歯科医療の大部分を占めるのは、昔から変わらず欠損補綴(ほてつ:無いものを補うこと)です。

例えば、虫歯で穴の開いた部分を詰めたり、歯を被せたり、抜歯した部分に入れ歯やブリッジあるいはインプラントによって歯の形態と機能を回復することが、歯科医療のほとんどを占めます。

中には、歯周病治療に代表されるような、歯周病検査やブラッシング指導、スケーリング(歯石除去)など、ほんのわずかですが補綴以外の検査や指導も保険請求が認めらています。

しかし、予防処置や生活指導などは健康保険の適応外であり、現在の医療制度は一貫して治療(キュア)に軸足を置いています。

仮に、失った部分を補綴したとしても、口腔内を清潔に保てなければ、またすぐにダメになってしまいます。



ところで、歯科医療の価値は歯を補綴することだけにとどまりません。

口腔衛生を向上させることで、虫歯や歯周病の予防はもちろんのこと、動脈硬化や高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心臓病、アルツハイマー、腎臓病、慢性関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎、早産など、多くの全身に関わる疾患を予防できる可能性があります。


つまり、歯の予防は欠損補綴(歯を詰めたり被せたり、人工歯を入れること)と同等以上に価値のあるものといえます。

このような価値を行政がもっとよく認識し、政策レベルに落とし込んでいけば、病気で苦しむヒトや薬漬けになるヒトは激減すると確信しています。


予防の成果は、一人一人の健康に対する意識の差が如実に表れます。

なんら症状が無くても、定期的な歯科受診で口腔を清潔に保ち、健康長寿を共に目指しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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