知人のYさんとその奥さんであるU子さん。
一昨日そんな2人に会いました。



Yさん「おもろい人間っていうのは、どんな時でもユーモアのセンスを発揮できる。俺はそう思ってるんや」




神崎「どんな状況に置かれても、笑いに走るってわけですね。でも度が過ぎると他人の顰蹙を買うかもしれませんよ」




Yさん「いや、常識は必要やと思う。何でもかんでも笑いに走ればええってもんやない」




神崎「何が言いたいんです?」




Yさん「俺は5年前、娘と飛行機に乗ったことがあってな。そのとき俺がジョークを言うたんや。そしたらそこで飛行機が揺れた」




神崎「そしてYさんはこんなことを言ったんじゃないですか?『見ろ。今の俺のジョークのおもしろさに飛行機まで笑っとるわ』」




Yさん「おいおい、いくらなんでもそんなこと言うわけないやろう。ただ娘がこんなことを言うたんや。『お父さんがつまらないジョークを言うから、パイロットが動揺したんやない? それで飛行機が揺れたんよ』」




神崎「娘さんは面白いことを言いますね」




Yさん「まあ、俺の娘やからな。父親の俺をからかうことが結構あるんや。それで俺はこう言葉を返した。『ジョークがつまらんからって動揺したりはせんやろ。ただ娘にこんなことを言われてしまう俺のほうが動揺するわ』 あの時はこんなことしか言えんかった。だから俺はまだまだやなって思う」




U子さん「そんなわかりきったことを今さら言うてなんになるん?」




Yさん「あのとき相手が娘やなくて、ほかの人間やったら反論したと思う。でも俺は反論しなかった。やっぱり娘に対しては強気なことが言えなくてな。つまりどんな時でもおもろいことを言うのは俺には無理ってわけや。いつもならおもろいことが言えるんやけどな」




神崎「娘さんへの愛情がYさんが持つユーモアのセンスを鈍らせたって言いたいんですか?」




Yさん「まあ、そんなとこや」




神崎「その話を聞いたら、娘さんはこう言うかもしれませんよ。『あたしのせいでおもろいことを言えなくなったお父さん。ならあたしが代わりにおもろいジョークを言うてあげるわ。もともとあたしのほうがジョークのセンスは抜群やから』」




Yさん「うん、ほんまにそんなことを言いそうや。しかし娘はまだジョークのセンスで俺を超えてはいない。父親の壁は高いで」




神崎「そうなんですか。軽くジャンプをすれば超えられる。そんな壁のように思えますけど…」



Yさん「アホなことを言うな。俺の壁は高いんや。棒高跳びの選手ですら飛び越えるのは困難。軽いジャンプで超えられてたまるか!」




神崎「そうですよね。父親の壁は高い。そう易々と超えさせるわけにはいきませんよね」




Yさん「まさにそのとおり。でも娘のことはおもろいと思ってる。さすがナニワの女やと思うことがあるからな」




U子さん「あの子はあたしの娘でもあるんよ。あたしの血を引いてるの」




Yさん「そんなことはわかってる。でもジョークのセンスの良さは父親譲りやで」




U子さん「そうかなぁ……あたしから譲り受けたもんやと思うけど」




Yさん「それはない」




神崎「両方からいいところを受け継いだんじゃないですか。そのお陰で娘さんは面白い女性に成長した」




Yさん「まあ、そういうことでええか」














そんなYさんがこんなことを教えてくれました。


世の中には「癒やし系な面白い人」も必要。


面白い人って聞くと、切れ者でツッコミができ、トークが巧い、というイメージがある。
でもそれだけが面白いじゃない。
話し方が柔らかくて、幸せな空気を作れる。
そういう感じの面白い人も必要。




Yさんの職場にはそういう女性が一人いるそうです。
その女性は性格もいいから、みんなに好かれている。
そして面白みがある。






Yさんがその女性のことを語るとU子さんがこんなことを言う。
「天然な女性ってわけやね。でも世の中には天然を装ってる女もいるで。計算で天然を演じ、人気者になろうとする女を実際に見たことがあるしね」




Yさん「彼女はそんな女とは違う」




U子さん「“男を虜にする癒し系女の魔力”って言葉を知ってる?」




Yさん「そんな言葉は知らん」




U子さん「つまり男から見た場合と、女から見た場合では、受け取り方が違うってこと。癒やし系と思われる女の大半は見た目どおりやないんやで。ただそういうふうに見えるってだけのこと。男はそういう女に弱いからね」




Yさん「それはU子の偏見とちゃうか?」




U子さん「これは偏見やない。男にはロマンティストが多い。でも女のほとんどはリアリストなんやでぇ」




Yさん「確かにそれはそうかもな。でもいま言った職場の子はほんまにええ子なんや。俺のジョークのことをおもろいと言ってくれるしな。ある時なんか、俺のジョークを彼女がおもろいと言ってくれたため、とんでもないことになったんや。それが何かわかるか?」




神崎「彼女がおもろいと言ってくれたことが本当に嬉しかったんですね?」




Yさん「うん」




神崎「だから小気味良いリズムに乗って喜びを爆発させてしまった。その結果キレのあるダンスを披露したとか。そしてステップを踏み外して足を怪我したんじゃないですか?」




Yさん「俺はそんなどんくさい男やない。ただデスクの角に足をぶつけてしまっただけや」





この話を聞いて、Yさんらしいエピソードと思いました。












先週はWBCで侍ジャパンが優勝しましたね。
本当に嬉しかった。
日本に明るいものをもたらしてくれたと思います。
























オムライス

玉子の優しい風味とケチャップライスの融合が最高。
オムライスは本当に美味しいです。