知人のM君には奥さんであるN子ちゃんと娘のU子ちゃんがいる。


そんなM君は最近U子ちゃんのことで1つ気になることがあるそうです。




それはU子ちゃんがM君のジョークに笑ってくれなくなったから。
今まではM君がジョークを言うとU子ちゃんは笑ってくれた。
しかし今はほとんど笑ってくれない。





M君「何でやと思います? どうしてU子は笑ってくれなくなったんでしょう」




神崎「それはつまらないからだろう」




M君「今までとジョークの質は変わってないと思うんですけどね」




神崎「じゃあ、U子ちゃんが期待するもののレベルが上がったんじゃないか? 今までどおりのジョークじゃもう面白くないってわけだ」




M君「そうですか。U子がそこまで俺に期待してるなんて……。お父さんならもっと面白いことが言えるはずだ、と思ってるんですね」




神崎「まあ、U子ちゃんが本当にそう思ってるかどうかは知らないぞ」




M君「娘の期待に応えてこそ、俺は輝けます」




神崎「フルオーダー感満載のジュエリーのように輝きたいってわけか?」




M君「ええ、そうです。俺はジョークで家族を笑わせる。それでこそ輝けるんです」




神崎「娘の期待に応えようとする父親。それは本当にいいと思う」




M君「娘につまらない父親やと思われたくないんです」




神崎「地球の温度を2度上げるほどのホットなジョークを連発すれば、U子ちゃんはMのことを笑いの神だと思ってくれるかもしれない」




M君「笑いの神になってみせましょう……というのは冗談。できるだけ地球の温度を下げないよう努力したいと思います。でも期待して、がっかりすることってありますよね。このあいだ、ある洋食屋でオムライスを食べたんです。でもたいして美味しくなかった。めっちゃ美味しいって評判だったんですけどね。それでそのことをU子に話したんです。するとU子はこう言いました。(例えにするとどれぐらい美味しくなかったの?)って。それで俺はいい例えを思いつけなかったんです。こういう場合、どんな例えを言えばいいんですかね?」




神崎「こう言えばいいんじゃないか。(シャトーブリアンにキャビアとフォアグラを載せ、金箔をまぶした料理を期待したら、めんたい味のうまい棒が3本出てきたようなもの)って」




M君「俺はめんたいこが苦手。だからうまい棒はめんたい味なんですか?」




神崎「まあ、そういうことかな」








M君が娘のU子ちゃんを心から笑わせることができたらいいんだけど。









あとM君の奥さんであるN子ちゃんがこんなことを言う。
「あたしはディズニーが大好きです。このあいだテレビショッピングで祈平の純プラチナ ディズニー100周年限定メダルのペンダントトップを買おうとしたんですよ。でも買えなかった」




神崎「そんなにディズニーが好きなの?」




N子ちゃん「ええ、それで実際にディズニーであった感動の話をしましょうか?」






それはこういうものだった。




ある女性客がスプラッシュマウンテンの乗車中に、お母さんの形見である大事な指輪をなくしてしまう。
水路に落ちた指輪がどこに流されたかはまったくわからない。
女性客は発見するのは難しいだろうと思う。
でもキャストに相談したんです。

キャストは「連絡先を教えてください」と言ってくれた。

それから数日後に電話がかかってくる。





「見つけましたよ!」

亡くなった母の大事な指輪が見つかった。
女性客はその言葉を聞いて、心から喜んだそうです。

「どうやって見つけたんですか?」と尋ねる。すると「ここは魔法の国です」という言葉が返って来た。


噂では指輪を見つけるため、数十人のダイバーを動員したそうです。
それだけのダイバーを動員するにはコストがかかる。
一人のお客さんのために採算を度外視して対応する。
その結果、女性客はなくした指輪をまた手にすることができたんです。

 




N子ちゃん「やっぱりディズニーは魔法の国なんです。指輪をなくしても返ってくるんですよ」




神崎「Mもディズニーに行って魔法をかけてもらったらどうだ。いつなんどきでも最高のジョークが言えるという魔法を……」




M君「そうですね。魔法をかけてほしいです……ってそんな魔法はないでしょう。でもディズニーはいいところやと思いますよ」




神崎「うん、お客さんを大事にする精神は素晴らしい。その女性客はいつまでもディズニーのことを好きでいてくれるはずだよ」














永谷園のチャーハンの素で作ったチャーハン。

ご飯と卵があれば簡単に作れる。
これは本当に美味しいです。