先日、知人のW君とその伯父さんであるJさんに会いました。


そこでJさんがこんなことを言う。
「俺の自慢話を聞いてくれるか?」




神崎「笑えるんなら聞きます」




Jさん「たぶん笑えると思う。実はな……俺は昔日本とアメリカのハーフの女とつき合ってたんや」




神崎「それが自慢ですか?」




Jさん「ちゃうちゃう。その女は俺を捨てたんやけどな……。でもキャメロン・ディアスに似てたんや。これが俺の自慢」




神崎「思い出を美化してるんじゃないですか? もう一度よく見たら、サザエさんにそっくりかもしれませんよ」




Jさん「確かにそうやな……って、何でやねん! でもほんまは彼女と別れたくなかった」




神崎「別れた理由を聞いてもいいですか?」




Jさん「俺が彼女を怒らせてしまってな。理由は聞かんとってくれ」




神崎「そのとき一流エステティシャンの指先のように、優しい言葉で彼女の心をほぐすことができたら……別れずにすんだかもしれませんよ」




Jさん「一流エステティシャンの指先のようか……。そんなん俺には無理や」




神崎「そうですよね。Jさんの場合、キュウリの浅漬けを揉み込むような指先……というほうが合ってるかもしれません」




Jさん「キュウリの浅漬けはたまに食べるでぇ。あれはうまい」










その後W君がこんなことを言う。
「最近犬を飼い始めたんですよ。もうほんまにかわいいんです。まさに天使です」




神崎「名前は?」




W君「リィナ(仮名)です」




神崎「それは良かったじゃないか」




W君「それでリィナはサツマイモが好きなんです。このあいだは紅天使というサツマイモをあげたんですよ」




神崎「天使が天使を食べたってわけか……」




W君「ええ。そうなんです。美味しそうに食べてました。これじゃ天使の共食いですよね」




神崎「それはまたすごい言葉だな」










あとW君には10歳になるR君という子どもがいる。
そんなW君は子育てについてこんなことを言いました。


「自分はRを頭ごなしに怒ったことは一度もありません。そしてRの言うことを否定したこともないんです。子どもは親に否定されたら、自信をなくすんやないかって思うからです。それにRがどんなことでも話せる雰囲気を作ってるつもりです。Rには(話したいことがあれば、何でも話してくれ)って言ってますから」




Jさん「それは何かの本で学んだこととちゃうか?」




W君「え! わかります?」




Jさん「まあ、何となくな」




W君「Rが生まれた直後に読んだ本にそういうことが書いてあったんです」




神崎「いい本を読むと人生が豊かになるって誰かが言ってたよ」




R君「ええ、それはそうやと思います」







この会話から、R君はいい父親だなって思いました。

















ドルチェ・ガーデンのモンブラン

濃厚な栗の甘さがいい。
そのうえ生クリームの甘さもちょうど良かった。
本当に美味しいです。