暗い水の底から』のあらすじ/概要
ずっとずっと いっしょだよね、ママ。「リング」という名のホラーウィルスを世界中に蔓延させた原作鈴木光司×監督中田秀夫のユニットが、これまでの概念を超越したグランド・ホラー「至高の恐怖」をあなたの脳髄へ送りつける… 松原淑美(黒木瞳)は自分の幼い日々を思い出す。それは幼稚園のころそれぞれの親が迎えにくるなか、自分だけ取り残される姿。淑美の母は自分勝手だった。淑美は家庭を大切にし、子を思う母になろうと決心している。しかし現実には夫(小日向文世)とうまく行かず離婚調停中。だが頑なに子供を思う気持ちだけは持っている。親権を主張し、自立するため新居探しを始め、淑美と娘の郁子(菅野理央)は「なにか」を感じるマンションに行き当たる。室内の湿気、水道水の不気味さ、雨漏り、子供の足音。二人で住みはじめたある日、郁子が屋上で赤い子供用のバックを見つけた。
Amazon.co.jpより抜粋
『仄暗い水の底から』をサクッとレビュー
Jホラー映画の金字塔的作品、『リング』の監督中田秀夫×原作者鈴木光司のタッグがお贈りする『仄暗い水の底から』を今更ながらに初鑑賞。
新設備で観た。
(新設備と言うほどでもない)で、何故にこの映画を観ようと思ったのかはよくわかんない。特にレコメンドされたわけでもない。でも観てないってヤベーだろ!ハリウッドでリメイクもされてるし!(ヤバくないです)ってことで、一応鑑賞。
終始黒木瞳さん、(ある意味において)全然イケるやん!とか思っていたのは内緒。
公開当時の黒木瞳さん42歳。現在の私41歳。余裕でイケるやんと思っても仕方がないよね?よね?←何の確認?
こんな綺麗なBBAがおってたまるかと。←
そして私は思った。上記の画像はエンディング付近から言うと10年前っていう設定なんですけど、エンディングがあれ、未来設定なん?
自分で言うててややこしくなりそうなんですけれども、例えば劇中のエンディング付近以外が2002年前後とした場合、エンディングは2012年なん?
って思うのも、普通にアンテナビヨーンタイプの今は懐かしき着メロとか作ってた時代の携帯電話使ってますやんか?ピッチかもしらへんけど。
にしては、比較的現在に寄せろとまでは言わないけれど、10年後の未来があまりにも当時のまますぎねぇかと。
舞台設定を1992年前後とした場合は、一般人がこんな小型の携帯使ってるとかあり得へんし。
まぁそんなことはどうでもよか。←何故言及したのか…
気になったからだよぉ!
なんせ全体的の雰囲気はJホラーらしくて不気味でいい感じなんだけれどもね、所々何かしらの粗が目立つ。そんな映画やと感じましたんですね。
あまりの荒唐無稽さもあり、怖さ自体あまり感じなかったというのもありますが。
その辺『リング』は初見時、その時代と当時の文化が見事に絡み合ってるのもあって、夜トイレに行けなくなるくらいには震え上がったものですが(今観ると某女優の某演技に噴飯ものなんですけど)、同じコンビで作ってて、何故にこうなってしまったのか…貯水槽という分かり易いマクガフィンがあるのに。
↑というかこの画像、マクガフィンだらけ。↑
説明しよう!(唐突)
マクガフィンとは映画や小説などの創作物において、物語を進行させる上で重要なキーアイテムないし、キースポット、キーマンなどの概念のことである。(簡単に言えば)
この映画『仄暗い水の底』で言うなら、そもそも水、気候、新しいお住まい(マンション?団地?)、郁子、淑美の過去/トラウマ、人ならぬ者、貯水槽、エレベーター、赤いバッグ等々はマクガフィンと言えるであろう。
はい。子役の郁子を演じた菅野理央さんはとてもよかったですね。
この子、何かでよく観たような顔なんだけれどなんだろう?
初恋相手とかに似てんのかな?(違)
当時、カゴメのCMとかに出てたみたいだからそれかな?
にしても、子供ながらに両親の何某を察っしたり、母の気持ちを察したりといった演技はとてもよかった。
だからこそ、夫婦間の軋轢は取り敢えず置いといても、母子の愛を描くホラーとして綺麗に行っていれば、それでよかったんですけどもね。(夫婦間の軋轢をもっとシビアに描いて、結局一番怖いのは生きてる人間ですよでもよかったけど。)
ほんでオープニングクレジットの水川あさみいつ出てくんねん?
とか思っていたら、10年後の郁子として登場してまいりました。
後ろぉ!←
うーん。この10年後はね、正直蛇足に感じちゃったかな。
エレベーターの中で、淑美は最愛の郁子の命を、文字通り母の愛をして命を賭して護った。
でよかったんじゃないかなって。
何なら貯水槽や水から、母性というものを連想することも可能なわけである。
何故ならそれは子宮や羊水を思わせるものだから。オレとしてはね。人ならぬ者が愛に飢えていたというのもまぁ理解はできるしさ。友達が欲しかったとか、母親の愛が欲しかったとか。
淑美の生い立ちやトラウマは劇中で描写されているわけであって、行動原理なりその後をいちいち態々描いたり語ったりしなくても、解るなり察するなり考察の余地がある部分って、映画には多分にありますやんか。
売り出し中の水川あさみ出したかっただけなんとちゃうのんかと。
総評
Jホラーとしてめっさ中途半端。材料が揃いまくってるだけに、どっちに振れるにしてももっと美味しく料理できたはずだと思う。バランス取ろうとして半端なのかもしれない。
じゃあお前作れや!って話ですかそうですか。←
星3つ!