審美歯科では、歯並びを改善したり、虫歯の治療を行う際に、歯の神経(歯髄)を取ってしまうことがあります。

歯の神経は、歯に栄養を送っており、この神経を取ってしまうと、歯がとてももろくなります。

抜歯原因の一つとなっているのが、歯根の破折やひび割れです。

歯根破折やひび割れは、歯の神経を取ることによって起こる事象であり、歯の神経が残っていれば、これらのことは滅多に起こることはありません。


また、歯の神経をとると、根尖病巣やパーフォレーション、歯根の虫歯、被せ物(コア)の脱落など、さまざまなトラブルの原因となります。

したがって、いかなる治療であっても、歯の神経を温存することが極めて重要なのです。



 
4前歯の審美不良を訴え来院。コンポジットレジン(プラスチック)で治療をしてある。変色および不適合、虫歯が広範囲なため、補綴(被せ物)による審美性の改善を行う。


 
支台歯形成後。古く劣化したコンポジットレジンをすべて除去し、虫歯を完全に取り除いた。歯の神経は温存している。審美的に補綴するにあたっては、特に歯周病的な問題を解決し、環境を整えておくことも欠かせない。


 
 補綴後。オールセラミッククラウン(二ケイ酸リチウム)による歯冠形態の回復を行った。歯の色、形態とも満足のいくものになっている。歯肉との調和も非常によい。



近年では、CAD/CAMの技術を応用したジルコニア(酸化ジルコニウム:チタン族に属する白い金属)がかなり普及してきました。

しかし、現在のCAD/CAMの精度では、歯の形成量を多くとる必要があるため、歯の神経にダメージを与える可能性が高まります。

CAD/CAMの技術はまだ発展途上にあり、適材適所での使用が望ましいといえるでしょう。

被せ物の材質によって、歯の形成量(切削量)は変わり、歯の神経に与えるダメージも変わるため、材質の選択は神経を温存する意味においても非常に重要といえるでしょう。

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